【第403回】 Data Cloud : Batch DMO Activation(手動対応版)が登場
2025 年 10 月の Data Cloud の新機能リリース により、待望の Batch DMO Activation が登場しました。
この機能により、企業が Data Cloud に蓄積する「プロファイル」データや「エンゲージメント」データ、そして「その他」カテゴリのデータを、より柔軟に・より大量に、Marketing Cloud Engagement や クラウドストレージ などの 外部デスティネーション へ送信できるようになりました。

これまでは
Streaming DMO Activation は可能
しかし DMO 全件をバッチで外部に渡す手段は限定的
という課題がありました。
本記事では、Batch DMO Activation の仕組み、対象範囲、できること、利用シナリオ、機能仕様を 包括的にまとめます。
Batch DMO Activation とは
Batch DMO Activation は、データモデルオブジェクトに含まれる全レコードをバッチ形式で外部にアクティベート(送信)する新しい方式です。
活用用途は幅広く、例えば以下のような目的で利用できます。
顧客プロファイルの全件を分析基盤へ送信(BI・分析用途)
レコメンデーションデータを Marketing Cloud Engagement へ送信
DMO のスナップショットを SFTP に保存(監査・コンプライアンス用途)
クラウドストレージや DWH にバッチで連携(S3 / GCS / Azure など)
Streaming DMO Activation の対象が新規レコードや更新レコードだったのに対し、バッチ方式では DMO そのものを丸ごと渡せる のが最大の特徴です。
どこにアクティベートできるのか
Batch DMO Activation が対応するのは、以下のような主要プラットフォームです。
対応デスティネーション
Marketing Cloud Engagement
Data Cloud(別のデータスペース、別のインスタンス等)
クラウドストレージ、SFTP
Amazon S3
Google Cloud Storage(GCS)
Microsoft Azure
SFTP
これにより、データ分析からマーケティング活用、長期アーカイブまで、幅広い目的に対応できます。
対応する DMO タイプ
Batch DMO Activation は、以下の DMO に対応します。
Profile DMO(顧客プロファイル)
Engagement DMO(行動データ/イベントデータ)
Other DMO(その他のデータモデル)
※非対応の特殊 DMO
以下のような特殊 DMO タイプは対象外です。
Audience DMO
Segment Membership DMO
Unified Link DMO など
仕様
Batch DMO Activation は、セグメントアクティベーションで使える機能の多くをサポートしています。
(1)DMO の全レコードが対象
Batch Activation を実行すると
DMO 内の全件がそのままアクティベーション先へ送られます。
Streaming DMO Activation のようにイベントが発生した際の「増分」データではなく、全面的なデータ出力です。
(2)出力フィールドは手動選択
デフォルトで選択されるフィールドはありません。
ユーザーが出力したい項目を手動で選ぶ必要があります。
(3)サポートされる機能
Batch DMO Activation で利用できる機能
Contact Point フィルター(メールアドレス・電話番号での出力制限)
Activation Membership フィルター(メンバーシップによる絞り込み)
Add Attributes(出力属性の追加)
Filter Attributes(属性フィルタ)
セグメントのアクティベーションと同じ感覚で設定できます。
(4)Engagement DMO には「90 日間のルックバック」が適用
エンゲージメント系 DMO については、
過去 90 日以内のレコードのみが出力対象になります。
※ エンゲージメントレコードの履歴全体が送信されるわけではありません。
(5)現時点ではスケジュール実行は不可
Batch DMO Activation には、まだ スケジューラー機能がありません。
そのため、各アクティベーションのレコードページから 手動で Publish(公開)を行う必要があります。
2026 年 4 月のリリースにより、以下の オンデマンド公開機能 を使って、スケジュール化できるようになりました。
手順
最後に簡単に手順をまとめます。
1. 有効化画面から新規をクリックして、DMO 側を選択します。

2. 選択すると、ストリーミング連携 なのか、バッチ連携 なのかを選択する形になりますので、バッチを選択して、次へ進みます。

3. 続いて、DMO を選択します。この DMO には、先ほどの「特殊 DMO」以外のあらゆるタイプの DMO(プロファイル、エンゲージメント、その他 カテゴリ)が含まれます。今回は、「その他」データを選択しています。

4. 有効化対象を Marketing Cloud Engagement に決めて、次へ進みます。

5. 続く、連絡先(メールアドレス または 電話番号)の選択は オプション になっています。セグメントを有効化する際は、ここが必須になっていましたが、DMO の有効化においてはオプションのため、何も気にせず、全レコードを有効化できます。

6. 現時点で、このまま有効化すると「URL」のみが送信されますので、属性を追加します。

7. Marketing Cloud Engagement で必要な項目に絞って、属性を追加します。

8. 属性が決まったら、次へをクリックします。

9. 有効化名と更新種別を決めたら、保存します。

10. 保存が終わると、公開ボタンが右上に現れます。セグメントの場合は、セグメントを公開することで、有効化も連動して公開されますが、この場合は、この「公開」ボタンをトリガーにして、送信されます。

11. 15 分 ~ 30 分程度で有効化されます。今回は、全 16 レコードがエラーなく連携されています。

12. Marketing Cloud Engagement 側への 16 レコードの連携が確認できました。このランキングデータを、そのままコンテンツなどで参照できます。

13. 項目として Subscriberkey も存在していますが、画面の通り、NULL で連携されています。

いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介した仕組みは、Marketing Cloud Engagement やデータレイクとの組み合わせによって、パーソナライズ精度の向上、分析活用の強化、そして データ管理の高度化 に大きく貢献します。
さらに、ストリーミングに加えて バッチでの全件アクティベーション が可能になったことで、Data Cloud が活用できる領域はこれまで以上に広がり、企業のデータ戦略は一段とスケールしていくはずです。
今回は以上です。
