【第269回】 Marketing Cloud Next : Einstein Engagement 頻度 と スコア
Marketing Cloud Advanced Edition(Marketing Cloud Next)では、以下の 2 つの Einstein(AI)機能を活用できます。
Einstein Engagement Frequency(頻度)
Einstein Engagement Scoring(スコアリング)

これらの機能をフローで活用するためには データグラフ の設定が必要です。データグラフの設定は、Marketing Cloud Engagement における Contact Builder の データデザイナー に近い概念であることも、以下の記事で説明しました。
データグラフの設定手順
Unified Individual を「プライマリーデータモデルオブジェクト」として設定します。
まず、Unified Link Individual をブリッジとして設定し、Individual を接続します。
さらに、Contact Point Email を接続すると、以下の指標を利用できる環境が整います。
Email Engagement Frequency
Email Engagement Score

※ これらの指標はメールアドレスをキーとしてデータが蓄積される仕組みを採用しているため Contact Point Email との接続が重要なポイントです。
Email Engagement Frequency の設定
Email Engagement Frequency を使用する場合は、以下の項目を選択します。
Email Engagement Classification
この項目に、評価された後の「配信頻度分類」のデータが格納されます。

Email Engagement Scoring の設定
Email Engagement Scoring を使用する場合は、以下の項目を選択します。
Email Engagement Persona
Email Open Likelihood
Email Click Likelihood
Email Subscribe Likelihood
これらの項目に、評価された後の「ペルソナ分類」や「エンゲージメント可能性(Likelihood)分類」のデータが格納されます。

これで準備は完了です。
それでは、以下で各 AI 機能の概要を簡単に説明しておきます。
Einstien Engagement Frequency
Einstein Engagement Frequency とは、各連絡先にとって 最適なメール配信回数 を AI が提案してくれる機能です。この機能により、メールの送りすぎによる購読解除を防ぎ、顧客満足度を向上させることが可能です。
💡「購読解除の防止」と「顧客満足度の向上」がこの機能の目的です。
モデル生成の制約
Einstein Engagement Frequency を利用するには以下の条件を満たす必要があります。
最低でもアカウントの受信者が 10 人以上 いること
28 日間で最低 5 通 の Promotional 分類メール送信があること(つまり、送信間隔のあるデータが必要ということです)
これらの条件をクリアすると、アカウントで Einstein Engagement Frequency が使用できるようになります。
仕組み
Einsteinは、過去 28 日間の Promotional 分類のメールエンゲージメントデータを分析し、配信頻度を以下の 4 つに分類します。
Saturated - 飽和(配信回数が多すぎる場合)
開封率やクリック数を基に最適な配信回数を提案。購読者のストレスを軽減。
Almost Saturated - ほぼ飽和(飽和に近い場合)
配信頻度が「飽和」には達していないが、やや高い状態。
On Target - 達成(配信回数が妥当な場合)
現状維持で成果を最大化。
Undersaturated - 未達(配信回数が少なすぎる場合)
配信頻度を増やして売上拡大の機会を広げる。
注意:
データが存在しない連絡先は「デフォルトの結果」のパスに流れます。
Einstien Engagement Scoring
Einstein Engagement Scoring は、購読者のペルソナとエンゲージメント可能性を分析・提供する機能です。
💡 このインサイトを活用することで、購読者をより深く理解し、ターゲティングを最適化できます。
モデル生成の制約
Einstein Engagement Frequency に比べ、モデル生成の制約は少なく、各受信者ごとに 1 回のメール送信 があれば利用可能です。
仕組み
各受信者ごとの過去 90 日間のメールエンゲージメントデータを分析し、以下の分類を提供します。
■ ペルソナ分類(Persona Split)
購読者の特性を、以下の 4 つに分類します。各戦略例も紹介します。
Loyalist(ロイヤリスト)
開封・クリックの可能性が共に高い
最もパフォーマンスのよい受信者に似たオーディエンスを作成する
送信頻度を上げる
限定オファーを送信する
Selective Subscriber(選択的購読者)
開封は少ないが、クリックの可能性が高い
件名行の最適化をテストする
過去の購入に基づいてパーソナライズする
Window Shopper(ウィンドウショッパー)
開封は多いが、クリックの可能性が少ない
パーソナライズとレコメンデーションを加えて送信する
異なる CTA をテストする
対象を絞ったインセンティブを試す
Winback/Dormant(離脱/休眠)
開封・クリックの可能性が共に低い
Yes / No 系の簡単なアンケートを送信する
異なるチャネル(SMS や WhatsAppなど)を試す
オファーを含むウィンバックキャンペーンを実行する
注意:
データが存在しない連絡先は「デフォルトの結果」のパスに流れます。
■ エンゲージメント可能性分類(Likelihood Split)
顧客の行動可能性に基づいて分類されます。
開封する可能性(Open Likelihood Split)
リンクをクリックする可能性(Click Likelihood Split)
購読を続ける可能性(Subscription Retention Likelihood Split)
指標の種類
指標の種類は、以下の 4 種類です。
Most Likely(可能性が非常に高い)
More Likely(可能性が高い)
Less Likely(可能性が低い)
Least Likely(可能性が非常に低い)
注意:
Marketing Cloud Engagement で提供されている Conversion Likelihood Split は、Marketing Cloud Advanced Edition では使用できません。
データが存在しない連絡先は「デフォルトの結果」のパスに流れます。
いかがでしたでしょうか。
前述したデータグラフさえ設定すれば、後は 決定要素(Decision Element) で Email Engagement Frequency や Email Engagement Score を選択して、分岐するだけですので、是非活用してみてください。
※ Advanced Edition 限定の機能ですので注意してください。
今回は以上です。
