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【ちょっと昔の世界一周】 #53 《bye-bye》

「お〜久しぶり…だよね!?確か世界一周航空券の人でしょ!」

約二週間ぶりに戻ったツリーで私を出迎えてくれたのは、予想通りタカさんだった…

六時間遅れとはいえ、イスタンブールに戻ってきた。

明日にはヨルダンへと飛び立つ私は、トルコ最終日を楽しむことにした。

*****

マリアの家から戻った私は、少ない時間だがセルチュクの街を歩くことにした。

イスタンブールへのバスは夜の八時発。
それまでは宿に荷物を預けられるようにお願いしていたこともあり、夕食を含めしばらくは街歩き。

改めて、セルチュクの街自体はそこまで見所があるわけではないが、こういう場所はやはり楽しいもの。

「Photo ??」こんな感じで声をかけてくる

特に行く当てもなく歩いていると、一軒のパン屋さんを見つけた。
サフランボルでのことを思い出し、フラッと店内を覗いてみる。

夕飯に何か買っていこうかと思い、中に入りパンを眺めていると店員さんに挨拶をされる。
カタコトながら話をしていると、面白い話を聞いた。

セルチュクは観光客がそれなりに来ることもあり、その人たち向けのレストラン等はあるのだが、こういった地元の人が多くやってくる店にはあまり旅行者が来ないようだ。

なので珍しくて話しかけていたとのこと。

確かに、昨日の夜も観光客向けといった感じの店はそれなりに遅い時間まで賑わっている感じがあった。
しかし、そうではない店はというと人の入りはそこそこ。

こんな光景は当然といえば当然のことだが、長く滞在する人がそこまでいないこの街にとっては、こういったあまり観光客が来ないお店に旅行者が来るのは不思議なこと。

なんとなくウキウキしている店員さんとしばらく話し、そうだ!と思いデジカメの中のサフランボルのパン屋さんの写真を見せながら、私もパンを作ってるんだ。と言ってみる。

予想通り!?話は盛り上がり、欲しかったパンは買ったもののそれ以外にたくさんのパンをもらう。

パン屋は優しい!!
そんなことを感じながら、再び歩き始めるとサッカーをしている子どもたちがいる。

横を歩いていくと、想像通り声がかかる。

「Inamoto !!! JAPAN !!!」

稲本人気恐るべしである。
そしてあっという間に私の周りに集まりだす。

サッカーを続ける子もいれば、寄ってくる子もいる。
旅をしてきて当たり前になった光景なのだが、よくよく考えてみると見ず知らずの大人、それも外人相手にこうやって気軽に声をかけてくるのは、なかなか勇気のいることだと思う。

私がシャイだということもあるし、子どもだからこそ声をかけられるのかもしれないが、それにしてもこうやって自然に声をかけてくる。

中には危ない大人もいるだろうが、こうやって何にでも興味を持ってくることは、子どもだからこそとてもいいことだと思う。

それこそ、私自身も何にでも興味があってこうやって旅をしている。

そして、そこで感じたこと・学んだことは大きな経験になる。

彼らに対し私が教えたり伝えることは何もないのだが、こういう時間は必ずプラスになるだろう。

なので私もできるだけ、彼らを受け止めようと思いながら話をする。

言葉は通じなくとも何かは通じるようだ。

なぜか一緒にサッカーをしたり、その辺に座って応援をする。
どちらかがゴールを決めれば喜んだり悔しがったり…

『やっぱりこういう時間はいい!』

一通り遊び、さすがに彼らの体力には敵わなく「Bye !!」と声をかける。
手を振る彼らを見て、そうだ!と思いついた。

先ほどもらったパンの袋を、みんなで食べな!と言って渡す。
驚きながらも、満面の笑みで受け取って「テェシェキュルエデリム!」とお礼を言ってくる彼らをあとに、すでに始まっている若干の筋肉痛を感じながら宿へと戻ることにした。

