学校に行かない「わたし」とキャリアコンサルタントの「わたし」が出会う話。
キャリアコンサルタントの勉強を始めてから、
これまでの自分を肯定し、元気づけられる
ようになりたいと思いました。
興味があること、やってみたいことが
浮かんだ時にはいろいろな方法があるよ。
あなたが悩んだり、目標を叶えるために
試行錯誤する過程は、実はとても大事な力を
育てる機会でもあるんだよ。
もしもそう伝えられたなら、不登校だった頃の
わたしはどんなことを感じたのかなと思います。
例えば「フリースクールに通うかどうか」
と悩んでいた10代前半。
「新しいともだちが欲しい」と思った時、
いくつかの選択肢が浮かびました。
学校に戻る
行事やクラブ活動だけ参加する
転校する
フリースクールに通う
1・2・3はしっくり来ず、
4は詳しい情報がありません。
家族に相談し、情報を集めてもらうことに。
当時は遠方にしかフリースクールがなく、
月々の費用も予想よりも高額でした。
おまけに、不登校=迷惑をかけている
と思い込んでいたので両親に高いお金を
出してもらうことに抵抗がありました。
もしもあの頃のわたし(CL=相談者)と
現在のわたし(CC=キャリアコンサルタント)が
出会えたなら、と想像してみると・・・・・
CC「新しいともだちが欲しいの?」
CL「一緒に話したり遊べるともだちが欲しいけど、フリースクールは結構
お金がかかるし、どうしたらいいだろう」
CC「もし、お金があまりかからない方法があったとしたら?」
CL「行ってみたいかも」
CC「ともだちと話したり遊べるなら、フリースクールでなくてもいい?」
CL「自由に過ごせる場所はいいなあ。でも、みんなと一緒に体育や音楽の
授業を受けるのも楽しそう。調理とか実験とかもやってみたい」
こんな会話になったかもしれないと考えました。
「そもそもキャリアコンサルタントってなに?」
という方、ご説明が遅れてすみません。
「仕事を含めたひとりひとりの生き方・人生」
=(キャリア)について広く相談を受け、
一緒に強みや価値観を整理するお手伝いをし、
情報提供等をしてくれる国家資格者のことです。※1
話すことや質問に答えることで、相談者さんの
想いが明確になってきました。整理してみると、
・新しい友達は欲しいが、お金がかかるのは嫌。
・自由に過ごせる場所に魅かれる。
・みんなと(主に副教科の)授業も受けてみたい。
ということが分かりました。
整理の次はキャリアコンサルタントとして
相談者さんに「情報提供」をしようと思います。
◆フリースクール助成金◆
東京都フリースクール等利用者等支援事業(助成金)
フリースクール等に通う不登校の義務教育段階の児童生徒の保護者を対象に、フリースクール等の利用料に対して、月額最大2万円の助成金を支給します。なお、助成金の支給を受けるには、申請の上、申請書類の審査を経る必要があります。
他にも自治体によって助成金が出る
場合があり、大阪市ではこんな助成も。
◆大阪市習い事・塾代助成事業◆
市内在住のすべての小学5年生から中学3年生を対象として、学習塾や家庭教師、文化・スポーツ教室など(オンライン学習塾などを含みます)の学校外教育にかかる費用を月額1万円を上限に助成します。
ともだちを作ったり一緒に学ぶ場所を
フリースクールに限定せず「習い事」を
始めてみるのも良いかもしれません。
◆夜間中学で学ぶ◆
○様々な事情からほとんど学校に通えず、実質的に十分な教育を受けられないまま学校の配慮等により中学校を卒業した者のうち、改めて 中学校で学び直すことを希望する者(入学希望既卒者)の受入れ (平成27年7月30日付「義務教育修了者が中学校夜間学級への再入学を希望した場合の対応 に関する考え方について(通知)」) ○不登校の学齢生徒について、本人の希望を尊重した上での受入れも可能 (平成28年9月14日付「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」
不登校等で授業を受ける機会が少ないまま
中学校を卒業した方は、希望すれば
夜間中学校で学ぶことも出来ます。
現在不登校をしている中学生の方が通える
全国初の夜間中学も香川県で始まりました。
夜間中学は通う方の年齢の幅が広く、
外国籍の方も多く学んでおられます。
情報提供の次に「今のわたし」が考える
キャリアコンサルタントとして出来ることに
「提案」があります。
◆家族と話し合ってみる◆
家族に迷惑をかけていると感じていて、フリースクールに通うことに費用面での抵抗がある。でも、ともだちが欲しい。
こんな気持ちがあることを勇気を出して、
ご家族に伝えてみるのはどうでしょう、と
提案してみます。
ご家族もお子さんがどんな気持ちでいるのか
知りたいけれど、なかなか聞く機会がない
場合もあります。
話すだけ・話してもらえるだけで、互いに
新しい気づきや発見があるかもしれません。
◆情報収集の方法を考える◆
「遠方にしかフリースクールがない」時には、
オンラインやアバターで学習する方法もあります。
自分の納得いく答えを見つけるための、
やり方をたくさん考えてみようと提案します。
インターネットで検索する?
