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【第561回】 Marketing Cloud Next : 新機能 Winter '27 ハイライト

Marketing Cloud Next Growth & Advanced Edition の Winter '27 新機能リリースノート が公開されました。

現時点では Winter ’27 リリースはまだリリース前の段階です。掲載されている機能は、リリースまでに内容や提供時期が変更される可能性があります。

今回の記事では、その中から Marketing Cloud Next の進化を理解するうえで重要な新機能を中心に、ハイライトをお届けします。


注目の新機能

今回の Winter ’27 リリースで最も注目すべきポイントは、Agentforce を中心としたマーケティング業務の自律化が、さらに本格化したことです。

新たに登場した Agentforce Marketing Goals Agent は、顧客一人ひとりに対して、最適なキャンペーン、チャネル、コンテンツ、配信タイミングを選択します。

さらに、Agentforce Content Agent を利用することで、マーケティングブリーフ、顧客データ、ブランドガイドラインに基づき、メール、SMS、MMS、RCS などのコンテンツを生成・調整できるようになります。

これまでの Agentforce は、キャンペーンの作成やフローの意思決定を支援する位置づけが中心でした。Winter ’27 では、キャンペーンの戦略、コンテンツ制作、配信、最適化までを一連のプロセスとして支援する方向へ進んでいることが分かります。

また、Summer ’26 で導入された AMPscript、Marketing Objects、フローテンプレートなどの機能も大きく拡張されています。

特に、AMPscript と Handlebars が、メールだけでなく、SMS、WhatsApp、RCS、アプリ内メッセージ、プッシュ通知、ランディングページへ広がった点は重要です。さらに、一度作成したパーソナライゼーションを複数のチャネルで再利用できるようになり、チャネルごとに個別の設定を作り直す必要が少なくなりました

フローでは、機械学習を利用して顧客ごとに最適なパスを選択する Personalize Paths が追加されています。また、Marketing Objects のレコードをフローから直接操作できるようになるなど、データとキャンペーンフローの連携も強化されました。

同意管理においても、レコードトリガーフローから同意情報を更新できるようになり、これまで以上に Salesforce CRM の業務データと連動した同意管理が可能になります。

それでは、今回のリリース内容を、重要度の高いものから順に確認していきましょう。



Agentforce 関連

① Marketing Goals Agent でキャンペーンを自律的に最適化

新たに登場した Agentforce Marketing Goals Agent は、顧客一人ひとりに対して、最適なキャンペーン、チャネル、コンテンツ、配信タイミングを選択します。

マーケターは、Agentforce Marketing Goals Agent がどのような判断や処理を行っているかを確認できるほか、どこまでの業務を自律的に実行させるかを設定できます。

利用するには、顧客向けのコンテンツを用意するために、次のいずれかを設定します。

  • Agentforce Content Agent

  • 任意のコンテンツ管理システム(CMS)

また、マーケターがキャンペーンで選択できる目標をあらかじめ有効化します。キャンペーンごとに、有効化された目標の中から 1 つのキャンペーン目標を設定できます。

複数のキャンペーンの対象となる顧客に対して、Agentforce Marketing Goals Agent が最適なキャンペーンを判断するには、Adaptive Campaign Audiences(ベータ)の設定が必要です。

※ 現時点で Advanced Edition が対象となり、Growth Edition は対象に含まれていない 点に注意してください。


② Content Agent でブランドに沿ったコンテンツを生成

新たに登場した Agentforce Content Agent を利用することで、メール、SMS、MMS、RCS キャンペーンで使用する、パーソナライズされたコンテンツや画像を生成・調整・公開できるようになりました。

Agentforce Content Agent は、以下の情報を基にコンテンツを生成します。

  • マーケティングブリーフ

  • 顧客データ

  • ブランドガイドライン

これにより、キャンペーンの目的やブランドのトーンに沿ったコンテンツを、共同作業が可能な AI ワークスペース上で作成できます。生成されたコンテンツは、公開前にチームで確認・承認することも可能です。

利用するには、マーケティングアプリに Agentforce Content Agent のナビゲーション項目を追加します。その後、ワークスペースを作成し、キャンペーンの内容をプロンプトとして入力すると、各チャネル向けのメッセージ案や画像が生成されます。

さらに、Agentforce Content Agent との会話を続けながら、以下のような調整を行えます。

  • 文章のトーンを変更

  • メッセージの内容を修正

  • 画像を調整

  • レイアウトやテキストを手動編集

  • 基盤となるコードを直接編集

完成したコンテンツは Salesforce CMS へ直接公開し、Marketing Cloud Next のキャンペーンや Agentforce Marketing Goals Agent で利用できます。

※ Growth Edition と Advanced Edition の両方で利用可能 です。


コンテンツ・パーソナライゼーション関連

① 一度作成したパーソナライゼーションを複数チャネルで再利用

Content Builder で一度作成したパーソナライゼーションを、以下の複数チャネルで再利用できるようになりました。

  • SMS

  • WhatsApp

  • RCS

  • プッシュ通知

  • アプリ内メッセージ

データソースへの接続、条件式、動的コンテンツブロックをチャネルごとに作り直す必要がなくなり、一度作成した設定を複数のメッセージで共通して利用できます。

💡 まず、新しい「Data Sources」タブでは、利用できるデータソースが次の 3 つに整理されます。

  • Inputs

  • Data

  • Expressions

Salesforce レコード、データグラフ、オファー、Apex、イベント、アクティベーションなどのデータを、チャネルに関係なく同じ方法で検索・設定できます。

また、同じ受信者に対しては、パーソナライゼーショントークンや動的コンテンツブロックが、どのチャネルでも同じ値として解決されます。

これにより、チャネルごとの設定差異を減らしながら、一貫性のあるパーソナライズされた顧客体験を提供しやすくなります。


② AMPscript と Handlebars をさまざまなチャネルで利用

Summer ’26 では、Marketing Cloud Next のメールコンテンツで AMPscript と Handlebars を利用できるようになりました。

