秘密兵器は人気者
決してタラタラとやっている訳じゃない
それでもお猿コンビのお茶のお稽古はどうやら他の方のお稽古とは雰囲気が違うらしい
二人ともちゃんとしているはずなのに…
左利きの不器用者の私は特に…
むっちゃんは若い頃にお茶を習っているはずなのに
それでもむっちゃんはとても個性の強い人
時々おしゃべりが止まらなくなる
お師匠さんもお話し好き
春先にお師匠さんに言われてお世話になっている方にお茶のお接待のお手伝いをする
三人の掛け合いが楽しそうと
「私もそのお稽古に参加したい」言われたのは確か初めてのお接待をした時のことだった
不器用者の私なんて、お茶を出す手元がふらふらしてる
でも少しずつ、少しずつお茶を出すときの所作にも慣れて来る
お茶のお稽古も実はまだ社中の他の方とは別の日にこっそりとひっそりとお師匠さんはやってくれている
お師匠さんはまだまだヒヨコのようなお猿コンビをしっかりと育てて行こうと思っているようである
ちょっと特別扱い?というか、お稽古が出来ていない
私は今の社中では一番の不器用者(自慢出来ることではないけれど…)とお師匠さんから言われている
むっちゃんは昔々にお茶を習っていたから、本当はもっと出来るはずなのに私と同じように進めてくださいとお師匠さんにお願いしているようだった
むっちゃん、優しすぎ
ただ少しずつお稽古は進んでいる
もう少ししたら炉のお稽古に変わるようだ
私はいつもお点前を二回する
二回すると二回目には慣れて来る
だからあんまり多くの人とお稽古をしたくない
むっちゃんと二人がいい
ところが先日、お師匠さんは月に一回開かれる道玄坂のお稽古に通われる似たようなレベルといわれるマキさんを呼んで、三人でお稽古をしましょうと言われる
お師匠さんへのお返事は「はい」しかない
まぁいいか…
その時は盆略点前で柄杓を使う変則的なお稽古であった
むっちゃんもマキさんもがなんとか柄杓を操っているのに、私は柄杓に遊ばれている
左利きはお茶には不向きである
よちよち歩き子供のように、少し進んでは転んで、立ち上がる感じだろうか
やっぱり一人前になるのは二十年かかるのか
そんなことを思っていると
お師匠さんはお稽古が終わった後にマキさんに
「来月もこの二人と一緒にお稽古をしますか」と聞いている
マキさんは「はい、お願いします」と返事をする
本当は人様にお見せ出来ないお猿コンビのはずなのに
秘密兵器のはずなのに
いつの間にか一緒にお稽古をしたいと言われるようになる
もうかなり長くお稽古を続けている姉弟子さんにも来月は仕事がお休みだからと、お稽古を一緒にさせて欲しいとお願いされている
その姉弟子さんからは
「秘密兵器はいつか秘密兵器ではなくなるからね」とも言われていた
いつまでも秘密兵器ではいられないのか
ちょっとさみしい

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