【ちょっと昔の世界一周】 #54 《いざ、次の世界へ...》
切り立つ岩の間を進んでいく。

どのくらい歩いただろうか。
そう思っていた私の目に飛び込んできた光景…
遂に目的であるペトラの象徴【エル・カズネ】に辿り着いた…
*****
私にとって素晴らしい滞在になったトルコでの日々。
ヨルダン行きの飛行機は昼。
昨夜、当然のようにツリーの仲間たちと遅くまで盛り上がっていた影響で、多少の寝不足を感じながらも空港へと出発する。
日本への帰国便に乗る予定の二人組と共にチェックアウトを済ませ、階段を降りて行く。
こういう時にツリーで私が気に入った流れがある。
管理人さんや気の合うメンバーが玄関まで見送りに来てくれる。
日本人宿に対しての悪いイメージはとうの昔に無くなっていたが、この流れ(2008年当時)はさらに良いイメージを与えてくれた。
さらに、珍しいことにタカさんも散歩に出るということで、なぜか一緒にお見送りをされる。
「みんな、いい旅を〜!」
その声を聞きながら私たちは旅立った。
なぜかタカさんが最も盛大に見送ってもらえていたのだが…
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空港までの移動はトラム(路面電車)を使う。
初めてイスタンブールに着いた日から何度か利用したトラム。
今となってはとてもスムーズに利用できるようになったもの。
空港へは乗り換えの必要があるが、今回は同行する仲間もいる。
さらに、困った時は人に聞く!の精神でいると特に問題なく着くものである。
無事にチェックインカウンターがを見つけ、日本に帰る二人と別れ私はヨルダン行きの飛行機へと向かって行く。
チェックインを済ませ荷物を預けたり出国手続きも終わり、あとはフライトまでは自由時間。
バスと違って飛行機はおいていかれることは無い(と信じたい…)のだが、案内を聞き取れるわけもない私は、チケットに書かれているゲート番号と行き先を確認し、できるだけ搭乗ゲート近くで過ごす。
次はいよいよ本格的な中東【ヨルダン】である。
ギリシャでの一件がなければ訪れる予定のなかった国。
なので日本にいる時には何も調べていない。
以前の私ならば『どうしよう…』と思い悩んでいたであろうが、今は違う。
理由は、ツリーで調べたヨルダン情報がある。
私がツリーで見ていたのは何冊もあった情報ノート。
情報ノートとは ↓
世界各国の宿(基本的に安宿)に置かれているノート
滞在中の街のおすすめスポットや食堂・買い物情報、近郊の街への安い移動方法、防犯対策やガイドブックには載っていないような内容を、実際に訪れた人たちが書き綴ったノート
話には聞いていたが、実際に見るまでは想像できなかった。
「ツリーの情報ノートは凄いよ!」
タカダさんから聞いてはいたが、想像以上の内容・ボリュームに驚かされた。
さすがアジアとヨーロッパを繋ぐイスタンブール。
書かれている内容は幅広い。
さらに、ツリーに泊まる旅人たちである。
内容が濃厚…
ビザが必要な近隣国へ行くために、その国の大使館の所在地から行き方という基本的なことから、必要書類や金額はもちろん、おすすめの担当者まで書かれている。
そんなツリーの情報ノートから、私はヨルダン情報を仕入れていた。
ヨルダン行きを決めたものの、目的はただ一つ【ペトラ遺跡】を見に行くこと。
あとはその次に訪れるエジプトに備え、中東の雰囲気を味わえればいいかな…といったもの。
ヨルダンの首都であるアンマンから、ペトラのある街ワディ・ムーサへの移動手段は調べた。
さらにアンマンでの宿情報もある。
ここまですれば大丈夫!と言いたいのだが、不安もないわけではない。
その理由は、、、
初中東
というこうこと。
トルコも中東という考えもあるが、ヨルダンは完璧に中東。
私のこれまでの人生でそこまで関わりのない世界。
正直どんなものか全く分からない。
