蕎麦は沈黙し、卵は世界を塗り替える──50歳のおじさんランチ記録
こんにちは、TOMMY_JUNEです。
昨晩、ヨスコスさんの記事を読んでいたら、夫婦で「蕎麦禁断症」になるというユーモラスなエッセイが出てきて──それを読んでいるうちに、無性に蕎麦が食べたくなってしまいました。
noteって不思議なもので、人の記事に触れると自分の生活のリズムまでちょっと動かされる瞬間があります。
今朝はスタバで、アイスカフェラテを片手に落ち着いて記事2本を仕上げて、その余韻を引きずりながら、“ちょっと贅沢なランチ”を取りに街中へ。
向かった先は高槻グリーンプレイスにある、十割蕎麦専門店「ハレニチ」。ここは北海道産の石臼挽き粉を使った十割そばを提供するお店で、「のどごし滑らかで香り豊か」という評判の蕎麦屋さんです。
十割そばと鶏玉天丼──昼下がりの小さな物語(村上春樹風-食レポ)
まずはお蕎麦。
冷水で徹底的に締められた十割そばが、艶やかに並んで出てきた。その姿を見ていると、なぜだか都会の喧騒から切り離された静かな森を思い出す。ひと口すすると、普段のチェーン店の蕎麦とはまったく違う。コシが強く、舌の上をすぐに駆け抜けてしまうのではなく、こちらの咀嚼にじっと付き合ってくれる。蕎麦と僕とのあいだに小さな沈黙が生まれる。
香りは冷えすぎていたせいか、やや控えめだった。けれど、塩をひとつまみ振りかけて口に入れると、そこに潜んでいた甘みがひっそりと姿を現す。まるで長いあいだ閉ざされていた引き出しを開けたら、奥から忘れていた古い手紙が出てきたような、そんな感覚だった。
そして鶏玉天丼ミニ。
これがまた思いもよらぬ主役だった。半熟卵の天ぷらに箸を入れると、とろりと黄身がこぼれ出し、ご飯に柔らかい光を落とす。甘辛のタレがそれを受けとめ、さらにかしわ天のサクサクとした衣が混ざり合う。ひと口運ぶたびに、舌の上に小さな花火が打ち上がるような鮮やかさが広がる。
正直なところ、蕎麦そのものよりも、僕はこの天丼に深く心を動かされた。食べ終わってなお、「次もこれを食べたい」と思っている自分がいる。僕の中のどこかに刻み込まれてしまったのだろう。
蕎麦の奥深さを語れるほどの通ではない。けれど確かに「これは違う」と思える体験がそこにあった。文章を二本書き上げたあとの、小さなご褒美としては、これ以上ふさわしい昼食はなかったように思う。
そして思い出す。僕はこの食事を「ただのお昼ご飯」として払っていない。松井証券で買っている投資信託「世界のベスト」から、毎月の投資額に応じて付与されるポイント。それをDポイントに変えて、この1100円のランチを食べている。つまり、これは投資が生み出したキャッシュフローで食べる蕎麦と天丼なのだ。小さな資本主義の果実を、僕はこの昼下がりに噛み締めている。
──しかし。
現実はそう甘美なままでは終わらない。僕は50歳のおじさんだ。帰れば犬の散歩に行かなければならないし、夕方になれば妻に「お昼は何を食べたの?」と聞かれる。僕は「コンビニでおにぎり食べた」と答えるだろう。そう答えることで家庭の秩序は保たれる。
蕎麦と天丼の静かな物語は、そうして僕の中だけに残り、やがて何でもない日常の風景に吸い込まれていく。
でも、今日の主役は、天丼だった。
TOMMY_JUNE
#食レポ #蕎麦 #ランチ記録 #村上春樹風 #日常エッセイ #投資と暮らし #FIRE生活 #ご褒美ランチ #Dポイント活用 #犬のいる暮らし #夫婦の日常 #noteつながり