Winter ’27 では、その対応範囲がさらに拡張され、以下のチャネルでも利用できるようになります。

  • SMS

  • WhatsApp

  • RCS

  • アプリ内メッセージ

  • プッシュ通知

各チャネルのコンテンツビルダーにあるテキスト入力欄へ、AMPscript や Handlebars の式を直接記述できます。

また、パーソナライゼーション文字列やデータエクステンションの項目を参照し、受信者ごとに表示内容を変更した動的コンテンツを作成できます。

これにより、メールだけでなくモバイルメッセージングやアプリ通知においても、既存のスクリプトやデータを活用した、より高度なパーソナライゼーションが可能になります。


③ Brand Center でブランド情報を一元管理

新たに追加された Brand Center では、ブランドに関する情報を「統合ブランドキット」として一元管理できるようになりました。

ブランドキットには、以下のようなブランド基準を設定できます。

  • ブランドアイデンティティ

  • ブランドボイス

  • 文章のトーン

  • ビジュアルスタイル

ブランドキットを有効化すると、AI エージェントやコンテンツ作成者は、設定されたブランド基準に基づいてコンテンツやコミュニケーションを作成します。

さらに、コンテンツシンジケーションを通じて、ブランドキットを Salesforce 全体で共有し、さまざまなワークスペースから共通して利用できます。

これにより、人が作成するコンテンツだけでなく、Agentforce が生成するコンテンツについても、組織全体でブランドの一貫性を維持しやすくなります。


④ コンテンツブロック単位でパフォーマンスを測定

新たに追加された Impression Region Tracking を利用することで、コンテンツ内の特定の範囲がエンゲージメントに与えた影響を測定できるようになりました。

例えば、次のような単位で成果を確認できます。

  • 特定の文章や段落

  • ボタン内のテキスト

  • 同じボタンに設定した異なるテキストのバリエーション

トラッキング対象として設定した各リージョンについて、カスタムレポートを作成し、以下の指標を確認できます。

  • 送信ごとのインプレッションリージョン数

  • リージョンごとの合計クリック数

  • リージョンごとのユニーククリック数

  • リージョンごとのクリック率

利用するには、対応するコンテンツブロックで Impression Region Tracking を有効化し、クリックイベントや送信イベントに記録されるリージョン名を設定します。

また、コンテンツエディターのコードビューから、Handlebars または AMPscript を使用してリージョンを定義することもできます。

以下のチャネルで利用可能です。

  • メール

  • SMS

  • RCS

  • WhatsApp

  • モバイルアプリメッセージ


⑤ コンテンツとフォルダーを一括削除

マーケティングワークスペース内のフォルダーやコンテンツを、一括で削除できるようになりました。

これまでは、コンテンツの詳細ページから、未公開のコンテンツを 1 件ずつ削除する必要がありました。

Winter ’27 では、複数のフォルダーやコンテンツをまとめて選択して削除できます。さらに、公開済みのコンテンツも一括削除の対象となります。

これにより、不要になったコンテンツを効率的に整理し、マーケティングワークスペースを管理しやすくなります。


ランディングページ・フォーム関連

① ランディングページで AMPscript と Handlebars を利用

Marketing Cloud Next のランディングページで、メールと同じ AMPscript と Handlebars のロジックを利用できるようになりました。

これにより、ランディングページ上で以下のような処理を実行できます。

  • 訪問者に応じたコンテンツのパーソナライズ

  • データを使用した条件分岐や計算処理

  • フォームから入力されたデータの取得

これまでは、このような高度な処理を実装するために、Lightning Web Components としてアセットを作り直す必要がありました。

Winter ’27 では、メールで使用しているスクリプトやロジックをランディングページでも活用できるため、開発負荷を抑えながら、より柔軟にパーソナライズされた Web 体験を構築できます。


② カスタム HTML でランディングページとフォームを作成

Marketing Cloud Next の標準コンポーネントだけでなく、カスタム HTML を使用してランディングページやフォームを作成できるようになりました。

これにより、標準コンポーネントでは実現が難しい独自のレイアウトやデザインを、HTML を使って柔軟に構築できます。

また、セキュリティを確保するため、入力された HTML は保存前に自動検証され、安全性のチェックが行われます。

安全でないコードが含まれている場合は公開されないため、柔軟なカスタマイズ性を確保しながら、安全にランディングページやフォームを作成できます。


③ フォームとランディングページで利用できるデータソースを拡張

フォームやランディングページから、より幅広いデータソースを直接読み書きできるようになりました。

フォームでは、以下のデータソースから情報を取得し、送信されたデータを保存できます。

  • CRM オブジェクト

  • Marketing Objects

  • Prospect データ

これにより、既存のデータを使用してフォーム項目をパーソナライズしたり、回答内容を適切なレコードへ保存したりできます。

ランディングページでは、これらのデータソースに加えて、データグラフからも情報を取得できます。

訪問者に関連するデータを直接参照できるため、一人ひとりに合わせたフォームやランディングページを、より柔軟に提供できるようになります。


④ Marketing Sites からサイト設定を一元管理

新たに追加された「Marketing Sites」タブから、ランディングページのサイト設定を直接管理できるようになりました。

これまでのように Experience Builder を開く必要はなく、Marketing Sites タブにすべてのマーケティングサイトが一覧表示されます。

Marketing Sites タブでは、以下のようなサイト単位の設定を一元管理できます。

  • ロケール

  • 言語

  • セキュリティ設定

  • 信頼済みスクリプトの場所

既存の設定は自動的に移行されるため、ランディングページを再公開した場合も、これまでと同じ外観と動作が維持されます。

これにより、複数のマーケティングサイトを、Marketing Cloud Next 上から効率的に管理できるようになります。


フロー関連

① Personalize Paths で顧客ごとに最適なパスを予測

新たに追加された Personalize Paths を利用することで、目標とするコンバージョンにつながる可能性が最も高いパスへ、オーディエンスを一人ひとり振り分けられるようになりました。

Personalize Paths は機械学習を使用し、実際のコンバージョン結果を継続的に学習します。その結果を基に、顧客ごとに最も成果が期待できるパスを予測し、予測精度も時間の経過とともに向上します。

これにより、各パスに対応するオーディエンスセグメントを手動で作成することなく、顧客に合わせてパスを最適化できます。

利用するには、フロービルダーで「Personalize Paths」要素をフローに追加し、次のいずれかを成功指標として設定します。

  • Salesforce が提供する標準パフォーマンス指標

  • 独自に作成したエンゲージメントシグナル

必要に応じて、パスの選択に使用する関連エンゲージメントシグナルも追加できます。ただし、エンゲージメントシグナルは事前に別途設定しておく必要があります。

その後、異なるメッセージチャネルやコンテンツバリエーションなど、比較する複数のパスを定義します。フローを有効化すると、予測されたコンバージョンの可能性に基づいて、各顧客が最適なパスへ振り分けられます。

