1970年代の国家への不信を映したサスペンス『カプリコン・1』
午前十時の映画祭で、『カプリコン・1』を見てきました。
作品ページすら見ず、ストーリーの概要も知らずに見始めたので、最初の展開から驚きました。
自分は何も見ずに十分に楽しんだくせに、このnoteはネタバレありです。
8月6日(木)まで、やっています。
映画を見終わった後に感じたこと
ストーリーを知らずに入ったので、最初の展開を見た時に、「あぁ、あの話か」と理解。1969年にアポロ11号が月面着陸プロジェクトを行った頃から、本当に月に着陸したのか? と疑う声が少なからずあり、のちに陰謀論がまことしやかに囁かれているあれです。
2024年公開の「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」も、そういう話でしたね。こちらも見てませんが。『カプリコン・1』は、月面ではなく、火星着陸プロジェクトのフィクションです。
テンポのいい、見ていてワクワクする映画でした。
もちろん今見ると、考証や演出で気になるところはいくつもあります。ロケット発射寸前にあんなことできる? 飛行機の砂漠への着陸はもっと大変じゃない? 宇宙との通信(実際には、コントロールセンターから300マイル離れた場所)はあれで大丈夫? もっと通信の時間差ないの? など、気にしようと思えば、いろいろ目につきます。
でも、テンポのよさ、キャラクターのわかりやすさ、とても見やすい映画だと思います。
印象的なシーン、響いたセリフ
何にも知らずに見に行ってよかった。
ロケット発射真近に、突然声をかけられる場面に「えー!」ですよ。
偽プロジェクトが進行して、終わりを迎えそうになってから、映画はスピードを上げ、ワクワクが止まらなくなります。ブルーベイカー大佐たちの脱出、新聞記者コールフィールドに重なる命の危険、ご都合主義にも見えますが、無駄のないキャラクターの配置で、次へ、次へと、シーンにバトンが渡されます。
観る前の不安と見終わった後の満足と(今、見るとどう見えるか?)
1969年にアポロ11号が月面着陸し、1976年に、ビル・ケイシングが『We Never Went to the Moon(我々は月へ行かなかった)』を自費出版。ここから、アポロ計画への陰謀論が大きくなったらしいですね。
『カプリコン・1』は、1978年に公開されています(日本では1977年末に先行公開)。1970年代のアメリカは、長引くベトナム戦争、ウォーターゲート事件など、政府の発信する情報に、疑いが向けられた時代です。
設定としては、当時、フィクションに止まらない、リアルなものだったでしょう。
今の時代、個人が撮影した映像・音声がSNSで発信されてしまうことが当たり前です。国家が秘密を維持することは、1978年より難しいかもしれません。そして、隠しきれないとわかっていても、国家が本当のことだけ伝えてくれていると100%信じている国民は、現在、どの国にもほどんどいないでしょう。
そういう意味で、このフィクションはフィクションに止まらない、リアルな設定がまずあります。キャラクターのわかりやすさと、展開の速さで、国家の隙をついていく感じが気持ちいい映画です。
見終わって一首
逃げるんだ! 国家の嘘で造られた三百哩先の火星から

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