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【駐在員の本音】物価は3倍、給与は据え置き──円高とインフレが突きつける“海外生活のリアル”

第50話

赴任して2年目。
日系メーカーのアメリカ拠点に派遣された30代の中堅社員として、ようやく現地の仕事や生活にも慣れてきた。

でも最近、ふと気づく。
「ドル建ての給与をもらっているのに、なぜか生活が苦しい」と。

スーパーのレジでカードを通すたびに、「え、これで100ドル?」と声が出そうになる。
日本の友人からは「アメリカは給料も高いし、いいね」と言われるけれど、
実際の生活感覚はまったく違う。


物価は3倍、でも給与は追いつかない

家賃、外食、医療費、保険料──どれをとっても日本の数倍。
スタバのラテは6ドル(約900円)、卵1パックが8ドル(約1,200円)。
光熱費や通信費もじわじわ上がり、1年前よりも生活コストは確実に増えている。

それでも、給与の見直しは年に一度あるかどうか。
会社の“物価調整手当”はあるが、為替変動までは反映されない。
インフレのスピードにはまったく追いつかない。
日本円で換算すると、むしろ「手取りは減っている」と感じる月すらある。


家族がいれば“支出も高待遇”

これは単身駐在の話だ。
もし家族を帯同していれば、教育費・医療費・保険・車2台分の維持費が加わる。
アメリカのインターナショナルスクールは年間数百万円。
歯の治療ひとつで数万円。
「駐在=高待遇」というイメージの裏には、
“支出も高待遇”という現実がある。


円高でも円安でも“どこかで損をする”

円安が進めば日本への送金や貯金の価値が下がり、
円高になれば現地での購買力が落ちる。
どちらに転んでも「どこかで損をしている」感覚が残る。

為替の変動を気にしながら、
現地の物価上昇と向き合う。
このストレスが“見えない生活コスト”なのかもしれない。


「海外駐在=裕福」という誤解

周囲からは「駐在って給料もいいし、いい暮らししてるんでしょ」と言われる。
確かに会社からの手当はある。
でも、現地の支出はそれを簡単に上回ってくる。
気がつけば、日本にいた頃よりも貯金が減っていた──そんな駐在員は少なくない。


夕暮れのフロントガラス越しに

夕方、帰り道の車の中。
ガソリンスタンドの価格表示を見て、また小さくため息をついた。

それでも、フロントガラス越しに見える西日の街並みは、
なぜか少しだけきれいに見えた。

経済的には余裕がなくても、
この国で働き、生きている実感が、確かにここにある。


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・アメリカ生活で直面する文化の違い
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