※ こちらの機能は Advanced Editions でのみ利用が可能です。


② REST API から注文イベントのフローを高速起動

REST API を呼び出してフローを直接起動し、注文に関するトランザクションメッセージを、より迅速に送信できるようになりました。

Event Library には、以下の新しい注文イベントが追加されています。

  • Order Return

  • Order Shipment

  • Order Status Change

これらのイベントに、顧客情報、注文情報、注文明細を含む POST リクエストを送信すると、対応するフローが起動します。

従来、注文イベントの処理には約 7~10 分かかっていましたが、REST API から直接起動することで、約 3 秒で処理できるようになります。

また、Event Library には、階層構造を持つ注文データ用のスキーマがあらかじめ用意されています。そのため、独自のイベント構造を作成しなくても、複数の注文明細など、ネストされたデータを Flow Builder 上でマッピングできます。

例えば、注文ステータスが確認済みに変更されたタイミングでフローを起動し、注文確認メールをすぐに送信するといった活用が可能です。


③ フローから Marketing Objects のレコードを直接操作

Summer ’26 で追加された Marketing Objects のレコードを、Flow Builder から直接操作できるようになりました。

標準のフローレコード要素を使用して、Marketing Objects に対する以下の処理を実行できます。

  • レコードの取得

  • レコードの作成

  • レコードの更新

  • レコードの削除

これにより、パーソナライゼーションに使用するデータをフロー内で直接管理し、Marketing Objects と連携したオーケストレーションを構築できます。

利用するには、Flow Builder に以下のいずれかの要素を追加します。

  • Get Records

  • Create Records

  • Update Records

  • Delete Records

データソースとして「Marketing Object」を選択し、使用するオブジェクト、項目、検索条件を設定します。

また、フローから Marketing Objects を操作するユーザーには、対象となる Marketing Objects に対する以下の権限が必要です。

  • Read

  • Create

  • Edit

  • Delete


④ 稼働中のキャンペーンに影響を与えずオーディエンスフローを複製

オーディエンスフローを、関連するアセットとともに新しいフローとして複製できるようになりました。

複製時には、以下のメッセージコンテンツを新しいアセットとしてコピーするか、元のアセットへリンクするかを選択できます。

  • メール

  • SMS

  • WhatsApp

  • RCS

また、セグメントやリストトリガーの定義もコピーできるため、複製したフローを独立した状態から編集できます。

これまでは、フローを複製しても同じアセットが再利用されていました。そのため、複製先でコンテンツを編集すると、稼働中のキャンペーンで使用しているアセットまで変更される可能性がありました。

利用するには、Flow Builder で「Save as New Flow」を選択し、「Select Objects to Copy」からコピーまたはリンクするアセットを指定します。

デフォルトでは、メールや SMS などのコンテンツはコピーされます。一方、セグメントは組織のアセット上限を節約するため、元のセグメントへリンクされます。

コピーを作成する前に、選択したアセットを追加できる十分な上限が組織に残っているかが自動的に検証されます。複製されたフローの各要素は、新しく作成されたアセットへ自動的に関連付けられます。


オーディエンス・同意管理関連

① レコードトリガーフローから同意情報を自動更新

レコードトリガーフローで「Consent Request」アクションを利用し、同意情報を自動的に更新できるようになりました。

Salesforce レコードの作成や更新をきっかけに、Contact や Lead のコミュニケーション購読に対するオプトイン・オプトアウトを処理できます。

例えば、次のような同意管理を自動化できます。

  • 新しい Lead が作成されたときに、特定のメール購読へオプトインする

  • 関連する商談がクローズされたときに、Contact を特定のコミュニケーション購読からオプトアウトする

これまでは、Consent Request アクションを利用するフローとして、イベントトリガーフローやオンデマンドフローなどが用意されていました。

Winter ’27 ではレコードトリガーフローも利用可能になり、Salesforce CRM のレコード変更と連動した同意管理を、よりシンプルに自動化できます。


② Contact・Lead リストへセグメントを作成せずにメールを送信

Salesforce の Contact または Lead のリストから、Data 360 セグメントを作成することなく、直接メールを送信できるようになりました。

以下の種類のメールを送信できます。

  • プロモーションメール

  • トランザクションメール

  • リレーショナルメール

これまでは、Contact や Lead のリストからメールを送信する場合でも、Data 360 セグメントを作成して処理する必要がありました。そのため、セグメント処理によって配信が遅れたり、送信に失敗したりする場合がありました。

Winter ’27 では、Actionable Lists が Contact または Lead のリストを直接処理するため、セグメントの作成を完全に省略できます。

また、List Sends の画面も刷新され、以下の設定を 1 つのページで確認・設定できるようになりました。

  • オーディエンス

  • メッセージタイプ

  • コンテンツの保存場所

利用するには、Marketing アプリで Contact または Lead のリストを開き、フィルターを使用して対象者を絞り込みます。その後、「Send Email」をクリックしてメールを作成・送信します。


③ チャネルごとにプリファレンスページを作成

マーケティングチャネルごとに、独自のプリファレンスページを作成・公開できるようになりました。

プリファレンスページでは、以下の内容を柔軟に設定できます。

  • ページのデザインやブランド表現

  • ページに表示するコミュニケーション購読

  • ボタンのテキスト

  • ボタンのスタイル

また、メッセージごとに適切なプリファレンスページを関連付けられます。これにより、チャネルや配信内容に応じて、受信者へ表示する購読設定を変更できます。

プリファレンスページは Content Builder から作成・編集・公開します。作成したページは、「Content」タブと「Consent」タブの両方に表示されます。


④ Marketing List を業務画面から作成・複製

キャンペーンレコードや Actionable List オブジェクトのホーム画面から、マーケティングリストを直接インポートできるようになりました。

また、既存のリストを、登録されているメンバーとともに複製できます。

これにより、別の設定画面へ移動することなく、日常的に利用しているキャンペーンや Actionable List の画面から、リストの作成と再利用を効率的に行えます。


メール・メッセージング関連

① Email Deliverability Health Score で配信状態を監視

新たに追加された Email Deliverability Health Score を利用することで、メールプログラム全体の配信到達性を 0~100 のスコアで確認できるようになりました。

