【第338回】 Marketing Cloud Next : Identity Match DMO を使った ID 解決
Marketing Cloud Next Growth & Advanced Edition では、Summer '25 の新機能リリースにより、Identity Match DMO を ID 解決の「一致ルール」として追加することで、リードのメールアドレスが変更され、元の見込み客(プロスペクト)のメールアドレスと異なってしまった場合でも、メールアドレスによる ID 解決ができなくなるリスクを補完し、同一の統合個人 ID として紐づけることが可能になりました。
これにより、見込み客(プロスペクト)時点で蓄積されたエンゲージメントデータも、引き続き、変換後のリードで 安定して活用可能 となります。
Winter '26 のリリースにより、「device-to-known」と「lead-to-contact」がデフォルトの一致ルールとして組み込まれるようになりました。
Identity Match データモデルオブジェクトとは
Identity Match DMO とは、プロスペクトからリードに変換された場合などに、その関連付けレコードが保存されます。
変換のパターン
見込み客(プロスペクト)からリードへの変換
見込み客(プロスペクト)から取引先責任者への変換
リードから取引先責任者への変換
以下のクエリを Query Editor で実行することで、変換の関連付けレコードを確認できると思います。
SELECT
ssot__DataSourceObjectId__c AS DataSounceName,
ssot__RecordId__c AS RecordId,
ssot__MatchingRecordId__c AS MatchingRecordId,
ssot__IdentityMatchType__c AS IdentityMatchType,
ssot__CreatedDate__c + interval '9 hour' AS CreatedDate,
ssot__IdentityMatchWeight__c AS IdentityMatchWeight,
ssot__IsAMatch__c AS IdentityMatchFlag
FROM
ssot__IdentityMatch__dlm
ORDER BY
ssot__IdentityMatchWeight__c DESC,
ssot__CreatedDate__c DESC
LIMIT 10
RecordId ・・・ 変換前の ID(例:プロスペクト ID)
MatchingRecordId ・・・ 変換後の ID(例:リード ID)
この関連付けレコードを ID 解決の「一致ルール」として活用します。
ID 解決における 「一致ルール」 と 「ルールセット」 とは
ID 解決では「一致ルール」と「ルールセット」を用いて、ID 統合の判断基準を設定します。
一致ルール:1 つ以上の「基準(Criteria)」(例:メールアドレス・電話番号・住所・苗字・名前・顧客 ID など)で構成され、すべてが AND 条件で適用されます。基準を追加するほど厳密になり、統合率は低下します。
ルールセット:1 つ以上の「一致ルール」を束ねたものであり、ルール同士は OR 条件で評価されます。一致ルールを追加することで、統合するためのパターンが増えるので、統合率が向上します。

Identity Match DMO をこの「一致ルール」の一つとして設定します。
一致ルールの設定手順
1. 一致ルールの「編集」ボタンから、 「一致ルールを追加」 ボタンをクリックします。

2. 「カスタムルール」 を選択します。

3. 任意の 「一致ルール名」 を入力し、以下の項目を設定します。
データモデルオブジェクト:Identity Match
項目:Identity Match Type
照合方法:完全(= 完全一致)
4. 高度な設定 の「設定」をクリックします。

5. ID 一致種別 に「prospect-to-lead」と入力します。

6. 「次へ」をクリックします。

7. 一致ルールを保存します。

警告 ⚠️ が表示される理由
1つの識別子(例:メールアドレスや電話番号)のみで ID 解決を行うと、誤って別人のデータが統合される「過度な統合」が発生するリスクがあります。そのため、システムは注意喚起として警告を表示します。
ただし、Identity Match DMO は他の基準とは組み合わせることができず、1 つの基準しか設定できないため、この警告が表示されるのは想定内です。ID 統合が妨げられることはありませんので、そのまま進めて問題ありません。

いかがでしたでしょうか。
今回は、見込み客(プロスペクト)からリードに変換された場合のルールを作成しましたが、先に紹介した通り、この他にも
見込み客(プロスペクト)から取引先責任者への変換
リードから取引先責任者への変換
などもありますので、「prospect-to-contact」「lead-to-contact」という値を使って、それぞれ別の一致ルールを作成することをオススメします。
推奨の設定
ID 解決の一致ルールに、次の 4 種類を追加(自動的に OR 条件で適用)
ID 一致種別:「prospect-to-lead」
ID 一致種別:「prospect-to-contact」
ID 一致種別:「lead-to-contact」
ID 一致種別:「device-to-known」
※ ルールセットには、最大で 10 個まで「一致ルール」をセットできます。
今回は以上です。
