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DIC川村記念美術館1990-2025作品、建築、自然(2025.2.8-2025.3.31)

DIC川村記念美術館の休館延期に伴い、2月よりコレクション展示が行われると知り、喜び勇んで川村記念美術館へ行ってきました。
想いが溢れて少し長めのレポートになっています。


企画展・コレクション展示

チケット売場と混雑状況

※ レポートを投稿するのに時間が経ってしまいましたので、現在の混雑状況とはおそらく異なっています。

2月土日祝の朝10:00に車で到着しました。
チケット売り場が混雑を避けるために事前にオンラインチケットを購入。
休館が大々的に報じられ、みなさん同じ考えですね。なかなかの人の多さでした。何回か来てますが第4駐車場まで埋まってるのは初めて見ました。
入館は並ばずにスムーズ、しかし入口すぐのロビーにあるミュージアムショップはすでに大混雑でした。
ギャラリー奥にある茶室もすでに全時間締め切られてました。

鑑賞時の人の多さは都内で大型企画展の混雑ほどではなかったです。
狭い部屋の展示は並ばないと間近で鑑賞できないですが、比較的スムーズに進むのでストレスはありませんでした。
人の波もあるので周りとタイミングをずらすとしっかり観れて良かったです。

鑑賞に用意していきたかったもの

  • オペラグラス

お客さんにはオペラグラスを持って来られていた方もいました。なるほど、いいアイディア!!
たくさん作品が展示されている関係で、上の方に飾られている作品の細部が見えなかったり、キャプションの文字が小さくて読みづらかったりしたので、私も持っていけばよかった。

  • DIC川村記念美術館の無料アプリ

美術館の無料アプリのなかに公式音声ガイドがあります。
(リンクはiPhone版ですが、アンドロイド版もあります)

もちろん館外でも聞けるのですが、鑑賞する際にイヤホンで音声ガイドと作品をぜひ一緒に楽しんで欲しいです。
私の一押しは、コーネルの箱《無題(ピアノ)》のなかに入っているオルゴールの音!!
鑑賞だけでは得られない体験をできるのも音声ガイドならではですね。

↓ 一応ご興味ある方のためにオルゴールの原曲のリンクも貼っておきます。
モーツァルト「ピアノソナタ第16番(K545)」より第一楽章の冒頭が部分的に使用されています。

ぜひ手にとって欲しいもの

いざ鑑賞へ。廊下に飾られている歴代の社長と館長たち3人の横を通り過ぎ、最初の部屋に入って左手すぐに見たことのない小冊子がありました。
手に取るとなんと「館内マップ」!!
このコレクション展のためだけに建物の案内図がデザインされ、学芸員さんによる館内の説明が執筆されています。これをもらえただけでも行ってよかった…

館内マップ
白く抜かれているのは外光が差す窓のかたち。さらに開くと内側には各部屋の説明書きが記載。

因みに、ここに書かれている文章は、いまは公式のインスタやX(Twitter)にて館内の写真とともに投稿文にて掲載されています。

展示されていたコレクションについて

今回のコレクション展、何よりも学芸員さんの気概と愛を感じられるものでした。
王道の印象派たち、レンブラント、20世紀美術たち、コーネルのコレクション全17点、ステラのコレクション、現代日本美術に至るまで、圧巻の展示でした。最後に来れてよかったです。

最近は時代や特色を絞ってコレクションする美術館が多いなか、川村記念美術館は様々な時代の良い作品たちが揃っていたため、自分のなかの興味の引き出しとたくさん出会うことができました。
藤田嗣治の繊細さ、ロスコの没入感、シュルレアリスム絵画たちの面白さ、現代美術の大胆さ、、、ここで初めて出会い良さを知った作品が本当に多かったです。

以前に日本画コレクションのあった110室では版画・写真・ドローイングが壁を埋め尽くすように展示されていました。
日本画があった時はガラス展示で暗い部屋の印象だったのですが、今回天井近くまで作品が展示されていたことで改めて天井が高いことに気づけました。昔の高級感ある厳かな雰囲気から一変し、今回たくさんの作品が一堂に並べられた様は自分のお気に入りを探す楽しみもあって賑やかで楽しい展示でした。