主要な配信指標が警告または重大な範囲に入ると、自動的にアラートが通知されます。

ダッシュボードでは、発生している問題と影響を受けているキャンペーンを確認できます。

これにより、メールボックスプロバイダーによるメールのフィルタリングが始まる前に問題を把握し、配信到達性の悪化に早期対応できるようになります。


② 配信到達性の問題を解決する手順を自動提示

メールの配信到達性に関する指標が悪化した場合、問題の解決に必要な手順が自動的に提示されるようになりました。

Recommendation Details」パネルでは、以下の情報を確認できます。

  • 問題の根本原因

  • 影響を受けているキャンペーン

  • 推奨される改善手順

改善手順には番号が付けられ、影響度の高いものから順に表示されます。そのため、どの問題から対応すべきかを判断しやすくなります。

これにより、サポートケースを作成したり、配信到達性に関する専門的な知識へ依存したりすることなく、問題の原因を把握して迅速に対応できます。


③ 組み込みの言語バリエーションで多言語メールを作成

Content Builder 上でレイアウトを維持したまま、複数言語のメールコンテンツを管理できるようになりました。

組み込みの Content Agent を使用すると、既存のメールを指定した言語へ自動翻訳できます。作成された言語バリエーションは、以下の表示方法から個別に確認・編集できます。

  • コンポーネントビュー

  • コードビュー

  • テキストビュー

利用するには、Content Builder のサイドバーから「Language Variants」パネルを開き、対象の言語を選択します。

件名やプリヘッダーを含む翻訳内容をプレビュー・編集できるほか、キャンバス上部の「Translate Variant」をクリックすると、組み込みの Content Agent による翻訳が生成されます。

また、「Code View」を使用すると、言語バリエーションごとに属性やカスタムスタイルを調整できます。

これにより、メールやレイアウトを言語ごとに作り直すことなく、各言語の表示を確認しながら多言語メールを効率的に作成できます。


④ Recommender で受信者ごとに最適な画像を選択

メール送信時に、受信者一人ひとりに最適な画像を自動的に選択できるようになりました。

マーケターがあらかじめ複数の画像を候補として登録すると、目的ベースの Recommender が以下のデータを基に、表示する画像を選択します。

  • 受信者のプロファイル

  • 過去のエンゲージメント履歴

Recommender は、メールの開封やクリックの結果を継続的に学習します。そのため、配信を重ねることで予測が改善され、今後のメールでは、より成果が期待できる画像が選択されるようになります。

これにより、同じメールであっても、受信者の特性や行動に応じて画像を出し分け、エンゲージメントの向上につなげられます。


⑤ 任意の受信者データを使用してパーソナライズをテスト

メッセージのプレビューとテスト機能が拡張され、さまざまな受信者タイプのデータを使用して、パーソナライズされたコンテンツを確認できるようになりました。

以下の受信者タイプに対応しています。

  • リスト

  • 個人

  • キャンペーン受信者

また、以下のチャネルで利用できます。

  • メール

  • SMS

  • WhatsApp

  • モバイルアプリ

  • RCS

受信者タイプごとに、アクティベーション、イベント、Salesforce レコード、Apex クラスから取得したコンテンツ変数の値や、サンプルの Apex 入力を使用して、パーソナライズの結果を確認できます。

さらに、レンダリングされた JSON 出力を直接確認・編集できます。これにより、差し込み値やデータに問題がある場合でも、メッセージを送信する前にエラーを発見して修正できます。


⑥ 送信後にトラッキングリンクの遷移先を修正

メールを送信した後でも、トラッキング対象リンクの遷移先 URL を変更できるようになりました。

ただし、マーケターが画面上から直接変更する機能ではありません。修正が必要な場合は、Salesforce カスタマーサポートへ依頼し、サポート担当者が内部ツールを使用して遷移先 URL を更新します。

そのため、リンク先に誤りがあった場合でも、メールを再送信したり、エンジニアによる個別対応を行ったりする必要がありません。

変更内容は、対象となる公開済みコンテンツバージョンを使用したすべての送信に適用され、約 5 分後から、それ以降にクリックされたリンクが新しい URL へリダイレクトされます。

なお、リンクに差し込み項目が含まれている場合は、受信者ごとの動的な URL ではなく、1 つの固定 URL へリダイレクトされる点に注意が必要です。

すべての変更について、以下の情報が監査履歴として記録されます。

  • 変更を行ったユーザー

  • 変更日時

  • 変更前の値

  • 変更後の値


⑦ メールを Web ページとして表示

メール内に、安全な Web 版メールへのリンクを追加できるようになりました。

このリンクは送信時に受信者ごとに生成され、設定されたブランドドメイン上の Web ページへ遷移します。

メールクライアントでコンテンツが正しく表示されない場合でも、受信者はリンクをクリックすることで、ブラウザ上から本来のレイアウトやパーソナライズされた内容を確認できます。

これにより、受信環境に左右されにくい、より安定したメール閲覧体験を提供できます。


⑧ 大量の送信メールを独自のクラウドストレージへ保存

Data 360 を使用して、送信したマーケティングメールのコピーを、企業が所有するクラウドストレージへ直接保存できるようになりました。

保存先として、以下のクラウドストレージに対応しています。

  • Amazon S3

  • Microsoft Azure

Summer ’26 では、送信メールを Salesforce の Email Message オブジェクトへ保存するメールアーカイブ機能が追加されました。一方で、Salesforce 側のアーカイブには、処理できるメール数に上限があります。

Winter ’27 では、大量配信に対応した新しいアーカイブ方法として、独自のクラウドストレージへ保存できます。これにより、大規模な送信を行う組織でも、Salesforce Archiving の処理上限を超えることなく、送信したメールのコピーを保管できます。

保存後は、企業側のスケジュールに合わせて、クラウドストレージからメールデータを検索・取得できます。

※ この機能は Advanced Editions でのみ利用可能です。


⑨ 独自のメールサーバーを経由してメールを送信

Marketing Cloud Next から送信するマーケティングメールを、インターネットへ直接送信するのではなく、企業が管理するメールサーバーを経由して配信できるようになりました。

利用するには、以下の設定を行います。

  • メールリレーを設定

  • 送信ドメインを割り当て

  • 利用する IP アドレスを承認

メールリレーは、単にメールを送信するだけでなく、以下を含む一連の配信処理に対応しています。

  • バウンス

  • 受信者からの返信

  • 苦情

これにより、独自のメールサーバーを利用する場合でも、配信到達性を維持しながらメール配信を管理できます。

特定のメール経路を使用する必要がある組織や、厳格なセキュリティ・コンプライアンス要件を持つ組織にとって重要な機能です。

※ この機能は Advanced Editions でのみ利用可能です。


⑩ Compliance BCC で送信メールをアーカイブ

新たに追加された Compliance BCC を利用することで、Marketing Cloud Next から送信するすべてのメールのコピーを、指定したメールアドレスへ自動送信できるようになりました。

