♠︎28 「まだなの?」の前にある気持ち
春の朝
5歳のAくんは
園庭の入り口でじっと立っている
妹を2階へ送ったママを
ただ静かに待ちながら
「先にお支度しておいてね」
そう言われているけれど
タオルもかけず
リュックも背負ったまま
やがてママが戻ってくると
「まだなの?早くしてって言ったでしょ」
その声でようやく動き出す
その様子を見ていた後輩保育者がぽつり
「もう5歳だし
ひとりでやるよう促すのも
何も言わずに見守るだけと言うのも」
そのぽつりと言った言葉に
先輩保育者が答えた
「両方とも違うよね」
少しAくんの姿を見ながら先輩保育者が
「もしかしたら
ママを待ちたい気持ちがあるのかもね」
「だからまずはその気持ちを受け止めながら
やさしく関わっていこう」
「それと
おうちの人にもその気持ちを伝えたいね」
Aくんは今日もママを待っている
その時間の中には
“一緒にいたい”という気持ちが隠れているのかもしれない
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