*****

宿で荷物を受け取り、お礼を言ってバスターミナルへと向かう。
何事もなく出発時間の一時間ほど前に着いて、夕食のパンをつまみながらバスを待つ。

セルチュクからミニバスでどこか(聞いたのだがすっかり忘れた…)の街へ行き、そこからイスタンブール行きのバスに乗り換える。

到着予定は、トルコお決まりの早朝。
着いたら着いたで何かしら時間は潰せるだろうと思いこのバスに決めた。

たくさんのいい思い出ができたトルコの旅もあと少し…

イスタンブールではもちろんツリーに泊まり、一泊したらヨルダンへと向かう。

なので明日は最後のイスタンブール(いや、ツリーか…)を楽しもうと考えながらバスを待つ。

私と同じバスに乗るであろう人が二、三人やってきた。
どうやら全員地元の人のようだ。

出発時間も近づいてきたし、そろそろバスもやってくるかな?
と思っていたがなかなか来ない。

この前のように『まぁ、そのうち来るだろう…』と思っていたものの、見事なまでにやって来ない。

同じく待っていた人たちが痺れを切らし、ターミナルの人へ聞きに行ってくれた結果、理由はわからないが遅れていていつ来るか知らないとのこと…

こうなったら待つしかない。
そう心に決めて待つこと三時間
ようやく一台のミニバスがやって来た。

話を聞くと結局本来の予定の車は連絡がつかず、代わりにこの車が来たとのこと。

なかなかのトラブルだが、これでようやくイスタンブールへ向けて出発できる。

と、思ったが次なる問題が、、、

三時間遅れということは、もちろん乗り換えのバスの時間には間に合わない。

チケットは買っているし、バスの問題なので次の便に変更もしてもらいその点はよかったのだが、結局待つことに…

ここでも約三時間ほど待つことになり、最終的にイスタンブールに着いたのは予定の六時間遅れ…

最後の最後でなかなかのトラブルが起きたものの、私はイスタンブール、いや〝Tree of Life〟へと戻って来た。

ツリーのリビングでタカさんに出迎えられ、管理人さんに案内されたベットに荷物を置く。

明日の移動のこともあるし、ゆっくりしようかと思ったものの久しぶりのイスタンブール、ゆっくりできるはずもない。

街歩きの準備を整え、街へと歩き出した。

*****

最終日ということもあり、色々と歩き回ってみた。

前回の滞在時にも一度行って見応えのあったエジプシャンバザールを再び見に行ったり、ツリーの前の坂を下っていった先でムール貝を素潜りで取ってる人が見れると聞いて見に行ったり…

独特の香り漂うエジプシャンバザール
ムール貝売りの少年たち

特に当てもなく歩き回るが、やはりイスタンブールは刺激が多い。

他の街の良さもあるが、ここにはここの良さがある。

たくさんの素晴らしい出会いをしたトルコでの滞在。

もう少しでそれも終わる。

宿への帰り道、ちょうどブルーモスクの近くを通ったので、最後に寄って行くことにした。

前回の訪問時に比べ、期間はそれほどでもないが私も様々な経験をした。
今の自分を整理するにもいい場所の気がする。

独特の空気感の中、というわけではなく時間を過ごす。

そして、次の目的地である【ヨルダン】での日々を想像する。

思いつきで行くことにしたヨルダン。

ペトラ遺跡はどれほどのものだろう…

なんとなくそんなことを考えていると、声をかけられる。
見ると、数人の地元の人たち。

話をすると、どうやらモスクの中で一人で何かを考えるような私を見て、宗教感をしっかりと持っている人だと思ったらしい。

見た目はアジア人だけど、観光するでもなくこうやってモスクで過ごしているから気になって声をかけたとのこと。

ムスリムでもクリスチャンでもないけど、この雰囲気が好きなんだ。と答えると、そうなんだ!といった雰囲気で、トルコを楽しんでねと!言ってくれる。

思わず、せっかくだから写真を撮っていい?と聞くと、恥ずかしながらもOK してくれた。

モスクでの出会い

トルコに来てよかった…

そんな思いで、最後の夜となるツリーへと帰って行った。

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