メディアが報じないウクライナ戦争の裏側⑥ ~アゾフ大隊を育てた勢力~
【前回⑤の内容】
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1.政商オリガルヒと腐敗大国ウクライナ
アゾフ大隊にとって最大のスポンサーと言われているのが、ウクライナ政商オリガルヒのイーホル・コロモイスキーである。

政商オリガルヒとは、ソ連崩壊後の混乱に乗じて国有財産を私物化し財を成した、超巨大な新興財閥のことである。
マイダン革命で失脚した親ロシア派のヤヌコヴィッチ大統領も、マイダン革命後に就任した親欧米派のポロシェンコ大統領もオリガルヒの1人である。

また、マイダン革命後に釈放された元首相のユーリヤ・ティモシェンコも「ガスの女王」と呼ばれていたオリガルヒの1人である。

ユーリア・ティモシェンコ元首相
ウクライナは、ソ連からの独立直後からオリガルヒが国家を私物化して政府権力を牛耳るようになり、政商オリガルヒと官僚・役人が癒着して汚職・賄賂・買収が平然と行われる「世界で最も腐敗した国」の1つとなっている。
世界各国の汚職による腐敗度数を示す「腐敗認識指数」において、2014年のウクライナは100点満点中の26点しかなく、ロシアの27点よりも低いほど汚職が蔓延していた。
2.アゾフ大隊スポンサー コロモイスキー
オリガルヒの1人であるコロモイスキーは、ウクライナ・イスラエル・キプロスの三重国籍を持つユダヤ人であり、ソ連崩壊後に銀行・鉄鋼・空運・エネルギー・マスメディアで財を成し、2012年のフォーブス誌ではウクライナで第3位の大富豪と報じられている。
2014年3月からドンバス戦争が始まると、コロモイスキーは1000万ドルをかけて私兵部隊のドニプロ1連隊を創設し、アゾフ大隊、アイダール大隊、ドンバス大隊などの「親ロシア勢力と戦う民兵組織」に多額の資金を提供した。またロシア派の破壊工作員に私費で懸賞金を出す等も行っている。
コロモイスキーが支援した極右民族主義者の民兵部隊が、ドンバス地域で数々の「戦争犯罪」を犯してきたことは有名であり、2014年7月にはロシアが「民兵支援を通じて民間人の殺害を扇動した罪」でコロモイスキーに逮捕状を発行している。
コロモイスキーは、私兵や私財を差し出してドンバス戦争に協力した功績を買われて、ドニエプロ ペトロフスク州の知事に任命された。

しかしその後、ポロシェンコ大統領との関係は悪化し、2015年3月に州知事を解任された後、2016年12月にはコロモイスキーが所有していたプリヴァト銀行が国有化されるなど、ポロシェンコと激しく対立するようになった。

そして、コロモイスキーが所有するテレビ局「1+1メディアグループ」で、コメディアン・映画俳優として活躍し、連続ドラマ「人民の奉仕者(Servant of the People)」で大統領役を演じて国民的人気者となったのがウラジミール・ゼレンスキーである。



ゼレンスキーは、コモロイスキーと同様にウクライナ系ユダヤ人である。2019年5月、コモロイスキーの政敵ポロシェンコを破って、第6代ウクライナ大統領となった。
3.アゾフ大隊による民族浄化
政商コロモイスキーから資金を提供され、内務大臣アバコフの庇護を受けて国家親衛隊となったアゾフ大隊は、2017年に社会団体「民族親衛隊」を結成し、退役兵を送り込んで「テロ取り締まり」という名目の下、ロシア系ウクライナ住民の「民族浄化」を継続してきた。
2015年2月にミンスク2が合意された後、ウクライナ正規軍は東部地域での武装解除を行ったが、義勇兵ネオナチ部隊は、警察を補佐して、民間人が街頭パトロールを行うことが合法とされている法律を悪用して、その後もロシア系住民への執拗な攻撃を繰り返した。
ドンバス地方では2014年からの8年間で1万4000人のロシア系ウクライナ住民が「ウクライナ東部における対テロ作戦(ATO)」によって、みずからの政府の手で殺害・虐殺されたと言われており、ヒューマン・ライツ・ ウォッチも繰り返し、アゾフら民兵団による民間人虐殺を指摘し続けてきた。
日本の公安調査庁も「ウクライナのアゾフ大隊は国際テロリスト集団である」との警告をホームページ上に掲載していたが、ロシアによる侵攻開始後にアゾフ大隊の存在が一部の人たちに注目されるようになると、大人の事情で、記載を削除した。
4.アゾフ大隊に軍事教練を施したCIA
アゾフ大隊に、反ロシア活動の一環として、2014年から武器や戦車を供与し軍事教練を施してきたのは、アメリカ中央情報局(CIA)である。

CIAは、ウクライナ東部の前線に軍事顧問を送り、ロシア国境沿いに12か所の秘密基地を作り、ウクライナ政府の諜報機関を支援してきたことが判明している。
【⑦に続く】
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