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76.「ゴースト・ライター」はゴーストではなく、ちゃんと、著作権があるんだよ!

イラストやキャラクターを創作する場合、本や雑誌だと必ず著作者名を入れてくれます。(入れない会社もあるが、おかしい?)

しかし、これが企業だと有名なイラストの場合はⒸサンリオだのⒸDisneyと必ず記載されるけれど、無名な人や会社でイラストやキャラクターを描いている人は名前がでません。

随分とおかしいことなのですが、企業側の言い分としては、著作権は譲渡されているものだから企業が「著作権者」となっているからだ、といいます。

確かにその通りなのですが、著作者には「著作者人格権」があり、必ずもとの著作者には確認、許諾が必要になることを実践している企業はほとんどない。(あったら教えてください!)

確かに企業の場合、目的はその商品の販売が主であり、商品名なども商標登録等の出願をしたり、混同を招かぬよう「不正競争防止法」などにも最善の注意を払っている、あくまでも商品、製品を売るためであり、作家名を入れることが目的ではない、ことはわかります。

すると、企業の世界はゴース・トライターだらけとなる。

しかし、会社から報酬を、給料をもらおうが「著作者人格権」という法律は存在していることを忘れてはいけない(名前の出ない会社員もゴースト・ライター)。

ゴースト・ライター、ゴースト・イラストレータだってちゃんと「著作者人格権」があるということを。

これは私の過去のゴースト・ライター・イラストです(すべて原版から)。

「初めてのゴースト」ワイルド・セブン塗り絵表紙©NPО japan copyright association 1999



©NPО japan copyright association 1987年
©NPО japan copyright association 1987年
©NPО japan copyright association 1987年
©NPО japan copyright association 1988年
©NPО japan copyright association 1988年
©NPО japan copyright association 1987年
©NPО japan copyright association 1987年


1.気をつけよう!その他身近な著作権侵害例

平成16年3月11日、ねじめ正一さん、灰谷健次郎さんら33人の作家や詩人が大手の中学進学塾やインターネット配信会社計5社を相手に「市販されている塾教材やインターネット上の問題集で作品を無断で使用され、著作権を侵害された」として、塾教材などの出版、販売、送信の停止を求める仮処分を東京地裁に申し立てた。

ちなみに塾教材での著作権侵害が問われるのは初めてのこと。

学習教材会社による著作権侵害が訴訟に発展して5年になるが、作家側は進学塾やネット上で依然として著作権侵害が続いているとして裁判所に判断を求めた。

塾教材の出版、販売、譲渡の停止を求められたのは首都圏で大手中学進学塾を経営している会社と、その教材を制作、販売する会社、関東一円に中学進学塾を運営する大手の3社だ。

この進学塾グループは一部市販もしているが、ねじめさんの『鳩を飛ばす日』、灰谷さんの『兎の目』など70作品を92カ所にわたって無断使用していた。
今まで作品の無断掲載が訴訟に発展した例としては学校教材はあったが、最近では学習教材会社の出版差し止めを命じられるケースが相次いできている。

これからの時代、著作権は教育の場でも配慮、注意していかねばなりませんね。


2.著作権って誰が持っているものだろう

著作権法第二条一項二号では「著作物を創作する者」と定義しています。「著作者の意味はわかるけれど、「著作権者」という言葉もある、そうなると「著作者」と「著作権者」の違いはどうなるのだろう。

著作権は譲渡や相続などをできるもので、必ずしも著作者が著作権者でない場合があります。著作権者は著作権を保有するという意味で、著作者でない者でも著作権を持つことができます。

そのため、「著作者」と「著作権者」の区別が必要となるわけです。

著作者でない人でも著作権を持てるということは誰でも著作権を持てるということになります。

このように著作物を創作する人が著作者ですが、著作物は第三者に譲渡したり、貸与したりすることができます。貸与する場合は著作権は移動しませんが、譲渡する場合は第三者に著作権は移動するわけですから、誰でも著作権者になれるわけです。

しかし、著作権が第三者に移動し、著作権者が変わったとしても、著作者には著作権と「著作者人格権」があり、注意が必要ですね。

これは、著作者には、著作物(創作物)を創作した時点で自動的に「著作権」「著作者人格権」の両方の権利が発生しています。

「著作権」は財産的権利として、著作者の経済的利益を保護し、「著作者人格権」は著作者の人格的利益の保護を目的とした権利のため、この二つの権利が重なり合っているからです。

ですから、著作権を譲渡してもらったからといってもこの著作者人格権を無視することはできません。

また、この著作者人格権は譲渡不能のもので、一般に一身専属性と呼ばれ、著作権は譲渡されても、この著作者人格権は譲渡することはできないものです。

よく誤解されていることですが、著作権を譲渡されたものは、その新しい著作権者の自由に使用できる、代金も支払い、契約も交わしたのだから、自分の権利だと思い込みがちですが、この著作者人格権によってある程度の制限があります。

