メープルシロップでがんが治る?
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:いい話は信じてはいけない。フェイクの時代だが、フェイクはAIだけではない。騙されないためには、人間を知ることだ。
フェイクはAIだけではない
僕はこれからの時代、AIの時代と言っていいのかもしれませんが、最も重要なスキルは、「人間の本質を理解するスキル」ではないかと思うんです。
ディープフェイクなどの事実を曲げる技術が発達し、ますます真実とフェイクの違いがわからなくなっている時代に必要なのは、人間の弱さを知ることではないでしょうか。
例えば痩せたいと思っている僕や貴女は、「これで痩せる」などのフレーズに飛びついてしまうでしょう。
お金持ちでない僕は、「半額」、「いまだけ80%オフ」などと言われると、即買いだ、などとなりやすいです。

その時、冷静さはどこかに行っているのです。
「健康にいい、コーティングなしの鍋がいまだけ半額」に騙されたことはご報告しましたよね。
何でもビジネスなんだ、が真実
人間の本質を知る、心得の一つが「耳障りのいいことを信じない」ことです。
先程の続きにもなってしまいますが、
例えば世にあふれる「◯◯はガンに効く」は眉唾です。
最新号のニューヨーク・タイムズの記事の見出しにこんなのがあります。
「大げさすぎて信じられない”健康にいい食品” (Health benefits are being extolled that maybe too sweet to be true)
この記事は「メープルシロップがガンに効く」という科学者の言説について、裏話をしているのですが、最近は製品の研究開発を担当する科学者がその製品のプロモーションもやっていることが多いのです。
なぜなら、トランプが気に入らない製品開発へのファンドをストップしているからです。
科学者も食っていかなくてはならず、研究結果を誇大に強調して、本当はホットケーキにメープルシロップをかけたくらいでは、ガンには効かないのですが、思わずフェイク的なことを言ってしまうのです。

記者がその科学者に問い詰めると、ガンに効かせるには、何トンのメープルシロップをかけなければならないことがわかりました。
トランプがいなくても、食品の栄養リサーチはファンド(資金提供)が企業や政府から科学者に供されることが多いのです。
ロード・アイランド大学(Rhode Island University)のナビンドラ・シーラム博士(Nafindra Seeram)の場合は、260万ドル(3億9千万円)のファンドがついています。
だから博士が「メープルシロップがガンに効く」と言ってしまったのも、責められない、いや、それが人間の本質なのだ、と理解できます。
出来レースというフェイク
フェイクと現実がどんどんわからなくなってきています。
でもそれはAIの世界だけではありません。
ネットじゃなくても、あなたは騙される可能性があります。
もう一度言います、人間というものの弱さを知ることです。
どんないいひとでも食い詰めたら、ウソをつくかもです。
食い詰めなくても、スポンサーの紐付きの研究を引き受けたら、スポンサーが喜ぶ結果を出すのが人間です。
大昔ですが、こんなことを聞いたことがあります。
あるコンサルタントが、ある大企業から、大型案件を引き受けました。
この市場に参入して成功するか、を教えてほしい、というものでした。
しかし、これは第三者の認証を得ることが、企業の本当の狙いだったのです。
そのコンサルは、その方向で報告書を完成させたというのです。
信じる、信じないはあなた次第です。
野呂 一郎
清和大学教授
