【WWOOF体験記】ニュージーランドで渡り歩いた4つのホストたち。仕事内容など詳しく紹介
2024年7月中旬。ワーキングホリデーで滞在していたニュージーランド・クライストチャーチで、私はカフェの仕事をしながら静寂と寒さと憂鬱のトリプルコンボに打ちのめされていた。街の雰囲気もなんだかどんより。不況の影響か、通りを歩く人々の表情もどこか沈んでいる。そして初の海外一人暮らしということもあり慣れない環境に心もズタボロに。
「これは…このままじゃヤバい」
そんな思いが脳内をぐるぐる駆け巡った私は、ついに決断する。やっと見つけた2つの仕事を辞め、快適だったシェアハウスも後にし、南島西海岸行きのバスに飛び乗った。 冬の小さな冒険の幕開けである。

(2024.7/16.15:20)
→筆者はこんな人
WWOOF(ウーフ)とは

WWOOF(World Wide Opportunities on Organic Farms)は、有機農業やエコ生活に関心のある人々が、農家でボランティアとして働く代わりに宿泊や食事を提供される仕組みです。主な特徴は以下の通り:
活動内容:農作業や庭仕事、動物の世話などが一般的。ホストによって内容は異なる。
仕組み:ボランティア(WWOOFer)はWWOOFのプラットフォームを通じてホストを探し、直接連絡を取って滞在を調整。滞在期間は数日から数週間、時には数ヶ月にも及ぶことがあります。
グローバルなネットワーク:1960年代にイギリスで始まり、現在は130以上の国と地域で展開されている。
WWOOFは単なるボランティア活動ではなく、旅をしながら地元の暮らしに溶け込み、異文化交流を楽しむユニークな方法として、多くの旅人に支持されています。
利用方法
ニュージーランドでは、2025年1月の現在、登録料が$25(およそ2300円)で15ヶ月間何回でも利用できます。

マップ検索ができたり、ホストのプロフィール欄から、仕事内容やレビュー、いつから受け入れができるか簡単に見ることができます。時にはホスト側からオファーが来ることもあるので、自身のプロフィール欄を充実させておくといいですね。
気になったホストがいたら、早めにメッセージを送りましょう。人によっては返信が遅い方もいるので、時間に余裕を!

リアルな4つの体験談をご紹介
1. 海岸沿いに住むKiwiおじいさん(5泊6日)

クライストチャーチを飛び出し、ついに到着した西海岸のとあるお家。そこで待っていたのは… まるでワーホリ版『テラスハウス』のような国際色豊かなメンバーたち。
18歳のフランス人青年 → 高校を卒業し、ギャップイヤーで世界を旅する自由人。
23歳の韓国人兄さん → つい最近まで兵役についていたガチ体育会系。
28歳のスウェーデン人男性 → 自動車整備士を辞めて現在"人生の休暇"中。
「いや、みんな背景バラバラすぎない??」とツッコミを入れたくなるが、それぞれの人生話を聞くだけで面白い。
そんな彼らと共に過ごすことになった家のホストは、超マイペースなKiwiおじいさん。 彼の家はWWOOF仕様に改造されており、年中ウーファー(労働と引き換えに滞在する旅人)を受け入れているそうだ。庭にはなんと7台ものキャンピングトレーラーが並び、それが私たちの寝床になるというワイルド仕様。「…これ、想像以上にサバイバルじゃないか?」と思いながらも、すぐに新生活が始まった。


ホットカーペットでなんとか寝れました
◆ 食生活:ホストが大量の食材を仕入れて備蓄 → ウーファーたちで自炊&後片付け
朝ごはんを食べ終わると、9時から14時までの5時間労働(週5日)がスタートする。
◆ 仕事内容:木を切る、石を運ぶ、掃除する、次のウーファーのための準備など。
要するに、体力勝負。特に生い茂った木を切る作業は、「俺、なんか開拓時代の住人みたいになってる…?」と錯覚するレベル。
そんな中、一番若い18歳のフランス人青年は「最初は英語が全然話せなかったけど、ホストと積極的に会話して勉強した」と言いながら、今ではペラペラ。いや、成長スピード早すぎん? 彼の旅話を聞くたびに、「うわ…俺も負けてられん!」と内心刺激を受けまくっていた。


(2024.7/18.16:37)
◆ 休日の過ごし方
みんなで森を散策したり、映画を見たり、海辺へ出かけたり…。極力スマホを触らないルールを作ったせいか、まるで小学生の頃の放課後みたいな時間を過ごすことに。ちょっとノスタルジックで、めちゃくちゃ楽しい。


そして何よりKiwiおじいさん。彼は温厚で若者と話すのが好きな超いい人…なのだが、マリ○ァナ愛好家でもあった。会話の途中であれ、今この人、ちょっとハイになってない?と気づくこともあったが、まあ…そこはご愛嬌ということで。
肉体労働はなかなかハードだったものの、おじいさんの「若いもんはたくさん食わないとな!」という心遣いで、肉・魚・米・野菜・パンがしっかり揃っていたのは本当にありがたかった。
2. 山奥にポツンとある一軒家(3泊4日)

「大自然の中で働ける!最高!」と意気揚々と向かった私と韓国人兄さん。場所は山奥の牧場、WWOOFの受け入れ先だった。しかし、いざ到着すると…
「え、これ…想像の5倍はキツくない?」
重労働のオンパレード!
ひたすら薪を割る
ひたすら大きな倒木を運ぶ
ひたすら地面を掘る
要するに、ずっと筋トレ。 そして、休憩時間はまさかの「自分の責任で取ってねスタイル」。つまり、休んでいいタイミングが分からない…!
韓国人兄さんも「ちょっとこれは…」と困惑気味。いや、これもしかして筋肉モリモリのウーファー専用コースだったのでは?
結局、私たちは滞在日数を大幅短縮し、「すみません…これ以上は…」とホストに伝え、3泊4日で撤退。やっぱり、合う合わないは誰にでもある!無理せず決断するのが大事!