「著作者人格権」とは、著作者の人格的利益の保護を目的とする権利で、著作権の場合、それを利用することにより収益をもたらす財産権としての性格を持ちますが、著作者の人格を傷つけないという配慮として性格という二面性の権利が含まれています。

この人格権とは、身体、自由、名誉、貞操などの人格的利益にもとづいて生ずる権利の総称ともいわれ、これらの人格的利益が他人によって侵された場合には、加害者に対し、損害賠償その他の措置請求をすることができます。

これは、プライバシーの権利もこれと同じと考えられます。

このように、著作権を契約により譲渡されたとしても、著作者人格権は譲渡できないものですから、ある程度、著作者の人格を傷つけないための使用、利用方法に制限があるわけです。

では、その一定の制限とはどんなものでしょう。


 

3.著作者人格権ってどんな権利なのだろう


著作者人格権は他の知的財産権(特許権・実用新案権・意匠権・商標権)に含まれる各権利の中でも特別な地位があり、特許等の工業所有権にはこのような人格権を保護する規定はありません。

著作権法では、著作者人格権と実演家人格権が特別に認められています。

著作者人格権は次の三つがあります。

 

①『公表権』無断で公表されない権利。


これは著作物を公表するにあたって、公表するかどうか?公表するとしたら、その時期はいつか?方法はどうするかを決定する権利を公表権といいます。

一言でいえば、「公表するか、しないか」を著作者自身が決められる権利で、「いつ公表するか」ということについても及びます。

たとえば著作者が季節的な公表を望み、春に考えていたものを、勝手に冬に公表されてしまったり、たとえば演奏会での公表はよいが、楽譜として出版することは複製権のほかに公表権の問題も生じます。

つまり、しっかりと公表時期、方法を話し合わねばならないということです。ただし、公表権があるからといって、著作権の譲渡をした場合、両者の確認等があるにかかわらず拒否することは問題があります。

 

②『氏名表示権』無断で名前の表示を変えられない権利。


これは、著作物を公表するにあたって、著作者名を表示するかどうか?表示するとしたらどんな表示にするかを決定する権利を氏名表示権といいます。つまり、その作品に実名にするか?ペンネームや雅号にするか?あるいは匿名にするか?著作者が決定することができるという権利です。たとえば本を出版するにあたり、作家が匿名で発表したい場合、また他のペンネームで発表したい場合、無断で実名で発表されてしまったり、他人の名前で発表されてしまったりすればいずれも氏名表示権侵害行為になります。

たとえばゴーストライターが有名人の影の執筆者として文章を作成した場合、たとえ著作権を譲渡していたとしても、著作者は著作物を創作したゴーストライターにあり、著作者人格権もあります。

 

③『同一性保持権』無断で改変されない権利。


これは、その著作物を著作者に無断で、変更、切除したり、その他の改変について適用されます。

たとえば、文章を編集の上の都合や頁数の問題で修正したり、一部カットしたりする場合、絵画や写真の一部をカットしたり、加工したり、トリミングしたりする場合などのことをいいます。

このように無断で勝手に改変することは著作者の人格を傷つける恐れもあり、題号、つまり作品の題名やタイトルなども著作物と密接不可分に結びついているため、タイトルの改変にも及んでいます。

ただし、小・中・高校等で用いられる教科書等に著作物を掲載する場合や学校向けの放送番組で放送する場合などは、児童・生徒の理解を助けるため認められています。

特非)著作権協会です。

ビジネスの都合上、ゴーストの場合は止むを得ない場合もありますが、企業や発注側はこの「著作者人格権」の存在意義を知ってほしいと思います。

これは、本の世界もゴーストライターがいるわけで同じですが、映画のようにしっかりと「原作者」がいて、それを脚色する「脚本家」、撮影するカメラマン、「演出家」「監督」「助監督」「照明」「音声」、「演者」「作詞」「作曲」「音楽」「編曲」「デザイナー」「イラストレーター」「声優」「テロップ」、「大勢の協力者」「その他」大勢の関係者によってひとつの映画が成り立っているわけですから、せめて小さくても構わないので名前を入れてほしいと思うのです。

そのことでクリエイターの人たちがどれだけ救われるか、と考えてほしいのです。
「ゴースト・ライター」「ゴースト・イラストレーター」「ゴースト・カメラマン」、まだまだたくさんいますが、本来はこの創作の世界には「ゴースト(幽霊)」なる言葉は必要がないことです。

切に願っています。




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