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スケッチブックの初恋【全9話】|vol.4|いたずらな風 ~スカートめくれで心も乱れる

――本作品は、真由美(まゆ)と大輔が過ごした中学時代の、淡くて少し不器用な初恋を描いた全九話の記録です。


中間試験が返ってきた。

私の結果は、予想通り。

将来いい大学に入って、
いい就職をして、
いいお嫁さんに……。

……妄想はこのくらいにして、
私は現実に引き戻された。


横で大輔が淳史と試験の結果を見せ合っていた。

どこが違ったのか、納得がいってないみたい。

「何点だったの?」

「九十五点と九十六点」

「まゆは?」

「今日も天気がいいね!
 部活がんばろうね!」

私は足早に立ち去った。

あの二人、すごすぎ。
淳史はそんな気がしてたけど……大輔も?

……って、何で大輔のこと考えてるの、私。

部活、部活。
今日はスリーポイントシュートの練習するんだ。


体育館に向かう外の廊下は風が強い。

女子はスカートを押さえていないと、
大変な姿を披露してしまう。

そのとき。

急にスカートがまくれ上がった。

え、うそ。

「キャッ!」

私はスカートを押さえて、その場に座り込んだ。

……でも、風は吹いていない。

後ろを見ると、
くーちゃんがニヤニヤしていた。

その後ろに――
大輔。

最悪!

また大輔に見られた!

犯人はくーちゃんだった。

大輔が私の後ろを部室に向かって歩いていたので、
サービス精神なのか、スカートをめくったらしい。

くーちゃんは大輔にグータッチを求めていた。

私は内心、

大輔!やめな!
そのニヤニヤしたうれしそうな顔!

と思っていた。

この学校では女子同士のスカートめくりが
流行っている。

……なんて学校なんだろう。


「ねー、くーちゃん。
 男子の前でスカートめくるのやめてよ」

「大輔には見せていいんじゃないの?」

「そんなわけないじゃない」

「だって大輔のこと好きなんでしょ?」

「何でそうなるのよ」

「まゆ、わかりやすすぎ。
 いつも大輔見てるの、みんな知ってるよ」

私の顔は一気に、今年一番の日焼けよりも
真っ赤になった。

「好きなんでしょ?」

「……わかんない。
 でも、誰にも言わないでね」

「でもね」

くーちゃんが声をひそめた。

「大輔、ふーちゃんのこと好きかもよ」

え?

「あの二人、幼稚園からずっと同じクラスだったの。
 中学で初めて別のクラスになって、
 なんか微妙なの」

「聞いてこようか?
 大輔の気持ち」

「やめて!
 恥ずかしいから!」

「え?
 ふーちゃんのことどう思ってるかだよ?」

くーちゃんがニヤッと笑った。

「あっ。
 まゆのことだと思った?」

もう私のバカ。
バカ、バカ、バカ。

完全にくーちゃんにばれちゃった。

私は――

恋のスリーポイントシュートを
外しまくっていた。


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