戦火に遭った子どもたちの眼差し 大石芳野さんと展示する作品を選んだ
写真は大石芳野さん撮影
大石芳野”平和祈念”写真展に展示する写真を選んだ
連休の最終日は大石芳野さんの事務所に伺い、写真展で展示する写真の選定をした。
事務所から井の頭公園が一望できる。前回訪ねたのは2月。あの時は葉が落ち、眼下に池も広々と見えた。ところが新緑の季節、緑がふくよかに広がって、池の水面がわずかしか見えなくなっていた。
「いまはツバメが来るんですよ」大石さんがうれしそうに言った。ベランダから、勢いより飛ぶツバメを見ることができるという。しかも「これ、見てください!」少女のように顔を輝かせて、数枚の写真を差し出した。見るとベランダから撮影したツバメの写真だ。
どれもこれも、実際には見る機会の少ないツバメの雄姿。2羽、3羽が空中でじゃれ合う光景も鮮やかに写っている。
「小林さん、気づいていないでしょうけど」と言って、そのうち2枚を目の前に並べた。「ほら、エサを狙って! こっちはエサをとらえる寸前」
よく見ると、小さな蛾のような虫を顔を傾げて狙う姿、そしてまさに嘴にとらえる寸前の様子まで。
「アシスタントのしゅん君が撮ってくれたんです。私がツバメを好きだと知っているから」
うれしそうに大石さんが教えてくれた。まったく優秀で思いやりの深いアシスタントさんだ。
心に響く写真展にしたい
写真展に展示する写真は、明快なメッセージが伝わるように構成したいと考えていた。大石芳野さんの写真を見せてもらって、ひとつの明快な感銘があった。感銘というより、衝撃と動揺。それは大石芳野さんが撮影した、戦争を体験した子どもたちの瞳。
たとえ説明がなくても、胸に刺さる写真に出会ってほしい。そこで、大石芳野さんの写真の中で理屈抜きに強い印象を残す「子どもたちの眼差し」を中心に据えることにした。カンボジア、ベトナム、アフガニスタン、ラオス、スーダン、コソボ、日本など、世界中で〈戦火に遭った子どもたち〉の写真を大石芳野さんは撮影している。
数々の写真に共有するのは、戦争を体験し、目の前で肉親を殺された、家を破壊された、など悲惨な体験を持つ子どもたちは、たとえ微笑んでいても、眼差しの奥に深い悲しみを湛えている。強い憎しみの場合もある。
大石さんの魂の叫び=「戦争は終わっても終わらない」
その眼差しに出会うたび、「戦争は、終わっても終わらない」という大石芳野さんの魂の叫びが実感となって響いてくる。これを多くのみなさんに感じてほしいと願い、写真展の大きな柱に設定することを提案し、大石芳野さんにもご賛同いただいた。
計約80点の展示写真のうち、最初の25点は「戦火に遭った子どもたちの眼差し」で構成する。
大石芳野さんと小林信也の対談映像がご覧いただけます!
YouTube小林信也チャンネル「大石芳野・小林信也対談」
スポーツを通じて平和を発信! 大石芳野平和祈念写真展&小林信也トークライブ開催 - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