組織レベルでデフォルトの BCC アドレスを設定し、監査や規制対応を目的として送信メールを外部に保存できます。

利用するには、設定画面の「Unified Messaging」から「Compliance BCC」を開き、次の設定を行います。

  1. コピーの送信先となる BCC メールアドレスを入力します。

  2. BCC を有効化します。

  3. 必要に応じて、キャンペーン単位での上書きを許可します。

キャンペーン単位の上書きを許可すると、マーケターはフロー内の特定のメール送信について、Compliance BCC を無効化できます。

これにより、組織全体では送信メールを自動的に保存しながら、必要に応じてキャンペーンごとにアーカイブの適用を制御できます。


開発・API 関連

① Direct Email Send API でメールを直接送信

新たに追加された Direct Email Send API を利用することで、1 人または複数の受信者へ、プログラムから直接メールを送信できるようになりました。

これまで Marketing Cloud Next の API からメールを送信するには、オンデマンドフローを作成し、そのフローを API から起動する必要がありました。

Winter ’27 では、メールの送信定義を作成することで、フローを作成せずに、必要なタイミングで API からメールを送信できます。

まず、以下の情報を含むメール送信定義を作成します。

  • メールコンテンツ

  • 送信者プロファイル

  • メールで使用する機能の設定

その後、Direct Email Send API を使用して、次の処理を実行します。

  • 受信者を指定

  • メッセージをプレビュー

  • メールを送信

--- メソッド 
POST 

--- エンドポイント
https://api.salesforce.com/automation/actions360/messaging/email/v1?sendDefinitionId=[Send Definition ID]

--- ヘッダー 
Content-Type: application/json
Authorization: Bearer [アクセストークン]

--- ボディ
{
  "to": "n.watanabe@nac-care.com",
  "individualId": "003A8000000Dmp1IAD",
  "attributes": {
    "$content": {
      "LastName": "Takahashi",
      "FirstName": "Miyu",
      "OrderNumber": "ORD-0001",
      "OrderDate": "2026-02-05",
      "ItemName": "Sample Item",
      "ItemQuantity": "1",
      "ItemPrice": "2000",
      "PaymentMethod": "Credit Card",
      "TotalAmount": "2200"
    }
  }
}

これにより、外部システムや独自のアプリケーションから、Marketing Cloud Next のメールをよりシンプルに送信できるようになります。


② REST API でコンテンツを作成・管理

REST API を使用して、Marketing Cloud Next のコンテンツ管理システム(CMS)に保存されているコンテンツを、プログラムから管理できるようになりました。

API からコンテンツに対する以下の操作を実行できます。

  • 作成

  • 変更

  • 検索

以下のチャネルのコンテンツに対応しています。

  • メール

  • SMS

  • WhatsApp

  • モバイルアプリ

また、チャネル別のメッセージだけでなく、以下のコンテンツも API から管理できます。

  • 動画コンテンツ

  • コンテンツブロック

  • トラッキングリンク

  • フォーム

これにより、外部システムや独自のアプリケーションから Marketing Cloud Next のコンテンツを作成・更新し、コンテンツ管理を自動化できるようになります。


③ AMPscript と Handlebars の対応関数を拡張

Marketing Cloud Next で利用できる AMPscript と Handlebars の関数が拡張され、より高度なコンテンツ処理やパーソナライゼーションを実装できるようになりました。

新たに対応する主な処理は、以下のとおりです。

  • Rowset の作成

  • Marketing Objects の行の検索

  • Marketing Objects の行の確保

  • 正規表現を使用したデータ処理

  • MD5 ハッシュの生成

  • SHA512 ハッシュの生成

  • Impression Region の作成

Marketing Objects のデータを検索・取得するだけでなく、特定の行を確保できるため、受信者ごとに異なるクーポンコードを割り当てるような処理にも活用できます。

また、正規表現を利用することで、より複雑な条件判定や文字列処理を作成できます。

MD5 や SHA512 によるハッシュ化にも対応し、機密性のあるデータをプレーンテキストのままメッセージへ含めることを避けられます。

さらに、Impression Region を作成することで、メッセージ内の特定の範囲について、クリックなどのパフォーマンスを測定できます。


キャンペーン関連

① Marketing Completion Actions でフォローアップを自動化

新たに追加された Marketing Completion Actions を利用することで、マーケティング施策の完了後に必要なフォローアップ処理を、より簡単に自動化できるようになりました。

例えば、以下のような処理を設定できます。

  • Salesforce ユーザーへ通知を送信

  • Lead を特定のユーザーへ割り当て

  • Lead を特定のキューへ割り当て

これまでは、結果ごとに個別のフローロジックを構築する必要がありました。Marketing Completion Actions を使用することで、標準化されたアクションを追加し、フローの設定時間を短縮できます。

利用するには、Flow Builder で要素を追加する場所の「+」をクリックし、「Action」から「Marketing Completion Actions」を選択します。


② キャンペーンのコンテンツとパフォーマンスを一覧表示

新しいキャンペーン概要から、複数チャネルにわたるキャンペーンの状況を一覧で確認できるようになりました。

キャンペーンレコードを離れることなく、以下の情報を確認できます。

  • 主要なパフォーマンス指標

  • キャンペーンで使用するコンテンツのステータス

概要画面から詳細情報へ移動し、各コンテンツがキャンペーン内のどこで使用されているかを追跡することもできます。

これにより、キャンペーンの準備状況や実施後の成果を一つの画面で把握し、問題のあるコンテンツや確認が必要な指標をすばやく特定できます。


③ キャンペーンからカスタムフローテンプレートを利用

キャンペーンレコードから、独自に作成したカスタムフローテンプレートを直接利用できるようになりました。

キャンペーンレコードの「Browse Templates」から使用するカスタムフローテンプレートを選択すると、フローが作成され、そのキャンペーンへ自動的に関連付けられます。

これまでは、カスタムテンプレートを利用する場合、マーケターがフローとキャンペーンを個別に作成し、それぞれのレコードを手動で関連付ける必要がありました。

Winter ’27 では、テンプレートの選択からフローの作成、キャンペーンとの関連付けまでを 1 回の操作で行えるため、キャンペーンフローをより迅速に準備できます。


チャネル関連

① RCS メッセージングの作成・管理・分析を強化

Marketing Cloud Next の RCS メッセージングが大幅に強化され、よりインタラクティブなメッセージの作成から、キャンペーン管理、ビジネスユニット制御、パフォーマンス分析までを一元的に行えるようになりました。

