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甘くて美味しい大福餅の特許

【稼ぐ経営者のための知的財産情報】
 平成23年より桑名市で特許事務所を開業しております。
 特許・意匠・商標の出願をお考えなら坂岡特許事務所にお任せ下さい!
 
 弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
 今回は、「甘くて美味しい大福餅の特許」をお伝えします。

1.ネットニュースにて


 先日、ネットニュースで「プリン大福」という商品を見ました。
 イチゴ大福は知っていますが、プリン?と思ってしまいました。
 
 「これは特許が出願されているのだろうか?」
 そんな素朴な疑問から特許検索をしてみました。
 
 ところが、意外にも「プリン大福」そのものは見つかりませんでした。
 
 その代わりに見つかったのが、大福に関する様々な特許や実用新案です。
 調べてみると、昔から多くの人が「新しい大福」を真面目に考えてきたことが分かります。
 
 なお、今回は定番の「イチゴ大福」は取り上げておりません。
 イチゴ大福については、下記リンクより私の過去記事をご覧いただけると幸いです。
https://note.com/norio_sakaoka/n/nc88729f4b9b4

2.特許分類


 さて、いつものように特許分類を紹介します。
 今回は、少しプロっぽく(笑)、あえて「大福餅」というテキストは使わずに検索してみます。
 (実際に有料で特許調査をご依頼いただく場合は、キーワード検索だけではノイズが入ったり、逆に目的の文献が漏れたりすることがあります。そのため、特許分類を中心に検索することが多いです。一方、ブログ記事を書くときは、時間短縮のためにキーワード検索を使うこともあります。)
 
 (1)FI
 【A23G 3/34 106】
A 生活必需品
A23 食品,食料品または非アルコール飲料;それらの調製,処理または保存
A23G ココア;カカオ製品,例.チョコレート;ココアまたはカカオ製品の代用品;菓子;チュウインガム;アイスクリーム;それらの製造
A23G 3/00 糖菓;菓子;マジパン;被覆物または詰物製品
A23G 3/34 ・糖菓,菓子またはマジパン;その製造過程
A23G 3/34 106 ・・あん,汁粉,餅菓子または最中
 
 (2)Fターム
 テーマコード 4B014  菓子 (カテゴリ:食品)
 GE00 形状・構造・容器
 GE01 ・形状・構造
 GE02 ・・多層
 GE03 ・・・全体被覆
 
 GG00 原料
 GG01 ・穀類
 GG02 ・・小麦粉
 GG03 ・・米粉
 GG04 ・・とうもろこし
 
 (3)検索式
 上記の太字のFIとFタームを組み合わせて、次の検索式を作りました。
 A23G 3/34 106 & 4B014 GE02. & 4B014 GG01.
 
 結果、160件ほどヒットしました。
 今回は、その中でも特に印象に残ったものをご紹介します。
 

3.生クリーム大福 特公平05-008654¹


 生クリーム大福は、今では当たり前。でも当時は発明だった
 最初に紹介するのは、生クリーム入り大福の製造方法です。
 
 今ではコンビニや和菓子店でも普通に見かける生クリーム大福ですが、当時は「どうやって生クリームを包めば形が崩れず、おいしく食べられるか」という製造技術が特許になっていました。
 その技術とは、泡立てた生クリームに、泡立てない生クリームを混合して、それを大福の中に充填していたのです。

 今では当たり前の商品ですが、その陰には『クリームが流れにくく、しかも口当たりが良い』よう工夫した技術がありました。
 そんなことを改めて感じさせてくれる特許です。
 

4.ぶどう大福 特許第3586947号²


 ぶどう大福は、実は中身だけではなかった
 次に面白かったのが、「ぶどう入り菓子」の特許です。
 
 「ぶどうを餅で包めばいいだけでは?」
 
 と思ってしまいますが、この特許では、
 ・中心に皮付きぶどう
 ・その周囲にこし餡
 ・さらに餅
 ・最後に落雁
 という四層構造を採用しています。
 
 単に材料を組み合わせるだけではなく、ぶどうの風味を生かしながら食べやすくする工夫が盛り込まれています。
 【図1】

 食品の特許はレシピだけではなく、「どう組み合わせるか」まで技術になる好例です。 

5.山芋大福 特許第5305407号³


 製法そのものを特許にした山芋大福
 続いては、大福餅の製造方法に関する特許です。
 
 特徴は、中に入れる山芋4を波形にカットすることです。
 山と谷の間隔や深さまで細かく規定し、表面処理を行ってから包餡することで、食感や製造性を向上させています。
 
 この文献では「何を入れるか」だけでなく、「どう作るか」で権利を取得している点に目が行きました。
【図1】

 食品分野では、このように製造方法が特許になることも少なくありません。
 『何を入れるか』ではなく、『どう作るか』が特許になる典型例といえるでしょう。 

6.三色カレー大福 実用新案登録第3098451号⁴


 思わず二度見した「三色カレー大福」
 検索していて思わず笑ってしまったのが、登録実用新案の三色カレー大福餅です。
 
 甘いこし餡にカレー粉を混ぜ、辛さの違いを三色で表現するというアイデアです。
 図では符号1がカレー粉とこし餡を混ぜたものです。
 
 発明者は「甘さ一辺倒ではない新しい味覚」を目指したようですが、
 「これは和菓子なのか、カレーなのか。」
 と思わず考えてしまいました。
 【図1】

 実際に食べてみたいような、少し勇気がいるような……そんな発明でした。 

7.納豆大福 特開2000-50809⁵


 最後は衝撃の「納豆大福」
 
 そして今回、一番驚いたのが公開公報の納豆大福です。
 納豆だけではなく、ジャムなどの甘味も一緒に入れて食べやすくするという発想です。
 【図2】

 納豆が好きな方なら挑戦してみるのもいいかもしれません。
 餅はもち米から作られていますので、ご飯と納豆が合うように、意外と相性は悪くないのかもしれません。 

8.まとめ


 今回は「プリン大福」の特許を探してみましたが、それらしい出願は見つかりませんでした。
 
 しかし、その代わりに、
 ・生クリーム大福
 ・ぶどう入り大福
 ・山芋を使った大福
 ・三色カレー大福
 ・納豆大福

 
 など、「こんなものまで特許になっているのか」と思うような技術がたくさん見つかりました。
 
 特許というと機械や電子技術を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、食品の世界にも多くの知恵と工夫が詰まっています。
 実際に商品化されて定番になったものもあれば、検索して思わず二度見してしまうようなアイデアもありました。
 
 和菓子屋さんで新しい大福を見かけたら、「これは特許になっているのかな?」という視点で眺めてみるのも、意外と面白いかもしれません。
 
 この記事が御社のご発展に寄与することを願っております。
 
引用
¹西村雅行,生クリーム入り大福の製造方法,特公平05-008654.
²株式会社石和観光会館,ぶどう入り菓子,特許第3586947号.
³須田純夫,大福餅の製造方法及び大福餅,特許第5305407号.
⁴佐藤 登美子,三色カレー大福餅,実用新案登録第3098451号.
⁵高橋政子,納豆大福,特開2000-50809.
 
坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
 
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