【第411回】 Marketing Cloud Next : データグラフのアドホックフィルター
Data Cloud の 2025 年 10 月リリースでは、データグラフに アドホックフィルター(検索条件)が追加されました。

これまでにも、ソート&リミットフィルター(昇順・降順 と 取得限定数)は存在していました が、それに加えて、検索条件(フィルター条件)が利用可能になりました。

アドホックとは「特定の目的に応じて」という意味を持ち、その名の通り、データグラフ内で利用するデータモデルオブジェクト(DMO)を、目的に応じてより細かく絞り込むことができる機能です。
このフィルターを活用することで、
データグラフの更新(フルリフレッシュ)コストの削減
ストレージ利用の最適化
などの効果が期待できます。
繰り返しコンポーネントと相性が良い
特に注目したいのが、Marketing Cloud Next の繰り返しコンポーネントとの相性が非常に良いという点です。
繰り返しコンポーネント側では、条件として選択できるデータ型に制約があります が、このアドホックフィルターでは ブーリアン項目(チェックボックスなど)を条件に利用できるという大きなメリットがあります。
CRM 側で条件ロジックを事前定義
具体的には、CRM 側の項目にチェックボックスや数式を用意して条件を設計しておき、その結果をアドホックフィルターで絞り込み対象に含めることで、結果的に繰り返しコンポーネントに反映できるようになります。
例えば、以下のような使い方が可能です。
今日以降のレコードだけを表示したい
→ CRM 側の数式で「今日以降」であるかを判定したブーリアンを作る
→ TRUE のレコードだけを、表示用のデータグラフに含める
※ 現時点では、
・ ① データグラフの検索条件においても、
・ ② 繰り返しコンポーネントの式においても、
「今日」と比較する演算子は存在しないので、このような使い方をします。
この状態で繰り返しコンポーネントを実装すると、不要なレコードはそもそもデータグラフに入ってこないため、UI 側での設定がシンプルになります。
エンゲージメント DMO 接続時の注意点
エンゲージメント DMO をデータグラフに接続した場合、検索条件に以下の制限がデフォルトで適用されています。
レコードリミット:最大 10 レコード(※ 100 レコードまで拡張可能)
タイムリミット:直近 7 日分(※ 30 日まで拡張可能)

この制限が意味すること
まず重要なのは、デフォルトでは直近 7 日分のデータしか取得されない点です。そのため、ユースケースに応じて 最大 30 日まで拡張する設定が必要になります。
最も注意すべきポイント
特に注意が必要なのは、データグラフを以下の用途で使用する場合です。
「終了条件(Exit Criteria)」
「決定(Decision)要素」
エンゲージメント DMO は 最大でも今日から直近 30 日分のデータしか保持できないため、これらの条件評価は、そのレコードの作成日などが 30 日以内のデータに限定されるという制約があります。
この制約により、シナリオ次第では、フローの長さを 30 日以内に収める必要 がある場合がありますので注意してください。どうしても、フローの長さを 30 日以上にしたい場合は、条件用の項目として 計算済みインサイト(※タイムリミットの制限が無いため)を使うなど工夫が必要です。
いかがでしたでしょうか。
繰り返しコンポーネント側にも条件設定機能は備わっていますが、利用できないデータ型(ブーリアン)があったり、表現できる条件の幅に限界がありました。
TIPS:ブーリアン型の項目を「繰り返しコンポーネント」の「式」で利用したい場合は、Data Cloud の数式項目でテキスト型に変更してください。
アドホックフィルターはこの弱点を補完し、より柔軟な表示制御が可能になる便利な機能 と言えます。
まとめ
アドホックフィルターはデータグラフの絞り込み機能
更新・ストレージコスト削減にも効果
特に繰り返しコンポーネントと相性が良い
ブーリアン型が使えるので条件設定が柔軟になる
制約
「すべての条件に一致」(AND 条件)しか利用できない
エンゲージメント DMO の場合に存在するタイムリミットの最大は 30 日
今回は以上です。