マルチカードカルーセル

最大 10 枚のカードを横方向へスワイプできる、マルチカードカルーセルを送信できます。

カードごとに、以下の内容を設定可能です。

  • 画像

  • 説明

  • パーソナライズされたアクション

  • パーソナライズされた提案

新しいアクションボタン

RCS メッセージに、以下のアクションボタンを追加できます。

  • 場所を表示

  • 現在地を共有

  • カレンダーへイベントを追加

ビジネスユニットごとの管理

単一の RCS Agent を共有しながら、以下の設定を特定のビジネスユニットへ割り当てられます。

  • RCS プリファレンスページ

  • コミュニケーション購読

  • データスペース

キャンペーンタブからRCSを管理

他のメッセージチャネルと同様に、キャンペーンタブから RCS キャンペーンを作成・有効化・テスト・管理できます。

配信成果をリアルタイムに分析

Flow Builder の「Send RCS Message」要素について、以下の実行指標をリアルタイムで確認できます。

  • 合計実行回数

  • 平均実行時間

さらに、以下のエンゲージメント指標も確認できます。

  • RCS の既読数

  • 返信率

  • 配信失敗数

  • オプトアウト率

配信対応国を拡大

既存の対応国に加えて、以下の国でも RCS メッセージを送信できるようになりました。

  • オーストリア

  • カナダ

  • コロンビア

  • チェコ

  • デンマーク

  • ドミニカ共和国

  • グアテマラ

  • イタリア

  • オランダ

  • ノルウェー

  • ペルー

  • ポーランド

  • シンガポール

  • スロバキア

  • スペイン

  • スウェーデン

  • ウクライナ

また、REST API からオンデマンドフローを起動し、ワンタイムパスワードや注文確認など、即時性が求められる RCS メッセージを送信できます。


② Flash Messaging で大規模なモバイル配信を高速化

新たに追加された Flash Sending を利用することで、モバイルアプリユーザーへ大量のメッセージを高速に配信できるようになりました。

Flash Sending は、90 秒間で最大 500 万件のメッセージ送信に対応します。

また、デバイス登録時に、ユーザーを独自の属性に基づいて分類し、該当する購読へ登録できるようになりました。

例えば、以下のような関心属性を使用できます。

  • 政治への関心

  • スポーツへの関心

Flash Message の送信時に対象となるオーディエンスを選択することで、ユーザーの関心や属性に合ったコンテンツを、大規模かつ迅速に配信できます。

※ この機能は Advanced Editions でのみ利用可能です。


③ 未一致の SMS・WhatsApp メッセージへ自動返信

受信した SMS または WhatsApp メッセージが既存の処理条件に一致しない場合に、デフォルトメッセージを自動返信できるようになりました。

以下のいずれにも該当しない受信メッセージが対象です。

  • 同意リクエスト

  • 進行中の会話

  • フローに設定されたキーワードとの一致

例えば、ユーザーが想定されていない内容を送信した場合に、利用可能なキーワードや次の操作を案内するメッセージを返信できます。

一方で、要求していないメッセージには返信せず、そのままにする設定も選択できます。

これにより、処理条件に一致しないメッセージを放置せず、ユーザーを適切な次のステップへ誘導できます。


④ BSUID を使用して WhatsApp ユーザーへ送信

Summer ’26 でも紹介した BSUID 対応が、Winter ’27 のリリースノートにも引き続き掲載されています。

WhatsApp では、ユーザーが電話番号を非表示にし、ユーザー名を利用する仕組みへの移行が進められています。

Marketing Cloud Next では、この仕組みに対応するため、Meta の Business-Scoped User ID(BSUID)を利用できます。

BSUID を含む連絡先情報をインポートすることで、電話番号を利用できない WhatsApp ユーザーに対してもメッセージを送信できます。

また、電話番号と BSUID の両方にまたがってエンゲージメントを追跡できるため、ユーザーが電話番号を非表示にした場合でも、同じユーザーとのコミュニケーションを継続できます。

※ この機能は Advanced Editions でのみ利用可能です。


分析関連

① B2B Analytics for Marketers でマーケティング貢献を分析

新たに追加された B2B Analytics for Marketers を利用することで、B2B マーケティングに関するさまざまなデータを、Tableau Next ダッシュボード上でまとめて分析できるようになりました。

以下のデータが一つの分析環境に統合されます。

  • 取引先

  • 商談

  • キャンペーン

  • エンゲージメント

  • アトリビューション

マーケティングチームは、用意されたダッシュボードから以下の指標や成果を確認できます。

  • アカウントベースドマーケティングのパフォーマンス

  • パイプラインへの影響

  • キャンペーンの投資効果

  • 商談の進行速度

  • アトリビューション

これにより、どのマーケティング施策がパイプラインや売上に貢献しているかを把握し、その結果を施策の計画、予算配分、マーケティング戦略へ反映できます。

利用するには、設定画面の「Marketing Cloud Assistant Home」から、B2B Analytics for Marketers を設定します。

この機能は、2026 年 8 月10日から利用可能です。


② Flow Builder で SMS の配信成果を確認

Flow Builder を離れることなく、「Send SMS Message」要素の実行状況とエンゲージメント指標を確認できるようになりました。

有効化されている SMS フローを開き、「Analytics」タブを選択すると、以下の実行指標を確認できます。

  • 合計実行回数

  • 平均実行時間

  • 成功件数とエラー件数の内訳

さらに、SMS の配信成果として以下のエンゲージメント指標も表示されます。

  • SMS 送信数

  • 配信率

  • クリック率

  • オプトアウト率

これにより、別の分析画面へ移動することなく、フローの実行状況と SMS の配信成果を一つの画面で確認できます。


③ ボットクリックを除外して SMS クリック率を測定

SMS 内のリンクに対するクリックを、人間による操作と自動化されたボットによる操作に分けて測定できるようになりました。

Data Cloud には、以下の新しいクリック指標が追加されます。

  • 人間によることが確認されたクリック

  • ボットによって生成されたクリック

これにより、ボットによる自動アクセスを実際の顧客エンゲージメントとして集計することを防ぎ、顧客の関心をより正確に分析できます。

また、SMS や MMS のフローでは、実際の受信者がリンクをクリックした場合のみ、次の処理を実行するように設定できます。

これにより、ボットクリックによって意図しないフローが起動したり、誤った顧客行動として判定されたりすることを防止できます。


④ Content Performance ダッシュボードでプッシュ通知を分析

Content Performance ダッシュボードに新しい「Mobile Push」タブが追加され、モバイルプッシュ通知の成果を確認できるようになりました。

これにより、以下のチャネルのパフォーマンスを一つのダッシュボード上で確認できます。

  • メール

  • SMS

  • WhatsApp

  • モバイルプッシュ通知

Mobile Push タブの KPI カードには、プッシュ通知の主要な指標と、前の期間からの増減率が表示されます。

また、「Platform」フィルターを使用して、iOS と Android の成果を比較できます。

Engagement」テーブルでは、以下の条件で絞り込み、個別のアクティビティを確認できます。

  • 日付範囲

  • キャンペーン

利用するには、コンテンツレコードを開いて「Performance」タブを選択し、その後「Mobile Push」タブを開きます。

Content Performance ダッシュボードを表示するには、以下のいずれかの権限が必要です。

  • View All Reports

  • Dashboard Viewer


Marketing for Retail 関連

① ユニーククーポンコードを受信者ごとに配布

受信者ごとに異なるユニーククーポンコードを割り当て、メールで配信できるようになりました。

利用するには、Marketing アプリに「Coupons」タブを追加します。その後、複数のクーポンコードを管理するクーポンリストを作成し、コードを記載した CSV ファイルをアップロードします。

