介護士として、そして人として――支える側の本音
🌿 裏方にまわって見えた光景
― 介護士だって、にんげんです ―
現場で働いていた頃、
私はただ、入居された方が安心して過ごせるようにと願って、介護をしていました。
「ここに来てよかった」と思ってもらえるように、
笑顔で寄り添い、ささいな変化にも気を配って、毎日を積み重ねていました。
でも、介護事務という裏方にまわってから、
ご家族の事情や想い、
そして施設に預けるまでの背景を知ることが増えました。
「もう限界だったんです」と涙ながらに話すご家族もいれば、
厳しい口調で職員に怒りをぶつける人もいます。
人はそれぞれ、背負っているものが違うんだと、あらためて知りました。
たまに、ご家族様からクレームが来ることがあります。
「ちゃんとやってくれているんですか?」
「してくれないと困るんですけど」
その言葉の裏にある、不安や焦りは理解しています。
大切なご家族を託しているからこそ、気になるのは当然です。
でもね、
私たちは、何もせずにいたわけではありません。
拒否があったとき、無理にすることはできない。
それでも、「どうしたら受け入れてもらえるだろう」と
何度も話し合って、工夫して、寄り添える方法を探してきました。
そんな日々の試行錯誤を、
「やってない」のひとことで片づけられてしまうと、
やっぱり、こころが痛くなります。
私たちも、にんげんです。
感情があって、揺れる心があります。
いくら慣れていても、平気になんてなれません。
笑顔の奥で、悩んだり、傷ついたりしながらも、
今日も「その人らしさ」を支えるために、そっと手を差し伸べています。
表に立っていたときも、裏方にまわった今も、
私が見てきたのは、支える人の姿です。
誰かの笑顔のために、自分のことを後回しにして動く人たち。
光が当たることは少ないけれど、私は、ちゃんと見ています。
そしてこれは、介護士に限った話ではないと思うのです。
子育て中の人も、職場で気を張り続けている人も、
毎日、いろんな場面でがんばっている皆さんにも、きっと通じること。
知らず知らずのうちに、私たちは「がんばることが当たり前」になってしまっていて、
しんどいと口にするタイミングさえ見失うことがあります。
でもね、自分がしんどくなる前に、
少し立ち止まって、深呼吸してみるのもいいと思うんです。
たまには手を止めて、何も考えずにぼーっとするのもいい。
**誰かに、愚痴や悩みを話してみるのも、ぜんぜん「あり」**です。
がんばり続けることだけが正解じゃない。
「疲れた」と言えることも、「生きる力」のひとつです。
今日もそれぞれの場所で、
目に見えないやさしさを注いでいるすべての人へ。
心が少しでも、ふっとゆるむ瞬間がありますように。
