凄い展開が待っているサスペンスミステリー_99%の誘拐/岡嶋二人
今回は「凄い展開が待っているサスペンスミステリー」の紹介です。
ある男が体験した誘拐事件の手記、そこには8年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。
そして12年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が発生。
前代未聞の完全犯罪が・・・。
本当に面白い作品です。
これから本を読む方も既に読んだ方も記事を読んでいただけると幸いです。
以下、「作者」「概要」「物語のあらすじ」「感想」が続き、ネタバレはありません。
『99%の誘拐/岡嶋二人』
作者
岡嶋二人さん
生年月日: 井上泉 1950年12月19日/徳山諄一 1943年8月1日
出生地: 井上泉:福岡県 / 徳山諄一:東京都
最終学歴: 井上泉:多摩芸術学園映画科中退 / 徳山諄一:法政大学経済学部中退
主な受賞歴:
第10回吉川英治文学新人賞(1988年度) - 『99%の誘拐』
第28回江戸川乱歩賞(1982年) - 『焦茶色のパステル』
以前記事を書いた、焦茶色のパステルの作者さんです。
もう一作品の記事を書いたの覚えていますか?
そうです、【井上夢人】さんですね、井上泉さんのソロ活動の際のペンネームが【井上夢人】さんです。
概要
単行本発売日: 1988年10月
文庫本発売日: 1990年8月(徳間文庫)/2004年6月15日(講談社文庫)
出版社(単行本・文庫本の順): 徳間書店 / 徳間文庫・講談社文庫
主な受賞歴: 第10回吉川英治文学新人賞受賞作
物語のあらすじ
岡嶋二人の代表作!
末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。
そこには8年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。
そして12年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。
その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。
第10回吉川英治文学新人賞受賞作にして、2005年度「この文庫がすごい!」第1位のリバイバルヒットになり、改めてオカジマフタリの名を知らしめた作品でもある。刊行1988年。
感想
『99%の誘拐』は、「誘拐」というテーマを通して、計算し尽くされた完全犯罪の構築と、人間の心理の綻びを描いたサスペンスです。
1980年代末という時代背景の中で、当時最先端だったコンピュータや通信技術を物語に巧みに取り入れており、その構成力の高さに驚かされます。
物語は倒叙形式で進み、犯人の計画が序盤から提示されるにもかかわらず、最後まで息をのむ展開が続きます。
「なぜ“99%”なのか」というテーマが、読後に深い余韻を残すのも印象的です。
読んでいて思ったのが「本当に30年以上前の作品か?」と思うほどの先見性です。
今、読んでも全然古臭さを感じません。
少し回りくどく、犯人に対して「考えさせる時間」を与えるような描写がありますが、その“静けさ”こそが本作の魅力であり、じわじわと追い詰めていく心理描写が光ります。
時代の空気を感じながらも、現代の犯罪小説にも通じる構造をもつ一作です。
ミステリーが好きな方はもちろん、「完璧な犯罪とは何か」を考える読者にもオススメです。
まだ読んでいない方に是非とも手に取って欲しい作品です。
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