次に、Content Builder で「Coupon」データプロバイダーを使用し、作成したクーポンリストを選択します。メールコンテンツにクーポンコードの差し込み項目を追加すると、送信時にリスト内のコードが受信者一人ひとりへ割り当てられます。

これにより、同じクーポンコードを複数の受信者で共有することなく、利用状況を個別に管理できるプロモーションを実施できます。


② Welcome Series のトリガーとフローテンプレートを追加

小売業で利用される代表的なシナリオに対応した、標準トリガーとフローテンプレートが追加されました。

各テンプレートには、以下の設定があらかじめ組み込まれています。

  • メッセージコンテンツ

  • キャンペーンフロー

  • メッセージを受信する対象者の条件

利用できるトリガーとフローテンプレートは、以下のとおりです。

  • Birthday

  • Anniversary

  • Visitor Conversion

  • Reengagement

  • Replenishment

管理者が設定画面から必要なトリガーを構成して有効化すると、マーケターは対応するフローテンプレートを使用して、自動化されたリテールジャーニーを作成できます。

これにより、誕生日や記念日、再エンゲージメント、商品の補充時期といった顧客の重要なタイミングに合わせたキャンペーンを、ゼロから設計することなく迅速に開始できます。


③ 関心の高いカテゴリーの新商品を自動通知

新たに追加された「New Product in High-Engagement Category」トリガーを利用することで、顧客が特に関心を示しているカテゴリーへ新商品が追加された際に、メッセージを自動送信できるようになりました。

マーケターがこのトリガーを有効化すると、顧客のエンゲージメントが高いカテゴリーと新商品の追加を検知し、該当する顧客へ新商品を案内できます。

これにより、すべての顧客へ同じ商品情報を送信するのではなく、過去の行動から関心が高いと判断されたカテゴリーに基づいて、関連性の高い新商品をタイムリーに紹介できます。


④ Retail Trigger の対象条件をより細かく設定

Retail Trigger の設定項目が拡張され、コンバージョンにつながる可能性が高い顧客へ、より正確にメッセージを送信できるようになりました。

独自の非アクティブ条件を設定

カート放棄などのトリガーでは、顧客が非アクティブになったと判断する条件を設定できます。

例えば、以下の行動が一定期間発生していないことを条件として利用できます。

  • 購入

  • カート操作

  • Web サイト上の行動

  • 商品ページの閲覧

購入済みの顧客を除外

指定したルックバック期間内に、閲覧した商品または別の商品を購入した顧客を対象から除外できます。

これにより、すでに購入を完了している顧客へ、以下のようなメッセージが送信されることを防止できます。

  • 再入荷

  • 在庫僅少

  • 価格変更

購入意欲の高い顧客を絞り込み

商品ページの最低閲覧回数を設定し、商品への関心が高い顧客だけをトリガーの対象にできます。

独自データに合わせてトリガーを設定

あらかじめ固定された値だけでなく、組織のデータに合わせてエンゲージメント値を設定できます。

さらに、Contact Point のデータモデルオブジェクト(DMO)をマッピングすることで、各トリガーがメッセージ送信に使用できるチャネルを指定できます。


セットアップ・管理関連

① Salesforce Go で Marketing Cloud Next を一元設定

Summer ’26 では、Salesforce Go から Marketing Cloud Next の機能を確認・設定できるようになりました。

Winter ’27 ではその機能がさらに拡張され、「Initial Setup」ページから、Marketing Cloud Next の初期設定全体を一元的に実行できるようになりました。

複数の設定画面を移動することなく、以下の作業を進められます。

  • マーケティングアプリのインストール

  • データストリームの展開

  • 前提条件の確認と設定

  • Identity Resolution の設定

また、利用したい機能を以下のカテゴリーで絞り込み、必要な設定をすばやく見つけられます。

  • Channels

  • Einstein

  • Optimization

  • Analytics

これにより、Marketing Cloud Next の導入に必要な設定項目と進捗を一つの画面で確認しながら、効率的にセットアップを進められます。


② Marketing Objects に項目と個別レコードを追加

Data Explorer から、Marketing Objects の項目と個別レコードを直接追加できるようになりました。

Marketing Objects が空の場合だけでなく、すでにデータが登録されている場合でも、新しい項目を追加できます。また、既存のデータへ影響を与えることなく、項目のプロパティを変更できます。

さらに、少数のレコードを登録する場合は、CSV ファイルを用意する必要がありません。Data Explorer 上から各項目の値を入力し、レコードを 1 件ずつ追加できます。

例えば、以下のような用途で活用できます。

  • データの簡単な修正

  • 動作確認用のテストデータ追加

  • 一時的に必要なレコードの登録

  • 少数データの手動登録

大量のデータは引き続き CSV ファイルで取り込み、少数のデータやテストデータは画面から直接登録するといった使い分けが可能になります。


③ Platform Plus ユーザーへ Marketing Cloud Next のアクセスを拡張

Platform Plus ユーザーライセンスを持つマーケターが、Marketing Cloud Next のマーケティング業務を実行できるようになりました。

利用できる業務には、以下のような操作が含まれます。

  • キャンペーンの作成

  • メールの送信

  • その他のマーケティングワークフロー

利用するには、Platform Plus ユーザーへ以下の権限セットを割り当てます。

  • Marketing Cloud Manager or Marketing Cloud Admin

  • Data 360 関連

これらの権限セットを割り当てることで、キャンペーン、Contact、Lead に加えて、30 種類を超えるカスタムオブジェクトへアクセスできます。

これにより、フル機能の Salesforce ユーザーライセンスを割り当てなくても、Platform Plus ユーザーを Marketing Cloud Next のマーケティング業務へ参加させることができます。