200室 木漏れ日の部屋へ

素晴らしいコレクションを観ていき、ドキドキしながら2階へ。200部屋はリニューアル後の美術館で私が一番好きな部屋です。ここで2階へ上がるのも左右からの螺旋階段で先が見えないのがいいんですよね。


一番好きな左右に大きな窓のある部屋には、まさかの空っぽでした。。。

何を展示してくれるんだろうとワクワクしてた私はショックで…
しかし館内マップを読んで、その意味を知り、、、違う意味では感極まりました。

↓以下、抜粋↓

「〜当初バーネット・ニューマン《アンナの光》の真っ赤な絵画を展示するための計算された展示室であったため、「建物を作品に返す」意味を込めてあえて展示を行いませんでした。〜」

DIC川村記念美術館1990-2025 作品、建築、自然 『館内マップ』

ああ、前回来訪した際に一番気になって、でもどうしようもない、と納得しようとした気持ちが、、
(前回の記事はこちら↓)

実をいうと200室、私の大学ゼミの先生がリニューサルに携わった部屋でした。出来上がった時、先生、本当に嬉しそうに紹介していたもんなあ。
当時大学生だった私は、地元の美術館と自分の大学の先生が仕事をしてくれたことに嬉しさと誇りに感じていたことが懐かしいです。

建物の好きなところ

この美術館の造りで好きな箇所を何個か紹介します。(私は建築についてド素人です)

103室の窓•••レンブラント部屋の次にある抽象絵画が飾られていた部屋です。この部屋の窓がとても好きでした。
四角の窓でわずかな隙間が傾斜をかけて開いているおかげで、外光が部屋に入っても作品には当たらない工夫がされています。

B廊下•••110室の暗さに目が慣れたところで、開放的な中庭の見える廊下でした。子供の頃はここが一番好きでした。

C廊下•••ロスコルームへ行くための細長く狭い廊下です。目線の先には四角く縁取られた窓。木の根元だけが見える不思議な景色。でもそれが不思議と心地よく、風景が窓枠に切り取られた絵であるかのようです。静かな雰囲気が好きでした。

ホワイエから見えるエントランスの天井•••エントランスの吹き抜けとホワイエが繋がっているため、2階のホワイエからエントランス天井の装飾「光の花」をより近くで見ることができます。このランプシェードが大好きで、ホワイエの柵からよく見ていました。

『結び』

コレクション展の最後の壁に学芸員さんからの『結び』の言葉が掲示されていました。
思わず全部メモしたのですが、こちらには抜粋して記載します。

「〜作品と見る人の出会いを大切に、作品が発する言葉を解説という形で代弁するのではなく、作品自体に語らせる展示を心がけてきました。
 これにより、美術作品の表現する人間の感情や感覚、あるいは思考や意志に応答しようとするあなたの内なる声を先回りせずに、表出させることのできる余白を残すと考えてきたからです。そして何より、あなた自身が自分で発した内なる声を聴きとめる場となることを願ってきました。
 思えばこのような自由で成熟した場を目指して、34年もの間活動できたことは奇跡に近いかもしれません。〜」

DIC川村記念美術館 結び より

『結び』を最後まで読み、涙が溢れてしまいました。
たくさんの作品との出会いをありがとうございました、、、

美術館とは、との問いに胸がつまりました。ぜひ全文読んでほしいです。

ギャラリー展示「展覧会クロニクル」

美術館をあとにして、庭園歩いてすぐにある、第1・第2ギャラリーにて「展覧会クロニクル」という展示がされていました。
1990年の開館からこれまでに開催された企画展のポスター、チラシ、カタログを展示されていて、こちらは写真撮影OK

そしたら発見しました!2008年にリニューアルした当時のポスターと「ニューマン・ルーム」に《アンナの光》が展示されている様子が!!!

川村記念美術館 リニューアル2008 コレクション展示 ポスター

色彩は調整されてるけど、雰囲気だけでも味わえてよかったです。
いや、もう、最後にこれをみれて本当に嬉しい。。ありがとうございます。

ギャラリー併設のサンルーム

ギャラリーから美術館と庭園を眺めることができたスペース。視界が広く、木々の風景が四季で変わるので、心を休めるのに素敵な場所でした。

その後は庭園を散策。
白鳥が奥の沼地に2羽、噴水のある池に2羽いました。

白鳥
池の反対側から見たDIC川村記念美術館

春の花たちが咲く頃には閉まっていると思うと、寂しいですね。


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