最高のランチ場所を求めて熊野古道を歩く
ソロキャンプの2日目は、年に2回は歩きに来ている熊野古道を少し歩くことにした。
中辺路(なかへち)ルートは全踏破しているし、今回のメインはソロキャンプなので、熊野古道はおまけ程度。
ゆっくり寝過ぎて、キャンプなのに、テント泊なのに、早起きは三文の徳なのに、9:30まで熟睡してしまったので、昼から歩くことにした。
ゆるゆるの1日だ。
ランチは、昨日の夜にキャンプ場で炊いたごはんに、家から持ってきたシャケの荒ほぐしの瓶とゴマとふじっことセブンイレブンでもらったしょうゆを混ぜておにぎりを6個作った。海苔もジップロックにシリカゲルを入れて持ってきている。私はおにぎりには味付き海苔派、そして海苔はパリパリに限るで、な人だ。
おにぎりなんて、適当にスーパーやコンビニなど、どこででも買えるから買えばいいんだけど、私は、私の作るおにぎりが1番好きなので、またもヘッドライトをつけて夜のキャンプ場でひっそりとおにぎりを握ることを選んだ。
この6個のおにぎりを熊野古道を歩きながらどこか最高に気持ち良い場所で腰を下ろしてほおばる。
それが本日の唯一のミッションだ。
熊野古道は何度も歩いているので道は気楽に、絶景ランチ場所を求めて進むことにした。
ちょっと疲れているのでサクッと写真にて報告。

熊野古道のシンボル、神の使い、八咫烏(ヤタガラス)。
足が3本ある。足2本の普通の野郎の鳴き声に今朝は起こされた。神の使いでもなんでもない黒くてうるさい野郎だった。

道の駅で買った唐揚げと熊野古道の水。おにぎり6個に組み合わせる。シンプルに生きるってこういうこと。(ではないと思われる。)

道の駅の外のベンチで1回目のランチ。
以前歩いた果無山脈を見ながら。
あの山は、はてなし山脈の名の通り果てしなかった。しかし景色が素晴らしかったから、またコンディションの良い時に歩きたい。布団で温泉宿に寝泊りしている時に。今回は地面に寝袋で寝ている身なので、体中、少し痛いからハードな道はやめておいた。

突然思い立って決めたソロキャンプと熊野古道なので、いつもの行動食のりまきMIXを作る時間がなかった。
仕方なく、道の駅で買ったぼんち揚を、家にあったお菓子をかき集めたやつと現場でMIXする。今回は現場主義。
山登りの行動食はナッツなど、筋肉に何らかの働きかけをしてくれるものをチョイスするのがそもそもの行動食の意味だと思うけど、私の場合は、こつぶっこ(今回はぼんち揚)と芋のお菓子を主軸に選ぶ。栄養素は考えたことはない。ただの遠足のおやつ的存在。

いつもの変な顔のジップロックはやめて、今回はタイガーで買ったパンダ柄をチョイス。この袋、めちゃんこかわいくないですか?後ろ姿もいい。
なんでパンダ柄にしたかと言うと、和歌山だから。
こういうどうでもいいこだわりをするのが私。このこだわりが、私の旅を少し楽しくしてくれるのであります。

和歌山に行くならパンダに敬意を。

さて。
蘇生の森、熊野古道へ。
蘇りたい、何度でも。
やっぱりこの道はいい。
「いにしえーー!!」と、わけもなく叫びたくなるくらい古の時代から数多の巡礼者が歩いた道。
私自身は、キリスト教にしても神道にしても信仰心は特にないのだが、人が何かに信仰を持つということに興味があるし、歴史の深い道を歩くのが好きだ。歩きながら、帰ったら、パエロ・コエーリョの「星の巡礼」を久しぶりにまた読もうと思った。
歩くこと自体が信仰となるこの道。
スペインの巡礼路と熊野古道と、道の世界遺産としてはこの2つ。この2つは共通して、歩くと単純に気分が良い。

2回目のランチ場所候補を発見。三軒茶屋跡。
iPhoneで撮るのとカメラで撮るのと少し味わいが変わってしまう。iPhoneの広角で撮ると竹がしなり過ぎる気がする。