今回の新機能は、Platform Plus ライセンスを無料で付与するものではありません。すでに Platform Plus を契約しているユーザーを、Marketing Cloud Next の担当者として利用できるようになるというものです。


④ Sales データキットを必要な場合のみ個別に展開

Marketing Cloud Next のセットアップに含まれる Sales データキットが、任意で展開するオンデマンドコンポーネントへ変更されました。

これまでは、Sales データキットが必須のマーケティングデータキットとまとめて提供されていました。そのため、Sales データキットを利用しない場合でも、他のデータキットと一緒に展開する必要がありました。

Winter ’27 では、Sales データキット専用の設定セクションが追加され、必要な場合に、任意のタイミングで個別に展開できます。

また、他のデータキットとは別に、Sales データキットの更新状況を確認し、利用可能なアップデートを個別に適用できます。

利用するには、設定画面のクイック検索に「Marketing Cloud」と入力し、「Basic Settings」を選択します。Sales データキットセクションから、以下の操作を行えます。

  • Sales データキットの展開

  • 展開状況の確認

  • 利用可能なアップデートの適用


⑤ Web トラッキングと同意バナーの設定を一元化

Salesforce Go に新しい設定ページが追加され、マーケティング用ランディングページと外部サイトの Web トラッキングを一元的に設定できるようになりました。

Summer ’26 では、Web トラッキングへの同意を取得するカスタムバナーを、Content Builder で作成できるようになりました。

Winter ’27 では、Salesforce Go から Web トラッキングの設定と同意バナーの構成をまとめて進められます。

独自のデザインや文言を設定した同意バナーを作成し、Web サイト訪問者から、行動データを取得することへの同意を収集できます。

また、Salesforce Go の画面には、機能の説明や設定を支援する各種リソースへのリンクも表示されます。

利用するには、設定画面から「Salesforce Go」を開き、Marketing Cloud Next タブにある「Track Marketing Engagement Across the Web」を選択します。


⑥ ランディングページを最新の基盤へ再公開

Marketing Cloud Next のランディングページを、現在サポートされている最新のインフラストラクチャへ移行するためのリリース更新です。

Marketing Cloud Next のランディングページをホストするインフラストラクチャは、改善された新しい基盤の提供に伴い、定期的に廃止されます。

長期間再公開されていないランディングページは、古いインフラストラクチャ上でホストされている可能性があり、ページのパフォーマンス低下につながる場合があります。

ランディングページを再公開すると、コンテンツの内容を変更することなく、現在サポートされているインフラストラクチャへ自動的に移行されます。

まず、Marketing Cloud の Content Workspace で「Settings」メニューを開き、「Publication Calendar」を選択します。

最後の公開日から 6 か月以上経過しているランディングページがある場合は、対象ページを再公開してください。

このリリース更新は、2026 年 10 月に適用予定です。


Distributed Marketing 関連

① テンプレートに必須フレーズと文字数制限を設定

Distributed Marketing and Alerts で使用するメールテンプレートに、コンテンツの入力要件を設定できるようになりました。

マーケターは、あらかじめ承認された複数のフレーズを用意し、非マーケティングユーザーがメールを送信する前に、いずれかのフレーズを必ず選択するように設定できます。

また、ユーザーが自由に編集できるテキストブロックに、最大文字数を設定できます。これにより、ユーザーが指定された文字数を超えて文章を入力することを防止できます。

例えば、法的な注意事項やブランドメッセージを必須フレーズとして設定し、営業担当者が必ずメールへ含めるようにできます。

これにより、ユーザーによるパーソナライズを許可しながら、ブランドガイドラインやコンプライアンス要件に沿ったメールを作成できます。


② 非マーケティングユーザー向けテンプレートを迅速に展開

Distributed Marketing and Alerts で使用するメールテンプレートを、営業担当者などの非マーケティングユーザーへ、より簡単に提供できるようになりました。

新たに用意された標準フローテンプレートには、以下の設定があらかじめ組み込まれています。

  • Distributed Marketing and Alerts の自動化イベント

  • テンプレートを提供するために必要なフローロジック

これまでは、メールテンプレートを非マーケティングユーザーが利用できるようにするために、複雑なフローやイベントを手動で設定する必要がありました。

標準フローテンプレートから作成を開始することで、必要な設定をゼロから構築することなく、承認済みのメールテンプレートを迅速に展開できます。


③ Distributed Marketing メッセージを一括で作成・送信

Distributed Marketing and Alerts の一括送信機能が強化され、非マーケティングユーザーが、より多くの受信者へパーソナライズされたメールを少ない操作で送信できるようになりました。

主な機能強化は、以下のとおりです。

  • キャンペーンメンバー、Lead、Contact を一度に最大 2,000 件選択

  • 1 回の送信で複数のメールを個別にカスタマイズ

  • 過去の送信で使用したコンテンツを再利用

  • レコード所有者の代理としてメールを送信

  • Actionable List の受信者へメッセージを送信

  • 任意のデータプロバイダーから取得した差し込み項目をプレビュー

作成したメールコンテンツは自動的に保存されます。各ワークスペースに新しく追加される専用の「Distributed Marketing Messages」フォルダーから、保存されたコンテンツを確認できます。

また、「Distributed Sends」ダッシュボードの「Bulk Email Recipient Activity」ビューでは、個々の受信者とメッセージに対するエンゲージメントを追跡できます。

これにより、営業担当者などの非マーケティングユーザーでも、ブランド管理されたコンテンツを活用しながら、大規模なパーソナライズ配信を実施できます。


④ Agentforce で推奨テンプレートを検索

Distributed Marketing Agent に新しいエージェントアクションが追加され、マーケティング担当者ではないユーザーでも、キーワードを入力して推奨メールテンプレートを検索できるようになりました。

営業担当者やサービス担当者は、送信したい内容に関連するキーワードを入力することで、マーケティング部門が用意したテンプレートの中から、用途に合ったコンテンツを見つけられます。

検索したテンプレートは、必要に応じてパーソナライズして送信できます。

これにより、非マーケティングユーザーが多数のテンプレートから適切なものを手動で探す負担を減らし、承認済みコンテンツをより簡単に活用できます。


いかがでしたでしょうか。

今回の Winter ’27 では、Agentforce を中心に、パーソナライゼーション、フロー、コンテンツ、同意管理など、幅広い機能が強化されました。

正式リリース後、可能な範囲で各機能を検証していきたいと思います。

今回は以上です。


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