メディアが報じないウクライナ戦争の裏側⑨ ~スラブ民族を憎悪する人達~
【前回⑧の内容】
ロシア人もウクライナ人も民族的には同じスラブ民族である。パート①~⑧で見てきたロシアとウクライナの戦争とは「スラブ民族同士が互いに憎しみ合って殺し合う戦争」と言い換えることができる。
では、この戦争によって利益を得たのはどこか?それは間違いなく軍需産業企業である。第1次トランプ政権下の4年間ではアメリカが新たに始めた戦争は1つも無かったが、バイデン政権発足後1年足らずで、世界各国から集まった支援金を原資に、膨大な兵器・武器・弾薬をウクライナに売り付けることに成功した。
アメリカには軍需産業企業と政治勢力が結びついた「軍産複合体」という勢力が存在することがよく知られているが、その代理人として「スラブ民族を激しく憎悪するという共通項を持つ人達」が、ロシアとウクライナの間に戦争が始まるようにシナリオを書いた可能性は無視できない。
最終回⑨では、その代理人たちについて解説する。
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1.アントニー・ブリンケン国務長官
アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)は、2021年1月20日に誕生したバイデン民主党政権下で「国務長官」を務めたウクライナ系ユダヤ人である。

ブリンケン家は、祖父モーリスの時代に、スラブ人によるユダヤ人虐殺(ポグロム)から逃れるためにキエフから米国NYに移住してきた一族である。
アントニーの父ドナルドは、NYウォール街の銀行家で、クリントン民主党政権下で駐ハンガリー大使を務めた。
また、ドナルドの弟(アントニーの伯父)アランは、同政権下で駐ベルギー大使を務めており、ブリンケン家は外交官一族である。

(右)アラン・ブリンケン 駐ベルギー大使(1993/07/25~1997/12/27)
クリントン政権下の1991年からユーゴスラビア紛争が始まったが、ベルギーにはEU本部が置かれており、またユーゴスラビアはかつてのハンガリー帝国領であったことから、ベルギーとハンガリーはユーゴスラビア紛争における最重要国であった。なお、ユーゴスラビアとはセルビア語で「南スラヴ人の国」という意味である。

そのベルギーとハンガリーの特命全権大使に、外交経験も政治経験もゼロのウクライナ系ユダヤ人のブリンケン兄弟を推したのは、当時アメリカ国連大使だったマデレーン・オルブライト(Madeleine Albright)と言われている。

第20代アメリカ国連大使(1993/01/27~1997/01/21)
第64代アメリカ国務長官(1997/01/23~2001/01/20)
オルブライトは東欧チェコスロバキアの出身で、彼女が11歳だった1948年に共産主義革命を逃れて米国NYに一家で亡命してきた。彼女もまたナチスのホロコースト、スラブ人によるポグロムから逃れてきたユダヤ人である。
そして1993年、アントニー・ブリンケンはNYの法律事務所から国務省欧州局に転職した直後の31歳という若さで、クリントン大統領のスピーチライターに抜擢されている。
いくらブリンケンが優秀でも、外交経験も政治経験も無い素人がいきなり大統領のスピーチライターになることは、特別なコネでも無い限り、絶対に不可能である。この人事を実現したのもオルブライトだったと言われている。
オルブライトは1997年に女性初のアメリカ国務長官に就任すると、強硬な外交政策を主張して、NATO軍による空爆がユーゴスラビア全域をターゲットとする一方的で虐殺的な攻撃となるよう主導的な役割を果たした。
コソボ紛争は、しばしば「マデレーンの戦争(Madeleine's war)」とも呼ばれるが、オルブライトによるユーゴスラビアへの苛烈な仕打ちの背景には「東欧出身のユダヤ人が抱くスラブ民族への怨嗟」があったと言われている。
その後アントニー・ブリンケンは、オバマ政権下において
・バイデン副大統領の国家安全保障担当補佐官(2009年~2013年)
・オバマ大統領の国家安全保障担当副補佐官(2013年~2015年)
・国務省副長官(2015年~2017年) と、
驚異的なスピードで出世街道を駆け上がり、ウクライナ侵攻1年前の2021年にバイデン政権下の「国務長官」にまで登り詰めた。

(朱丸が アンソニー・ブリンケン)
2.ヴィクトリア・ヌーランド国務次官補
ヴィクトリア・ヌーランド(Victoria Nuland)は、2021年に誕生したバイデン民主党政権で、ブリンケンの部下として「国務次官(政治担当)」を務めたウクライナ系ユダヤ人である。

(左)2005年 (右)2024年
オバマ政権下では国務次官補(欧州・ユーラシア担当)として2014年2月のマイダン革命で暗躍していたが、その後トランプ政権時代では民間に下野してブルッキングス研究所の非常勤研究員、オルブライト・ストーンブリッジ・グループの上級顧問などを務めていた。
2021年に民主党が政権に復帰すると「国務次官」に出世して返り咲いた。


ヌーランドは、ロシアのプラウダ紙に本人が語ったように、1984年にソ連の漁船に半年間も乗船して80人ものロシア人と共同生活を送った経験を持つほどのロシア専門家である。
彼女の夫は、1987年に結婚したロバート・ケーガン(Robert Kagan)である。ケーガンは東欧リトアニア系ユダヤ人で、ネオコンの代表的な論客として知られている。

