AIに最初に任せる仕事、どう選びましたか? ぼくは5つの条件で決めています
「AIを使いたいけど、どの仕事から始めればいいのか分からない」
いちばん多く聞かれるのがこれです。ぼく自身も、会社を作ってから同じところで一度止まりました。やりたいことは10個くらい浮かぶのに、どれから手をつけるかを決められない。とりあえず一番時間のかかっている仕事に手を出して、途中でよく分からなくなる。
いまは選び方を5つの条件に固定しています。この記事では、その条件と、そのまま使える確認表・依頼文・記録の型を置いておきます。読んで終わりではなく、今日ひとつ選べる形にしました。
結論:週1回以上あって、形が決まっていて、手前で止められる仕事から始める
先に結論だけ書きます。最初にAIへ渡す1業務は、次の3つを満たす仕事です。
週に1回以上、繰り返している
渡す材料と、できあがりの形(見出し・長さ・並び)が毎回ほぼ同じ
送信・公開・提出の前に、自分が中身を読んで止められる
「いちばん時間がかかっている仕事」から選びたくなりますが、それは工程が多すぎて、どこが軽くなったのか分かりません。「売上に近い仕事」も、間違えたときの代償が大きいので最初には向きません。
そのまま使える確認表:5つの条件を○△×で埋める
候補を3つくらい並べて、次の表を埋めてください。5つすべてが○の仕事から選びます。○が3つ以下なら、最初の1業務にはまだ向いていません。
繰り返しがある。先週も今週も、同じ仕事を1回以上やったか(×の例:年に数回しかない仕事)
材料と完成形が決まっている。渡す情報と、できあがりの形が毎回ほぼ同じか(×の例:相手ごとに書き方が毎回変わる)
時間の中身が準備に寄っている。その時間の多くを、調べる・並べる・下書きに使っているか(×の例:考えて決めることが仕事の中心)
手前で止められる。送信・公開・提出の前に、自分が読んで止められるか(×の例:届いた瞬間に自動で返す必要がある)
情報の扱いが済んでいる。秘密情報を使わずに試せるか、使うなら扱いの確認が済んでいるか(×の例:顧客名簿をそのまま貼るしかない)
迷ったら1番を優先します。繰り返しがない仕事は、うまくいったのか、たまたまだったのかを見分けられません。1回きりの仕事をAIに手伝わせるのは構いませんが、「最初の1業務」としては測れないので選びません。
判定が割れたときは、○の数を数える前に条件1と条件4だけ見ます。この二つが×の仕事は、何回試しても、続けるかやめるかを決められません。
3つの候補に当てはめると、だいたい一つに絞れる
たとえば、こんな候補が挙がったとします。
面談後のお礼メールの下書き:条件1〜5すべて○ → これを最初の1業務にする
見積書の作成:条件1は○、2と3は△、4は×、5は○ → 間違いの代償が大きく、送信の手前で止めにくい。後回し
年1回の事業計画づくり:条件1と2が×、3と4は○、5は△ → 繰り返しがなく測れない。対象外
見積書は「時間がかかっていて、AIでやれそう」に見えます。でも条件4が×なので、最初には選びません。順番の問題で、永久に無理という話ではありません。
選んだら、依頼文はこの形で渡す
仕事を選んだあと、AIへの渡し方でつまずく人が多いので、ぼくが使っている形をそのまま置きます。空欄を埋めて貼るだけです。
【やってほしいこと】
(例:面談メモをもとに、お礼メールの下書きを1通つくる)
【渡す材料】
(例:面談メモ。以下に貼ります)
【できあがりの形】
・全体で300字以内
・構成は「お礼→当日決まったこと→次にやること→締め」の順
・敬体。感謝の言葉は1回まで
【やってはいけないこと】
・こちらが言っていない内容を足さない
・価格・納期・確約の表現を書かない
・分からない箇所は空欄にして「要確認」と書く
【最後は人が確認します】
送信はしません。下書きまでにしてください。
大事なのは3つ目と4つ目です。「できあがりの形」と「やってはいけないこと」を先に文字にしておくと、直す回数が目に見えて減ります。ぼくはこの型を、AIが自分で決めてよい範囲の線引きとあわせて3段階の文書にしました。過去の判断20件で答え合わせをしたら、18件が自分の判断と一致しました。合わなかった2件は、線を引き直す材料になりました。
最初の3回だけ記録する(多くの回数は要りません)
選んだ仕事が合っていたかは、3回やれば分かります。1回ごとに、次の4つだけ書き留めます。
自分が使った時間(指示・確認・修正を含む)→ 準備が軽くなったかが分かる。AIが動いている時間は数えない
直した箇所 → 毎回同じ箇所を直しているなら、完成形の指定がまだ甘い
途中で止めた場面 → 「手前で止められる」が実際に働いたか
同じ手順で終わったか → 毎回やり方が変わるなら、その仕事はまだ形が決まっていない
判定は単純です。3回とも同じ手順で終わったなら、選び方は合っていました。3回とも違う手順になったなら、仕事が大きすぎるか、完成形が決まっていません。候補の一覧に戻って選び直します。
ぼくが実際にやった失敗を2つ
ひとつめ。回数をこなせば分かると思っていました。SNSでの発信をAIで続けて、41日間で100件投稿しました。結果はリンクのクリックが0回。量は増えたのに、何を確かめるのかを先に決めていなかったので、続けるか変えるかを決める材料が残りませんでした。数を増やしても、選び方の答えは出ません。
ふたつめ。朝の定型作業を毎朝9時に自動で始まるようにしたのですが、初日は起動した14分後にエラーで終わっていました。落ち込みましたが、毎朝ある仕事なので翌朝には気づけました。これが年に数回の仕事だったら、気づくのは何か月も先だったはずです。繰り返す仕事を選ぶ利点は、失敗にすぐ気づけることでもあります。
AIに渡すのは整理と下書きまで
最後にひとつだけ。ぼくはAIに、整理と下書きまでを渡しています。送信、公開、価格、契約、納期の判断は自分でやります。ここを渡してしまうと、速くはなりますが、間違いも同じ速さで進みます。
最初の1業務を選ぶことも、その線を引くことも、いまのところ人の仕事です。まずは先週の自分の仕事を思い出して、5つの条件を当ててみてください。
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