さらに、言えばアンマンで泊まる予定の宿は〝マンスールホテル〟は別名【コーダホテル】
有名なバックパッカー宿〝クリフホテル〟で働いていたサーメルさんが宿を始め、香田証生さんの件があって彼の名前をつけた宿。
(気になる方は調べてみてください)
やはり中東という地域は他に比べると大きな争いが多い。
ツリーでも聞いていたが、例え近づいていなくとも命に関わる事件に巻き込まれる可能性は結構多いと聞いていた。
もちろん稀なこととは分かってはいるものの、である。
しかし、その不安を吹き飛ばすぐらいの楽しさがあるとも教えてもらっていた。
結局は、なるようになる!のであろう。
まだ見ぬ中東という世界を想像しながら、搭乗が始まった列に並んで行った。
*****
私の不安はいざ知らず、飛行機は順調にヨルダンへと到着した。
空港からはバスでアンマン市街まで行き、あとはタクシーを使う予定だ。
市街地までのバスは難なく見つかり、スムーズに乗り込んでいく。
本来ならば明るいうちに到着しておきたかったのだが、思い立ってのヨルダン訪問。
チケットは取ったものの時間までは考えていなかったので、日が沈み夜になっての移動。
しょうがないがなんとかなるだろう…
こんな考えだったが、予想以上にうまくいっている。
考えていたよりも中東の旅はいいかな…
と思っていると、バスが止まり乗客が降りていく。
見た感じ、バスターミナルに着いたのであろう。
荷物を受け取るとタクシーの客引きが集まってくる。
その中の一人が、私がアジア人、多分日本人だろうと思ったのであろう。
「マンスール、マンスールホテル!!コーダホテル!!」
と大声で呼んでくる。
それに気づいた周りの客引きも、我先にと自分を売り込んでくる。
こういう時はひとまず値段交渉だ。
そう思い集まった客引きたちに一斉に値段を聞いてみる。
だいたいみんなの言う値段は変わらない。
ここで変に安く言っても、逆に怪しまれるだろう。
そうしていると、一人の男が自分のタクシーを指差しながら声をかけてくる。
中を覗くと、なんと運転席の横にメーターがついている。
これ(メーター)があるから俺のタクシーがいいぞ!
そんな感じでアピールしてくる。
確かに、ここで交渉しても到着時にボッタクられることも話には聞いている。
ならメーターが付いていれば間違いない。
そう思い彼の車に乗り込んだ。
のはずだったが、、、
エンジンをかけメーターのボタンを押す。
が、ターミナルの敷地内を出てもいないのに恐ろしいスピードで数字が動き出す...
これはヤバい...
咄嗟にそう感じ、運転手に声をかける。
「Stop,Stop !!」
だが、こちらは見ても止まる様子は全くない。
なので敷地内を出る際に一度車が止まったタイミングで、横に置いていたバックパックを抱え車外に飛び出した。
こうなってようやく運転手もこちらの話を聞くようだ。
あきらかにおかしいメーターの事を話すと、何か問題でも?...と言った表情でこちらを見てくる。
なので、日本語で色々と不満を言わせてもらい(内容はご想像にお任せします)先ほどの客引きたちの方へ戻る。
どうした?といった顔でこちらを見てくるので事情を説明すると、苦笑いを浮かべながら、じゃあこっちはどうだと自分たちのタクシーを勧めてくる。
若干のめんどくささを感じた私は、とりあえず言い値で最も安かった(数人が同じだったが、何となくの勘で)タクシーに乗り込む。
今度は問題なくマンスールへと到着する。
『ようやく着いた...』
運転手へとキッチリと言い値を支払い、受付へ向かう。
最も安いドミトリーは埋まっていたが、ツインの部屋は空いているという。
今は両方のベットが空いているが、誰か来たら一緒でいい?と聞かれ、もちろんと答える。
荷物をおろし腰かける。
到着早々、なかなかの出来事があったのだが意外にも何とかなるものだ。
不安だらけだった中東の旅。
改めて、なるようになる!の気持ちを思い出し、明日からの旅に期待を膨らませた。