図書館で調べてみる?
相談出来る機関を探す?
家族や友人に尋ねてみる?
希望する条件を整理してみたり、
「他にもっと良い方法はないかな?」と
広い視点を持って諦めずに探してみると、
新しいものに巡り合えるかもしれません。
◆啓発的経験◆
「啓発的経験」➡実際の体験を伴った「自己理解」「社会理解・職業理解」に役立つ経験。
学校では職場体験や職場見学などが行われ、
進学の際にも学校見学に行きます。
「これに決める!」という答えを出す前に
実際にやってみるのが啓発的経験です。
フリースクールや習い事には無料体験があったり、
ボランティア活動を始めるのも、ともだちと
出会えるきっかけになるかもしれません。
啓発的経験をしてみませんか、と相談者さんに
提案してみるのはどうかなと考えました。
・・・・・と、こんな風なやりとりをするのが
キャリアコンサルタントのお仕事のひとつです。
社会人からの相談の他に、学生さんから相談を
受ける機会もあります。
「キャリア」には仕事を含めた
「人生や生き方」という広い意味があります。
さらに文部科学省では学校における
「キャリア教育」という取り組みを行っています。
〇人が生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分との関係を見いだしていく連なりや積み重ねが、「キャリア」であるとされています。
〇一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育が「キャリア教育」です。
キャリア教育が育くもうとする能力の中に、
「 自己理解・自己管理能力」
自分が「できること」「意義を感じること」「したいこと」に ついて,社会との相互関係を保ちつつ,今後の自分自身の可能性を含めた肯定的な理解に基づき 主体的に行動すると同時に,自らの思考や感情を律し,かつ,今後の成長のために進んで学ぼうとする力である。
「 課題対応能力」
「課題対応能力」は,仕事をする上での様々な課題を発見・分析し,適切な計画を立ててその課題を処理し,解決することができる力である。(中略)具体的な要素としては,情報の理解・選択・処理等, 本質の理解,原因の追究,課題発見,計画立案,実行力,評価・改善等が挙げられる。
というものがあり(他にもあります)
生涯において役立つ大事な能力です。
学校に行かない「わたし」と
キャリアコンサルタントの「わたし」の
やりとりを振り返ってみると、
自分の気持ちややりたいことについての
理解を深めた➡「自己理解」
「からだを動かす」「料理」「音楽」など
「やってみたいことを細分化して考えた」
➡「目標の実現や問題解決の力」
情報収集の方法を考える➡
「良質な情報や解決策を見つけ出す力」
啓発的経験➡「自己理解・分析・情報収集
振り返りなどの力」
という学びに繋がる可能性を感じました。
興味があること、やってみたいことが
浮かんだ時にはいろいろな方法があるよ。
あなたが悩んだり、目標を叶えるために
試行錯誤する過程は、実はとても大事な力を
育てる機会でもあるんだよ。
そんなことを「学校に行かないわたし」に
伝えられたらいいなと思い、
「キャリアコンサルタントの資格を取った
わたし」と出会ってもらいました。
最後になりましたが、
不登校=フリースクールや夜間中学・習い事へ
行こうという推奨をしている訳ではありません。
もしも今、自分自身を肯定できなかったり、
自信がなくなったりしていたとしても、
未来の自分は、
「もっと自信を持っていいよ~!」
と伝えたくて、うずうずしてるかもしれません。
わたしもこれから過去と現在、未来を繋ぎながら、
もっと自分を大事に出来る人になりたいと思い、
まとめてみました。
これを読んで下さった方にもちょっと、
元気になったり自分のことを肯定できる
きっかけになったら嬉しいです。
また、学校関係者の方や不登校支援を
されている方々にも届き、生徒さんや
保護者の方々とのやりとりに役立つ
ことがあれば、本当に嬉しく思います。
※1 キャリアコンサルタントとは?
キャリアコンサルティングを行う専門家で、企業、需給調整機関(ハローワーク等)、教育機関、若者自立支援機関など幅広い分野で活躍しています。
「キャリアコンサルティング」とは労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいいます。
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