自分に合わないお仕事があったり、あまりにも過酷な状況だったら、迷わずホストさんに伝えるのが吉です。合う合わないは誰にでもあるものなので、違和感を感じたらすぐ動きましょう。
3. ひとり暮らしのKiwiおばあちゃん(6泊7日)

(2024.7/24.13:14)
韓国人兄さんと別れ、次にお世話になったのは小さな町に住むKiwiおばあちゃんのお家。 ここは先ほどの筋トレ牧場とは正反対。癒し100%の世界だった。
お仕事内容は、
屋根の排水溝の掃除(「あれ、これ思ったよりアクロバティックだな?」と感じたけど気にしない)
畑の雑草取り(「おばあちゃん、これ全部取ったらもう何もなくなるよ?」と言いたかったけど気にしない)
薪割り(「結局また薪割るの!?俺どこ行っても薪割ってるな!?」と思ったけど気にしない)

そんなこんなで働いた後は、
おばあちゃん特製の完全オーガニックサラダ!
庭で採れた野菜と、木になってるオレンジをそのまま収穫。ドレッシングなしでもめちゃくちゃ美味しい。

夜は暖炉の前で一緒にテレビを見ながら、食後のまったりタイム。ちょうどパリオリンピックの開会式がやっていて、
「変な開会式だねえ」「うん、なんかカオスだね」
と二人で大笑い。もう完全に家族の会話。
そして、おばあちゃんは包丁にも感動。
私が日本から持ってきて使っていた包丁を貸してあげたら、
「本当に切れ味が良くていいわねえ!」
と感動しきり。そんなに気に入ってくれたなら…と思い、お別れの際にその包丁をプレゼント。「えっ、いいの!?ありがとう!」とめちゃくちゃ喜んでくれた。

お別れの日、次の目的地まで送ってくれることに。「せっかくだから!」と車で空港まで直行。最後までとことん優しい。
実は、このおばあちゃんのWWOOFレビューはゼロだった。
「えっ…じゃあ私が第一号…?」と一瞬戸惑ったけれど、実は別のサイトでは長年受け入れをしていたらしい。 なるほど、ベテランの余裕だったわけだ。
こうして、薪を割り、オーガニックを食し、包丁を譲り、笑いながらテレビを観た6泊7日が終わった。
4. 首都にある邸宅でのお手伝い(3泊4日)

ついに最終目的地、ニュージーランドの首都ウェリントンに到着!再び家探しをしている数日の間に、WWOOFを利用することにしました。
WWOOFといえば、大自然の中で牛を追いかけたり、土まみれになったりするイメージですが、探せば都市部にもホストはいるものです(ただし、レアキャラ並みに出現率は低め)。今回は、首都にあるちょっとおしゃれな邸宅でのお手伝いでした。
仕事内容は、ニワトリの餌やり、お庭の草取り、ガーデニング、たまにお料理の手伝いなど。まさか都会のど真ん中でニワトリ2羽とご対面するとは思いませんでしたが、彼女たちは街の喧騒をよそに、優雅に朝の産卵タイムを過ごしていました。そしてホストのご夫婦は、すでに独立した娘・息子さんたちが小さい頃からWWOOFを受け入れているベテラン。「異文化交流が好きなのよ」と言いながら、私に紅茶をすすめてくれました。

そんな中、私が家探し中だと話したところ、奥様がさらっと「もし見つからなければ、うちにしばらく住んでいいのよ」と言ってくれました。えっ、いきなりそんな親切なこと言われると泣いちゃうんですが…。そしてお別れの際には、「ウェリントンで困ったことがあったら、私に電話しなさい」と電話番号まで送ってくれるという神対応。まるで遠い親戚のおばちゃんが急にできた気分でした。

まとめ・感想

WWOOFを通じて、ニュージーランドでのリアルな暮らしを体験しながら、現地の文化にどっぷり浸かることができました。ホストとの交流を通じて、日常生活や価値観を共有し、ニュージーランドの自然・文化・ライフスタイルについて学びました。そして何より、他国から来た旅人たちとも出会い、お互いの人生を語り合う中で、「世界って、やっぱり広い!」としみじみ実感。
特に印象に残っているのは、現地の人たちと深い話ができたこと。ニュースでは見えない価値観や、政治に対するリアルな意見を直接聞くことができ、「なるほど、こういう考え方もあるのか!」と目からウロコが落ちまくり。
さらに、日本では絶対にできないような冒険もたくさん経験。広大な自然の中で働いたり、見知らぬ土地で異国の人たちと暮らしたり、時には「あれ、これ本当に無料で泊まっていいの?」と申し訳なくなるほどの厚遇を受けたり。刺激的で、時にハードだけど、それ以上に学びの多い日々でした。
みなさんも、ぜひWWOOFに飛び込んでみてはいかがでしょうか?あなたの知らない世界が、きっとそこにあるはず。
