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【駐在員の本音】なぜアメリカは東と西でこんなに違う?──人口分布が示す文化の境界線

第41話

人口分布の地図に驚いた日

ニュースで見たアメリカの人口分布マップに、思わず目を疑った。
濃い色で示された人口の集中は、東海岸と西海岸に偏り、真ん中はまるで空白地帯のようだった。
「こんなに人がいない国だったのか」。その衝撃は、画面を閉じても頭から離れなかった。


中西部の「空白」を上空から見て

赴任後、飛行機で出張に出たとき、その地図は現実になった。
ニューヨークへ向かう機内、窓の下には延々と続く畑と茶色い大地。
「いつになったら街が現れるんだろう」と思うほど、何もない景色が広がっていた。

一方、ニューヨークに降り立つと、人とビルの密度に圧倒される。地下鉄は満員、街角では人々が早足で行き交い、会議は分刻みで進んでいく。
その落差に、あの地図の意味をようやく実感した。


東と西、二つのアメリカ

地図で示されていたのは、単なる人口の偏りではなかった。
そこには文化の違いがはっきり刻まれていた。

東海岸は歴史の厚みがある。ヨーロッパ系の影響を受けた人々は、どこか堅実で、言葉のテンポも早い。会議でも「結論から」を重視し、短時間で次々と物事を決めていく。

一方、西海岸はまるで別の国のようだった。アジア系やラテン系が多く、多文化が混ざり合う空気がある。スーパーに行けば日本の調味料や韓国食材が普通に並び、街のレストランも多国籍だ。会話もオープンで、初対面でも「どこから来たの?」と笑顔で声をかけられることが多い。

「アメリカ人」という一言では語れない。むしろ「東のアメリカ人」と「西のアメリカ人」は、まったく別の国民のように感じられた。


私には西海岸が合っている理由

正直に言えば、私は西海岸の方が居心地がいいと感じている。
アジア系が多いため、レストランで日本食に近い味に出会えたり、スーパーで馴染みの調味料を見つけたりすると、ふっと安心できる。

そして気候もまた、その居心地を後押ししている。
カラッとした空気、四季を感じられる気候、海と山の距離感。
週末に少し車を走らせれば、大自然の中で深呼吸できる。そうした環境が、人の気質を柔らかくしているのかもしれない。
その穏やかな気質に、外から来た私も受け入れられていると感じる瞬間がある。


アメリカを「ひとつ」にまとめない

人口分布の地図は、ただの統計ではなかった。
それは「アメリカをひとつにまとめることはできない」という現実を示していた。

駐在員として働くなら、相手を「アメリカ人」とひとくくりにしないこと。
「どの地域の文化を背景にしている人なのか」を意識するだけで、会話の前提も、ビジネスの進め方も驚くほど変わる。
それが、この広大な国で生きていくための最初の知恵なのだと思う。


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