生ハムメロンは前菜です
1枚の写真から思い出されるもの。
2015年。
スペイン、ログローニョで私の38歳の誕生日をオランダガールズのエイファとエリナに祝ってもらった。
ニコラスとの出会いも大きかったが、この2人に出会えたことは本当に幸運だったと思う。
このニコラス、エイファ、エリナとはパリ、モンパルナスの駅から同じ電車、同じ車両に乗っていたところから始まっているので、物凄い縁を感じている。
「これからもずっとfamilyだよ!アムステルダムに来てね、日本にも行くから!」とエイファとエリナが言ってログローニョで別れた数年後、
私がアムステルダムに行き、彼女たちの家に居候させてもらって、ハイキングをしたり、いろんな話をしたり、一緒に泣いたり笑ったりした。
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カミーノを歩いている間は、大体自炊か、「menu de peregrinó (巡礼定食)」という安いコース料理ばかりよく一緒に食べていた。オランダガールズに、私の最終日だし誕生日だし、ちょっとええ感じのレストランで祝杯をあげようと言われて、入ったログローニョのCafé Moderno。
ここで、生まれて初めて、生ハムメロンを食べた。
噂には聞いていたが、生ハムメロンたるものは、セレブが食べるデザートとか、夜の町でシャンパンと一緒に嗜む勝者のおつまみと思っていたので、庶民の私は、「生ハムにメロンて合わへんし」「フルーツにハムはおかしいやろ」と食べたこともないのに勝手に言っていた。
そんな私の前に前菜として現れた生ハムメロン。
いや、Melón con Jamón だ。
巻いたりせずに大胆にびろんと乗せただけ。
さすがスペイン人だ。
日本人ならきっとこう盛り付けないと思う。
イタリアンレストランで1度だけ食べたことがあると言っていたエリナとエイファもこの大胆な盛り付けに驚き、3人でただただ爆笑した。
今振り返ると、生ハムメロンでこの日の爆笑スイッチが入ってしまったような気がする。

食べてみると、生ハムの塩気とメロンの甘さがちょうどいいバランスで、なかなか良かった。
食べ方がよく分からなくて3人で迷いながら食べた。ハムとメロンとは別々に食べるのが正解らしいが、メロンを切って生ハムを乗せて上品に食べた。
デザートではないんだなということは分かった。
スペインで食べる生ハム、ハモン・セラーノやハモン・イベリコはなんでこんなにも美味しいのだろう。日本の生ハムはマズすぎて食べる気がしない、私が安い店でしか食べていないせいかも知れないが。
もう生ハム食べに行くためにだけスペインに行きたくなるレベル。次に食べられるのはいつだろうな。
このあと、エイファが日本のカミーノ熊野古道について興味津々で聞いてきて、
エリナは欠けた皿で料理が来たり、食後のコーヒーをウェイターがこぼしたりしたのを笑い続けていた。
旅の間中、フラン(スペインのプリン)が食べたかったのに、巡礼定食でいつもことごとく、「売り切れです」とか「今日は作ってない」と言われてとうとう最後まで出会えなかったフランがデザートとして出てきた。
「やっと食べられる!」と3人で大騒ぎしたが、
そんなに美味しくはなかったからそれも笑った。
生ハムメロンから始まって、
フランで終わった誕生日ディナー。
笑い疲れて酔いもいつもの何倍も早く回った。
これ以降、一度も生ハムメロンと出会っていない。
今のところ、ログローニョでの3人の思い出の象徴。
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