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ロルフィングを受けたら人生が変わった【第9回】~重力と闘うのをやめたら、身体は「ジェル」になる? ゆだねることから生まれる、本当の軽さ〜

こんにちは、ボルダー在住、ロルフィング®インストラクターのNobuです。この春、Dr. Ida Rolf Institute(略称DIRI、ディリィ)で開催されたロルフィング認定コースのPhase I(初級)を振り返りながら、ロルフィングの魅力と生徒たちの成長についてお伝えしています。

前回に引き続き、ロルフ・ムーブメントのクラスでの気づきをシェアします。(※前回の記事をまだ読んでいない方は、ぜひこちらから先にお読みくださいね!)

重力に「抵抗する」から「ゆだねる」へ

ロルフ・ムーブメントにおける非常に大切な柱のひとつ。
それが「重力との関係性」です。

「重力」と言われても、普段あまりピンとくる人は少ないかもしれません。 急な坂道を登っているときに、
「あぁ、足が重い。地球が私を引っ張っている〜!」
と感じる時くらいでしょうか。

それくらい身近で、24時間休むことなく
私たちの身体に働きかけているチカラ。
あまりにも「ありふれた」環境であるため、
ほとんどの人は「自分が常に重力と闘い続けていること」に
気づいていません。

座って映画を観ている時も、コンビニの列に並んでいる時ですら、
私たちは姿勢を保つため、崩れないよう、倒れないようにと
「無意識の頑張り」を続けています。
実は、この重力への「抵抗」こそが、慢性的な緊張の根本にあるのです。

ロルフィングが目指しているのは、重力に「抵抗」するのではなく、
「ゆだねること(Yielding:イールド)」
足の裏で地面を感じ、自分の重さを大地にあずけ、
そして大地からの押し返しを受け取る。

地球(大地)へとつながる感覚と、そこから天へと伸びていく指向性。
この二つの方向性が統合されたとき、
私たちの身体の奥深くにある姿勢筋群(トーニック筋)が静かに活性化し、身体の中にスッと一本の「ライン」が生まれます。

これこそが、創始者アイダ・ロルフが「Line」と呼んだ、
重力の中にある本当の軽さなのです。

サークルの中で、身体が溶けた!?

クラスの後半、初めての試みとして
「グラビティ・サポート・サークル」という
エクササイズを行いました。

やり方はとてもシンプルですが、スリリングです。

  1. 輪をつくる: 生徒5名と私、計6人で一つの輪をつくり、中央に1人が立ちます。

  2. ランダムなタッチ: センターの人は目を閉じます。周囲の5人は、センターの人の肩、背中、腰、胸など、あらゆる場所をランダムに軽くタッチしたり、プッシュしたりします。

  3. ただ、中心にいる: どの方向から、どんな強さ・タイミングで力が加わるかは全く予測できません。センターの人は、ただひたすらに「できるだけ自分の中心(ニュートラル)に留まる」ことだけを試みます。

3分ほど経ったところでエクササイズを終了し、センターにいた生徒が目を開けて、ゆっくりと歩き始めました。すると……

「うわぁ……身体がジェルみたい」

「えっ? ジェルってどういうこと?」と、
最初は想像がつかない感覚に戸惑いましたが、
私自身もセンターに立ってエクササイズを体験してみて、
深く納得しました。

「確かに、これはジェルだわ〜! 面白い!」

身体の表面の緊張がフワッと消え去り、
まるで自分が流動体の生き物になったような感覚。
自分の身体の輪郭が、周囲の空間とやわらかく溶け合っているような、
なんとも不思議で心地よい状態でした。

頑張るのをやめる「ファンクショナル・エコノミー」

予測不能なプッシュに対し、
「倒れないようにバランスを保とう」と中心に留まり続ける。
すると、普段は意識にのぼることのない
「深層の姿勢筋群」が自然と目覚めてきます。
その結果、歩いてみると、まるで重力そのものが
私の体を下からフワッと持ち上げてくれているみたいで、
ほんのわずかな力でスゥーッと前へ進むことができるのです。

これを裏返せば、私たちは普段の生活の中で、
いかに必要以上の緊張(力み)を身体にまとったまま活動しているか
ということ。

深層の姿勢筋群が本来の働きを取り戻すと、
表層の余計な力みは、自然と手放されていきます。
これこそがロルフ・ムーブメントの目指すゴール、
「ファンクショナル・エコノミー(機能的経済性=最小のエネルギーで最大の効率を生む状態)」なのだと再確認しました。

「さあ、姿勢を良くして頑張ろう!」と意図する(Doing)と、
身体は途端に固くなります。
でも、「ただ足裏を感じてみる」「頭の上の空間を感じてみる」と
意識を切り替えた(Being)瞬間、身体にスーッと一本の線が現れる。

そのためには、まず
自分の体の使い方のクセ(陥りやすいパターン)に気づくこと
そして、深層の姿勢筋群をONにする「切り替えスイッチ」を
自分の中に見つけ、使いこなしていくことが大切です。

「重力にゆだねることで、こんなにも心地よく動けるんだ」
生徒たちがその事実を、頭の理屈ではなく
「身体の実感」として味わえたことは、ロルファーへの道を歩む上で、
最高に素晴らしいスタートになったと思います。


【ちょっと聞かせて】 もし機会があれば、ご家族や気心の知れたお仲間が集まったときに、今回ご紹介した「グラビティ・サポート・サークル(軽く安全に押すゲーム)」をぜひ試してみてください。
(※必ず安全な広い場所で、優しく行ってくださいね!)
終わった後、歩いてみてあなたの身体がどう感じたか……ぜひコメント欄でシェアしていただけると嬉しいです。

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