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マキビシ8ビート #0

かくすればかくなるものと知りながら
やむにやまれぬ 大和魂

引用元:『吉田松陰 留魂録』古川薫(著) 講談社










時差マイナス7時間の日々。
1日13時間の練習。
疲れてるのに眠れなかった。
摂取30度、湿度40パー、血中酸素飽和度93パー、アイシングプール10度、吐いた数25回、怪我の数はもうわかんない。
ササミ、バナナ、プロテインバー、納豆、サラダ。
チーズたっぷりピザや美味そうなパスタは1回だけ食べた。帰りの空港のラウンジで食べた。
テラス席には座れなかった。
「そこはアジア人の席じゃないから」と言われて、座れなかった。
2日目でボロボロになったスニーカー。
70ユーロのNIKE エアフォースワン。
1月の能登の地震。
8月になっても瓦礫の山に埋もれてるばあちゃんち。
中3のときの先生からのLINE。
4通目ので泣いた「生きる希望が湧いた」って。
2万人の大観衆。
15人の世界最強の強敵。
たった1人、震えが止まらなくなったロッカー室。
6ラウンド1ポイントの総合成績。
4.5連続ワンハンドエルボーエアー達成。
2万人の声援。
2万人のブーイング。
パリで過ごした14日間。
多分一生忘れることなんて出来ない。
嗚呼、
嗚呼、
もう一度だけ…

いや

それでもこの人生が
面白い
おもしれぇ。

もう二度とオリンピックでは踊れないからこそ
もう二度とあの瞬間には戻れないからこそ

これからの人生、どう生きようかって思うと
涙が溢れてくるんだ。


本当にありがとうみんな。
人生はきっと辛いことばかりだけど
それでも楽しみで仕方がないんだ。


ネットには、どうせろくな事なんて書かれてないだろうから見ない(笑)

そりゃもちろん勝ちたかった。

でも本質はそこじゃないって今ならわかる。

っていうかずっとそうだった。

オレは、あっ、オレらは

「闘う」ってことが何より楽しいんだってこと。
「挑む」ってことがオファーの条件だってこと。

まあいいさ。俺が納得してればそれで良い。

あぁラーメン食べたい。
寿司が食べたい。
早くみんなに会いたい。
ああー!早く練習したい!!



シャルル・ド・ゴール国際空港から直行便で15時間。

B-BOYリョータこと、藍沢 涼太(17歳・高校生)は帰国した。

可愛い子には旅をさせろ、ということわざがあるが、彼の場合は旅なんて生易しいものでは無かった。

──死闘。

彼はたった一人世界と戦い抜いた。
いや、ひとりではなく仲間や家族、世界中の同志たちとの絆を胸に秘め戦い抜くことができた。

競技である以上、勝ち負けや優劣は仕方がない。

ただ、真の闘いとはなんたるか、誠の強さとはなんたるかを若干17歳にして会得した。

正真正銘の戦士である。

国のため、郷のため、世のため、愛のため、仲間のため、家族のため、奉仕のため、野心のため…

誰がためかは千差万別。時代や世相により異なる。
無論、動機は理由への解釈など愚の極み。笑止千万。
しかし、いついかなる時も、戦と名のつくものには
己との闘いが伴う。

本当の勝負は、己との闘いのなかにこそあるのだ。

どんな刺客よりも狡く、どんな軍勢よりもしぶとい。
たった一人、己自身との闘いが重要なのである。

臆病な己の弱さを「仕方がない」と迎合したとき。
世論や社会の有象無象に取り込まれたとき。
心は死に、闘うことを諦めてしまう。

だがリョータに至ってはそうはならない。
彼はいかなる状況でも、最後まで諦めない。

死なない、とはそういう事である。
この道に生きると覚悟したものだけが辿り着く境地。

この物語もう一人の主人公。
武器は究極のスキルと鋼の心。
鍛錬千日、勝負は一瞬。





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