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風まかせ文芸部 | 半分、過ぎて

鳥が苦手な方は、パスして下さいませね🙏


ダサい、ダサすぎる!

自転車でこけるなんて、この歳であり得ないよ。

田園風景の広がる、と言えば牧歌的かもしれないけれど、田舎の田んぼと水路の脇に謎に設置された遊歩道。

近所の人のお散歩コースでしかない。
まぁ、わたしは通学路をショートカットできるから、ありがたく使わせて貰っているけれども。

飛ばし過ぎた。
敷石の段差にタイヤが跳ねて、こけた。

周りに人はいなくて、この恥ずかしすぎる場面を見られなかったことに安心したけれど、右膝に痛みを感じて見てみると、血が滲んでた。

最悪…。

遅刻は確定だから、一時間目と二時間目の休み時間狙ったけども、これじゃ微妙だな。
もう休んじゃうか?

だめだ〜。
バイト先のカフェ、先生達ときどき来るもん、ズル休みだってバレるってぇ〜。

今日はそのバイトがある日。
さらに、店内新作デザートコンペ優勝者、即ちわたし、の試作&試食の日だもの、行くでしょ、そりゃ。
主役じゃん? ま、バイトだから、店長多少手加減したのかなぁ? けども優勝は優勝だからね。

なのに、
バイト先の制服、忘れた。
気付いたのは、通学路も半分、過ぎたあたり。

ひとつ目の最悪…。

学校からのが近いから、放課後一旦帰宅する、っちゅー選択肢はない。
家に戻ることにした時点で遅刻確定。

ふたつ目の最悪。

で、こけた。
擦りむいて流血までした。

これをまとめて、みっつ目にするか、みっつとよっつに分けるか、悩みながら自転車起こしてたら、黒いものが目に入った。

え? カラス??

すぐそば、目の前にカラス。
至近距離で見るカラスはデカいし、怖い。
それでなくとも、この頃のカラスは電柱の上にいるばかりでもなくて、低空飛行が目立つ。

カラスだけじゃないか、高く飛ぶのは小さな鳥達ばかり。
何かの異変の前兆だったりして…やだやだ。

大きい奴らは、どけよ、とばかりに低めに滑空する。あんなのにぶつかったら、生身同士じゃどうなることか。

止まってる時だって、どんな動きをするから分からない、読めない、って怖い。

どいてよ、早く〜!

睨むのは怖いから、のろのろと自転車起こす振りを続けて、顔は上げられない、上げたくない。


— カァ〜〜

そいつが一声鳴いて、どこからか遠くの方で反響するように、カァカァと聞こえる。

やっぱり、おしゃべりするんだよね、鳥って。
カラスの声が、不気味に聞こえるのは、なぜなんだろう? なにかのすり込みなのか、原初の恐怖なのか…。

え…?

増えてる!
顔を上げかけ、戦慄する。

思わず引き返そうと振り返る。

え…え…?

囲まれてる?? まさか!
狙われてる? わたしが? 
奴らの視線の先、わたしの右膝??

これって、ほんとのほんとの…
今日の、マジな最悪じゃーないの??

今日の? 
笑って話せる日が来るの??

通学路、半分過ぎた、一本道の遊歩道。
周りは、田んぼと水路。逃げ道は…




📝 iさんの企画に参加させて頂きます。
いつもありがとうございます😊
映画 ジュラシック・パークシリーズ×、のイメージで遊んでみました😆




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