【第309回】 Marketing Cloud Next : 定期実行フローに「再結合なし」が追加
Marketing Cloud Next(Marketing Cloud Growth & Advanced Edition)の Summer '25 新機能リリースで、定期実行フローにおける 再結合モードに「再結合なし」のオプションが追加されました。

「Rejoin」という英単語の「再結合」という日本語訳には違和感があり、「再参加」の方が妥当であると思いますが、一旦、公式通り書きます。
この「再結合モード」は、Marketing Cloud Engagement の Journey Builder では、「再エントリーモード」と呼ばれており、今回のオプション追加によって、Marketing Cloud Engagement と同一の仕様になりました。


再結合モードとは
同一のフローに再エントリーする際の条件を設定する機能です。同じ受信者が繰り返しエントリーしてしまう状況を防ぐのに役立ちます。たとえば、ある受信者が毎日配信セグメントに含まれるような条件になっている場合、不適切な複数回のエントリーを回避することができます。
現在の再結合モードの 3 つのオプション
常に(いつでも再エントリー)
受信者がフロー上に存在していたとしても、何度でも再エントリーを許可します。完了後のみ(完了後のみ再エントリー)
フロー上に受信者がいない場合にのみ、再エントリーを許可します。なし(再エントリーなし)
受信者が一度エントリーすると、その後は同じフローには、再エントリーできなくなります。(新機能 Summer '25 リリース)
よくある質問
Q:「完了後」や「なし」のオプションの場合、同一フローの「新しいバージョン」においても、再エントリーできなくなりますか?
A:はい、再エントリーできなくなります。但し、「完了後」のオプションの場合は、旧バージョンのシナリオが完了次第、新しいバージョンでも再エントリーすることができます。
参考:フローの無効化(停止処理)とバージョン管理
今回の記事が、「再結合モード」の内容となりましたので、それと関連する「フローの無効化」の挙動についても簡単に説明しておきます。

1. 無効化(Deactivate)の種類
フローの無効化とは、フローを停止する処理のことです。Marketing Cloud Engagement では「停止」処理は、②「無効化して作業をキャンセル」に該当しますが、Marketing Cloud Next のフローでは、以下の 2 つのオプションが選択できます。
①「無効化して作業を完了」
フローのステータスは「完了」になります。
無効化後、新規の受信者はエントリーしなくなります。
エントリー済みの受信者に関しては、処理が停止せず、現在パスを進行中の受信者はそのままフローを進みます。
Marketing Cloud Engagement で言うところの「終了中」になります。
②「無効化して作業をキャンセル」
フローのステータスは「キャンセル済み」になります。
無効化後、新規の受信者はエントリーしなくなります。
エントリー済みの受信者の処理は完全に停止し、現在パスを進行中だった受信者も、その時点でフローを進まなくなります。
Marketing Cloud Engagement で言うところの「停止」の挙動に近いですが、一部挙動が異なります。それは受信者は、強制的にフローから削除されず、パスの上にそのまま残り続ける点です。
上記の点は、再結合モードを「完了後」(完了後のみ再エントリー)にした時に影響します。
前述の通り、強制的にフローから削除する手段がないので、再結合モードで「完了後」を選択している場合、パスの上にそのまま残り続けている受信者
に対して送信ができなくなります。これを少なくとも送信できるようにするには、無効化する際に、①「無効化して作業を完了」のオプションを選択して、フローを最後まで完了させる必要があります。
この点が、Marketing Cloud Engagement の「停止」の挙動と違いとなります。Marketing Cloud Engagement の「停止」の挙動は、無効化と同時に、受信者のパス上からの強制削除が行われるため、「完了後のみ再エントリー」の場合であっても、新バージョンで、再び送信が可能になります。
注意点
一度でも ① or ②を選択して確定したは、その後、別のオプションへの切り替えはできません。
「無効化して作業を完了」を選んだ場合でも、「一時停止」の機能を使用することで、事実上「無効化して作業をキャンセル」と同じように、受信者がパスを進まない状況を作ることが可能です。
2. 新しいバージョンの有効化
フローで新しいバージョンを有効化すると、旧バージョンは自動的に ① の「無効化して作業を完了」(ステータス:完了)の状態になります。
注意点
旧バージョンに既にエントリーしている受信者はそのままパス上に残り続け、処理は停止せず、現在進行中の受信者は そのまま進みます。
旧バージョンを強制的に停止したい場合ですが、前述の通り、別の選択肢である ②「無効化して作業をキャンセル」(ステータス:キャンセル済み)に切り替えることはできません。この場合は、旧バージョンに戻って「一時停止」機能で、処理が進むのを止めることが可能です。
いかがでしたでしょうか。
これまでは「なし」(再エントリーなし)を実現するためには、少し工夫が必要でしたが、新たに公式にサポートされることで設定がシンプルになりました。
この具体的なユースケースとしては、Welcome シナリオのように「受信者に対して一度だけ配信する」シナリオを設定する際に、この「なし」(再エントリーなし)の再結合モードを活用することができます。
再結合モードを適切に活用して、フローの精度をさらに向上させましょう。
今回は以上です。