ネオコンとは「ネオ・コンサバーティズム」の略で、自由主義・民主主義・グローバリズムを理想に掲げ「自由と民主主義は人類普遍の価値観である」として、その啓蒙と拡大を目指す政治イデオロギーである。
ネオコンは「好戦的な保守主義」を標榜し、国益よりも理想を優先して「自由主義や民主主義のためならば武力介入も辞さない」とする、その過激な姿勢に特徴がある。
1980年代頃から、ネオコンは、共和党の支持母体だった軍産複合体に近づき、湾岸戦争・イラク戦争・アフガン戦争などを推し進めて、世界中に紛争を撒き散らした。
ネオコンの起源は、世界同時共産主義革命を目指すトロツキズムにあり、ソ連崩壊後もスターリンを称揚するロシアに強い反感を抱く者が多い。
ケーガンも2006年の著書において「ロシアと中国が、自由主義が今日直面している最大の課題」と述べている。

ヌーランドは、2001年にオルブライトの後を引き継いで、ユーゴスラビアの親露派のミロシェヴィッチ大統領を追い詰め「アルバニア系住民に対するジェノサイド」という汚名を着せて、獄中死させるのに中心的な役割を担った。
また②で記載したように、ウクライナにおいては、マイダン革命を扇動し、親露派のヤヌコヴィッチ大統領が失脚・亡命するように暗躍した。

3.マーク・ブレジンスキー駐ポーランド米国大使
マーク・ブレジンスキー(Mark Brzezinski)は、バイデン民主党政権下で「駐ポーランド米国大使」を務めた東欧ポーランド系ユダヤ人である。

マークの父はズビグネフ・ブレジンスキー(Zbigniew Brzezinski)であり、リンドン・ジョンソン政権、ジミー・カーター政権の2代に渡って民主党大統領に仕え、徹底的な「ソ連の封じ込め」を主導した外交官である。

ブレジンスキー家は、かつてのポーランド領で1991年からウクライナ領となっている「ベレジャニ(Brzeżany)」という小都市を統治していたポーランドの名門貴族である。
ベレジャニは、第2次世界大戦のなかで、ナチスの迫害から逃れてきたユダヤ人が集住するシュテットルとなり、ドイツ人・ロシア人・ウクライナ人から連続的にジェノサイドを受けるという、悲劇の歴史を抱えた街である。
ポーランドには過去の歴史的経緯からユダヤ人が多く住んでいたが、そのポーランドは1939年にドイツとソ連から侵攻されて領土が分割された。
そして、ユダヤ人を含む多くのポーランド人が捕虜としてソ連領内に連れ去られた挙句、1940年には「カティンの森」で2万5000人の無抵抗のポーランド人が、ソ連のスターリンの命令によって大虐殺されている。
こうした経緯から、ポーランド貴族の祖先をルーツに持つユダヤ人のブレジンスキー家は、スラブ民族に激しい憎しみを持ち続けているという。
コロンビア大学の教授だったズビグネフ・ブレジンスキーが指導教官を務めた教え子の1人が、クリントン政権下でユーゴスラビア空爆を強硬に主導したマデレーン・オルブライトであった。
ロシアによるウクライナ侵攻開始後の2022年3月26日、バイデン大統領とブリンケン国務長官は、ズビグネフの息子マークが大使を務めるポーランドを訪問し、ウクライナの外相・国防相とロシアへの対応を協議した。
そして翌日27日、バイデンはポーランドで行った演説で「プーチンを権力の座から引き摺り下ろさねばならない」と、つい本音を漏らしてしまった。
国際的な常識に照らして、いくら超大国アメリカの大統領であっても「その国の民衆が選挙で選んだ指導者」を引き摺り下ろす、と表現するのは無礼で傲慢な発言である。
あくまで推測にはなるが、前夜ブリンケンやブレジンスキーと3人で「ロシアの今後」について協議した内容を、勢い余って、つい語ってしまった可能性は捨てきれない。
4.ゼレンスキー・シュミハリ・コモロイスキー
⑥および⑧で見たように、第6代ウクライナ大統領ゼレンスキー(Zelenskyy)も、東部ドニエプロ ペトロフスク出身のユダヤ人である。

そして、2020年3月4日からウクライナ首相を務めているデニス・シュミハリ(Denys Shmyhal)の西部リヴィウ出身のユダヤ人である。

さらに、アゾフ大隊のスポンサーでゼレンスキーを大統領に押し上げた大富豪のイーホル・コロモイスキー(Igor Kolomoisky)も、東部ドニエプロ ペトロフスク出身のユダヤ人である。

この3人のウクライナ系ユダヤ人は、ネオナチ勢力のアゾフ大隊を使って、東部ドンバス地方において、ロシア系ウクライナ国民の迫害・虐待・虐殺を執拗に繰り返して、プーチンを挑発し続けてた。その結果が、2022年2月のウクライナ侵攻の開始である。
5.ラーム・エマニュエル駐日米国大使
ウクライナ戦争には直接関与していないが、ラーム・エマニュエル駐日米国大使も、ウクライナのオデッサからポグロムを逃れてパレスチナに亡命した先祖を持つ、東欧系ユダヤ人である。
ラーム・エマニュエルは、オバマ政権の発足当初、大統領首席補佐官として、バイデン副大統領と共に対ロシア政策など外交全般にも深く関与したが、オバマ政権8年間の米露関係は「戦後最悪」と言われるほどの状態となった。

【最後に】
本マガジンは「事実を列挙する」ことを重視し、主観や意見を極力排除するよう努めているため、最後の結論においても、筆者の推論や意見は述べないこととする。
だが、これら登場人物の出自、スラブ人に対する感情、これまでの言動など、あらゆる情報を並べて、虚心坦懐に眺めてみれば「メディアが絶対に報じないウクライナ戦争の裏側」が見えてくるのではないだろうか。
メディアの言い分を鵜呑みにせず、正しい情報を得て、読者一人ひとりが、自ら仮説を立てて結論を出してくれることを願っている
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