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スケッチブックの初恋【全9話】|vol.3|ギャップ~笑顔の裏に秘密が…

――本作品は、真由美(まゆ)と大輔が過ごした中学時代の、淡くて少し不器用な初恋を描いた全九話の記録です。


2学期の中間テストがはじまった。

私は勉強はそんなに好きじゃない。

試験期間中で部活は中止になっているのに、
家に帰ると新作漫画にツボって爆笑した。

お姉ちゃんは受験を控えているので真剣だ。

2段ベッドで、私は上に寝ている。

「うるさいよ」

と怒られた。

こういう時の姉には逆らってはいけない。
何度も痛い目にあってきた。


翌日。

あっ、ダメだったなぁ。

教科書が新しく変わったからなぁ。

私は、だめな理由を探すのが得意だ。

隣で大輔も、少しため息をついていた。

「だめだったの?」

「ちょっと予想が外れた」

「そっかー、私も」

「次、頑張ろうぜ」

「うん」


夜。

私はローカルFMを聞くのが好きになっていた。

地元の中高生の恋愛トークを聞くと
キュンキュンするのだ。
気持ちよく聞いていたのに。

「あんた勉強しなさいよ」

姉に怒られる。

「あんたのクラスの大輔って子、
 勉強できるんだってよ」

「え、うそ? あれが? うそでしょ」

「今日、大輔の先輩。私と同じクラスの男子が
 言ってたよ」

信じられなかった。


翌日。

試験中、大輔を見た。

すごく真剣な顔で問題を解いてる。

いつもの笑顔とは違う。

あっ、いけない。
私も問題解かなくちゃ。

「まゆ、できた?」

「ううん、英語苦手なの」

「そっか。明日は国語と社会だね。頑張ろうよ」

「うん」

大輔が気にかけてくれてるの?

帰りにふーちゃんと一緒になった。

「大輔って勉強できるの?」

「勉強? 普通だと思うけど、頭の回転は速いと
 思うよ」

「どうして?」

「お姉ちゃんの友達が、大輔は勉強できるって
 言ってたらしいから」

「あ、そういえば試験の成績はよかった気がする」


夜。

私はFMを聞かなかった。

机に座って、日本史を覚えた。
ひたすら覚えた、つもりだった。

「大輔…」

「大輔って何? 教科書に載ってるの?」

姉につっこまれた。

心でつぶやいたつもりが、声に出ていた。

姉は笑っていた。

「あんた、わかりやすいよ。ふふ」

「寝言でも何か言ってたけど、聞き取れなかった。
 大輔だったんだ」

私は顔じゅうから火を吹き出しそうだった。
いや、鼻水が溶岩のように流れ出た。

「もう、お姉ちゃん!変なこと言わないでよ。
 大輔なんて言うわけないでしょ!」

「ノートに何書いてるの?」

「大和朝廷、だいす」

「大和朝廷に“だいす”なんてないでしょ 笑」

「お母さーん。
 まゆって病気かもよー」

もう!

お姉ちゃんの意地悪。

私の姉は史上最悪に性格が悪いのだ!


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