誰かさんが鎌倉で見た竹と、誰かさんが町田で見た彼岸花のコラボレーション。
旅は繋がっている。
その言葉が好きで、こういう時にふと心の中で唱える。誰かの旅と繋がる時もあるし、過去の自分の旅と繋がる時もある。そして誰かが繋いでくれる時もあるし、未来の私の旅に繋がっていることもあるだろう。(昨晩見た映画インターステラーの影響も少しあるのかも知れないけど、そう思う。)
2回目のランチ場所として申し分なかった。

発心門王子という場所から熊野本宮大社までの初心者向けのコースは2時間半ほどで歩き切ることのできる、ほとんど緩やかな下りの道。
立山縦走しちゃった私は、登り道がないことと、空気が薄くないこと、雨が降っていないこと、崖を登らなくていいこと、お腹の調子がすこぶるいいことで、随分と楽勝に感じながら熊野古道を歩くことができた。
アップデートしているな、私の体。蘇ってるやん、と褒めてやる。あとは痩せてくれれば言うことないぜ、とも伝えておいた。

真ん中に見える熊野川の側の大鳥居のある場所、大斎原。
大斎原(おおゆのはら)は、熊野古道の中で、熊野本宮大社よりも私が1番好きな場所だ。あそこで3回目のランチにしようかなと狙いを定めて歩く。

こういう道が続く。
スペインのガリシア州に入ってからの緑の多い道に少し似ている。ガリシア州でタコのプルポを食べたのを思い出しながら、タコの代わりにぼんち揚を食べながら歩く。
熊野古道を歩いていると毎回スペイン人やヨーロッパから来た旅人に出会うのだが、今回はさすがに出会わなかった。日本人も2人くらい。日本で異国からの旅人と出会って「コニチワ!」「オラ!」と母国語を交換した挨拶を笑顔でできる日はいつだろう。
本宮大社に到着し、お参りをする。
耐え忍んでいます。光を待ちながら。

そして、大斎原到着。

パワー感じるんだよな、ここは本気で。
大斎原の横の河川敷に登ってみると、自転車のタイヤみたいなヘビがいて、そこにいたおじさんがヘビの説明をしてくれ、ここの砂利道は長さ(か幅か何か)が日本一なんだよ、ブラタモリでやってたよ、と教えてくれた。それが何というヘビで、砂利道の何が日本一だったか聞き流してしまった理由は、熊野川がえげつないバスクリン色をしていたせいだ。
「何や、あの色は!」と声に出して驚いて、引き寄せられるように砂利道を進んだ。おじさん、すまない。

そこには誰もいなかった。

もうここで決まりだ。
私の本日のランチ3回目はこの熊野川の河原に決定。
絶景を独占できたので、ミッションコンプリート。

おにぎり6個も無事食べ終えた。
綺麗なこの色を熊野ブルーと名付けた。
インド、ラダックのパンゴン湖を思い出す。

キャンプ場へ帰るバスの中から川湯温泉を。
河原を掘るとお湯が出てくる川湯温泉は、私のお気に入りの温泉で、熊野古道を歩く時の私の定宿があるのだが、今回はテント泊なので通り過ぎる。冬に川湯温泉にまた戻ってこよう。今宵は渡瀬温泉のキャンプ場が我が家だ。
それにしても、川湯温泉の川までもが今日は熊野ブルーをしていた。いつもの色と違う。どんな条件であのブルーになるのだろうか。帰ったら調べてみよう。
綺麗なものを見ると心が洗われるわ。
なんて、深く考えずに使い古された消耗品のような言葉を、ひねくれ人間の私でさえまっすぐについ使いたくなるくらいの気持ち。
何とも爽快感が残る一日だった。
この日のランチは唐揚げとおにぎり6個とぼんち揚だけなのかって?いや、そのあとフルーツタルトをカフェで食べたり、メロンパンやソフトクリームを食べたりしたので、お腹は充分満たされている。
お野菜の代わりに、たくさんの緑を目から摂取したからヘルシー的に良しとする。

※バス待ちの間に勢いで書いたから、後で整理して少し書き足しました。
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