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【属人化のバグ】なぜエースは辞めるまで仕事を抱え続けるのか?

「あの人が休むと仕事が止まる」
「これだけは私がやります。」

そう言って今日も一人の社員が仕事を引き受ける。

周りも安心する。

「あの人なら間違いない。」
「任せておけば早い。」

だから自然と仕事はその人へ集まる。

気づけば、
・難しい案件は全部その人
・クレーム対応もその人
・判断が必要な仕事もその人
・トラブルが起きれば真っ先に呼ばれるのもその人

会社にとって頼もしい存在です。

しかし、その安心感の裏側で、一つの危険が静かに育っています。
もし明日、その人が辞めたらどうなるでしょうか?

仕事は止まり、誰も状況を把握できず、お客様への対応も遅れる。

実は、この状態は珍しいものではありません。

多くの会社で、「仕事ができる人」が会社を支えているように見えます。
しかし、本当に会社を支えているのは、その人ではありません。

「その人に仕事が集まる構造」です。

今日は、この「属人化」がなぜ起こるのかを構造から解説します。

「できる人に任せる」が一番合理的に見える

属人化が起こる会社では、誰かが悪いわけではありません。むしろ全員が正しい判断をしています。

例えば急ぎの案件が入ったとします。

新人へ任せれば時間がかかる。
途中で質問も来るでしょう。
やり直しになる可能性もあります。

一方、エースへ任せれば今日中に終わる。

品質も安心です。

この状況なら、多くの人はこう考えます。

「できる人にお願いしよう。」

当然の判断です。

実際、その判断によって会社は今日も問題なく回ります。

ところが、この「今日の正解」が積み重なることで、未来の問題が作られていきます。

気づけば「あの人しかできない仕事」が増えていく

最初は一つだけだった仕事。
その次も。
また次も。

難しい案件が来るたびに同じ人へ任せる。

その結果、

「あれは〇〇さんしか分からない。」
「あのデータは〇〇さんしか触れない。」
「お客様との経緯は〇〇さんしか知らない。」

という仕事が少しずつ増えていきます。
会社は「仕事が回っている」と思っています。

しかし実際には、会社が回っているのではなく、一人の頑張りで回っているだけなのです。

そして本人も、「私しか分からないから。」そう思って仕事を抱え続けます。

有給も取れない。
長期休暇も難しい。
引き継ぎをしたくても時間がない。

結果として、属人化はさらに進んでいきます。

標準化しようとしても、なぜか途中で止まる

もちろん会社も危険性には気づいています。

だから、
「マニュアルを作ろう。」
「引き継ぎ資料を整備しよう。」
「業務を標準化しよう。」

そんな取り組みを始めます。

ところが数週間後。

「忙しくて手が回りません。」
「今はそれどころじゃなくて。」
「落ち着いたらやります。」

結局、何も変わりません。

マニュアルは途中まで。
手順書も未完成。
標準化プロジェクトも自然消滅。

なぜでしょうか?

それは、マニュアルを作る仕事まで、結局エースに任せているからです。

つまり、属人化を解決する仕事まで属人化している。
これが、多くの会社で起きている現実です。

「もっと仕組み化すれば解決する」は半分しか正しくない

ここまで読むと、こう思うかもしれません。

「じゃあ、もっとマニュアルを作ればいい。」
「もっと仕組み化を進めればいい。」

確かにそれも必要です。

しかし多くの会社は、そこまで考えていても属人化を解消できません。なぜなら、本当の問題は仕組みがないことではないからです。

マニュアルはある。
共有フォルダもある。
業務フローも整備した。

それでも仕事は、また同じ人へ集まります。

つまり問題は、「仕組みがないこと」ではなく、「仕事の振り方が変わっていないこと」です。

エースが仕事を抱え続ける本当の理由

危険だと分かっている。
本人もしんどい。
会社も何とかしたい。

でもそれでも変わらない。
その理由は意外なほどシンプルです。

それは、

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