親もできる事なら、上手くやるのです
ニュージーランド在住で医師、ライフコーチをしています。
前回の記事で、簡単にですが
Dr. Ross Greene の Collaborative & Proactive Solutions (CPS) について書きました。
子供の「問題行動」は、子供に、親や先生など周りの大人の期待に沿えるスキルがまだ備わっていないからだとし、大人と子供が話し合って解決法を探そう、というものです。
このCPSの最初の段階で、その「問題行動を起こす子供」に関わる大人(達)が、その子供にどんなスキルが備わっていないか、アセスメントをします。
Dr. GreeneのCPS で使っているのが、以下のリンクにある「Assessment of lagging skills & unsolved problems - 遅れているスキルと未解決の問題のアセスメント」です。
(2024年にはASUP2024という名前と内容が少し変わったものにアップデートされています。この記事の為には、少々の変更は余りこだわる必要はないので、このままにしておきます。)
http://livesinthebalance.org/wp-content/uploads/2023/02/ALSUP-2020-Expandable-Feb-2023-1.pdf
この「遅れているスキルのアセスメント」は、最初の段階で大人だけでやるのですが、子供にの特定のスキルの発達が遅れているからと言って、
CPSではその特定のスキルを伸ばす、という事をするのではありません。
このアセスメントは主に、
大人の私達が「問題行動」を起こしている子供を見る時の
レンズを変えるためにします。
「この子は頑固な性格だから」とか
「この子の両親は離婚したから、子供がこんなになっちゃったのよね」とか
「この子はADHDだからね」とか
そう言った社会的状況や医学的診断名は置いておいて
「現時点でどの様なスキルの習得が遅れているか」というレンズで見るのです。

「遅れているスキル」のリストは
集中力を維持するのが難しい
ある考え方やタスクから別の考え方やタスクに移行する、移行に対処するのが難しい
行動からどんな結果がもたらされるのか、考えるのが難しい(衝動的)
白黒思考 で、「灰色的」な見方をするのが難しい
状況要因を考慮して、計画を適宜変更するのが難しい
柔軟性のない不正確な解釈/認知の歪みや偏見 (例: 「みんなが私を捕まえようとしている」「誰も私を好きではない)」
困難なタスクや退屈なタスクを継続することが困難
社会的な合図に注意したり正確に解釈したりすることが困難/社会的なニュアンスの認識が不十分
問題に対するさまざまな解決策を考えるのが難しい
懸念、ニーズ、考えを言葉で表現するのが難しい
感覚・運動障害
元のアイデア、計画、または解決策から移行するのが難しい
自分の行動が他人にどのような影響を与えているかを理解することが難しい
予測不可能性、あいまいさ、不確実性、新規性への対応が難しい
合理的に考えるためにフラストレーションに対する感情的反応を制御することが困難
会話を始めること、グループに入ることが難しい、人々とつながることが難しい/その他の基本的な社会的スキルが欠如している
慢性的なイライラや不安は、問題解決能力を著しく妨げたり、フラストレーションを高めたりします。
他人に共感すること、他人の視点や視点を理解することが困難
こんな感じです。
私が最初にこれを見て思ったのは
(このスキルって、親でも持っていない人結構いるよなあ)
二人の、スキルが十分でない人間達が、問題を解決しようとすると
年上である親が、親の権力を使って、親が考えた解決策を子供に押し付けがちになるのです。

私がCPSを使いたい理由は
子供を見るレンズを変える
だけでなく、CPSのプロセスを踏む事で
親も自分自身をより深く理解し、自分のスキルを高める事ができるからなのです。
私の父親は昭和の典型な男親で、亭主関白、
短気で融通がきかず、学歴とお金が第一という感じの、
エゴが大きい人でした。
その彼が高齢になり、私が一時帰国して実家に遊びに行った時
何かの機会に
「良い親になりたかったんだよ」とポロっと言いました。
全くそんな言葉を予想していなかった私は、ちょっとビックリしたのを覚えています。
(ただ、その後なんと声をかけたかは覚えていません。
「お父さんも頑張ったよね。良いお父さんだったよ」とかなんか、優しい事言ったかなあ。笑)
そうなんです。
殆どの、お父さんお母さんは、自分のできる限りで頑張っているんです。

それでも、スキルがないと、また自分自身を理解していないと
あまり効果的でない子育てをしてしまう事はあるのです。
だって、よく言う様に、赤ちゃんは取り扱い説明書を持って生まれてきません。
そして、子育ては今のところ、学校では教えてくれないのです。
親自身が、その親にどう育てられたかによって、
同じ様な上手くいかない子育てを繰り返してしまう事は、よくあります。
みんな頑張ってその時できるベストをやっているんです。
でももしかしたら、やり方を少し変えることによって
更にwin winな子育てがあることに気づくかもしれない。
私が目指すのは、親になる人、また親になった人が
高いお金を払ったり、収入を減らして時間を作らなくても
効果的な子育ての方法を学べる世界です。
私が生きているうちに、少しでもそこに近づきたいです。
今日も長文を読んでいただき、ありがとうございました。
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