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書きたい物をやりたい放題に書いた。趣味の漫画原作が、連載デビューにつながるまで――雨衣馨さん

趣味で漫画原作を書きながらも、作品を届ける場を探し求めていた雨衣馨アマイ カヲリさん。SNSで偶然目にした創作大賞2023への応募をきっかけに、漫画原作部門(当時)で入選を果たしました。入選作「EMDM」は改稿を経て『EMDM症候群』として生まれ変わり、綾峰けう先生の作画で、文藝春秋のコミックサイト「BUNCOMI」にて連載中です。

洋楽に昔話、猟奇的で耽美な作品世界――自分の「好き」をとことん詰め込み、「ぽっちゃり男子×カニバリズム」という唯一無二の物語を生み出した雨衣さん。作品の着想から執筆のこだわり、編集者との二人三脚で連載をつくり上げる舞台裏、これからの展望まで、雨衣さんならではの言葉でたっぷりとつづっていただきました。

*本記事は書面インタビューにより作成しました。回答は必要最低限の編集にとどめ、雨衣さんならではの文章をそのままお届けします。


『不思議の国のアリス』にあるフレーズ「EAT ME, DRINK ME」から着想

――まず、創作大賞を知ったきっかけや、応募の決め手を教えてください。

雨衣馨さん(以下、雨衣):noteに投稿する前から、趣味でシナリオ形式の漫画原作を書いていたアマイさん。書いている内に、アマイさん曰く力作で傑作な自信作を、雑誌やアプリで掲載したいと思い始めました。出版社に送ろうと調べてみるも、漫画原作は受け付けておらず。それならコンテストに出そうと探してみるも、原作賞は行われておらず(※注)。だったらコミティアに出展して、編集者さんにスカウトしてもらおうとサークル参加するも、当然お声は掛からず。途方に暮れる事もありながら、原作を書き続けておりました。

 そんなこんなで2023年某日。SNSで「創作大賞2023」の宣伝を見掛けました。
黒地に白文字と金の装飾のオシャレなバナーをポチッてみると…
 日本最大級の投稿コンテスト、これなんかスゴイじゃん。
 専用のハッシュタグを付けて作品を投稿すれば応募完了、これなんかラクチンじゃん。
 そもそも「創作大賞」ってネーミングが、これなんか面白そうじゃんって感じするじゃん。
…と言う事で参加を決意。趣味で書いていた原作の一つ、『EMDM』を応募する事になりましたぞ。

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(※注)原作の募集は全く無かったワケではなく、「ネーム原作」や「プロデビュー済みの作家が対象」と言う物がありましたぞ。

――昔話を読むことが好き、とうかがいました。それが「EMDM」というタイトルにもリンクしていると感じます。物語の最初の着想は、どこから生まれたのでしょうか。

雨衣:「ハピエン・バドエン・メリバ問わず」「クセのある」「ボーイ・ミーツ・ガール」が大好きなアマイさん、そんな映画や漫画や昔話を観たり読んだりしたり、自分でも書いたりしています。
その日もいつものように、どんな原作を書こうかとあれやこれやと考えていました。そこでふと思い付いたのが、「ぽっちゃり男子が主人子の恋愛モノ」でした。
「ボーイ・ミーツ・ガール」の定番と言えば、イケてる顔で背が高くちょいマッチョタイプの男子で、「ぽっちゃり男子」が恋をするお話はほとんどありません。
それならアマイさんが書けば良いじゃないか。
…と言う事で、「ぽっちゃり男子が可愛い女の子と恋愛するお話」を書く事に決めました。

同じくアマイさんは、猟奇で耽美な怪奇の作品が大好きで、そんな映画や漫画や昔話を観たり読んだりしたり、自分でも書いたりしていました。
「ぽっちゃり男子の恋愛モノ」を書くにあたって、アマイさんが好きな「クセ」を入れようと決めていました。あれやこれやと考えていたところ、「カニバリズム」をテーマにした作品に出会いました。その作品から、ある連想ゲームが思い浮かびました。「カニバリズム」と言えば「人肉食」、「人肉食」と言えば「美味しそうなお肉」、「美味しそうなお肉」と言えば「脂身」、「脂身」と言えば「ぽっちゃり」。
…と言う事で、「ぽっちゃり男子が可愛い女の子と恋愛するお話」をベースに、「カニバリズム」要素を加えたお話を書く事になりました。

 そんなアマイさんは、ロック・パンク・メタルなどなど洋楽を聞くのが大好きですが、歌うのは苦手だし楽器は弾けないので自分で曲を書いたりはしません。
丁度、執筆の息抜きに、動画サイトで洋楽のMVを見ていたところ、「不思議の国のアリス」をモチーフにした作品がありました。「不思議の国のアリス」には「EAT ME, DRINK ME/私を食べて、私を飲んで」と言うフレーズがあります。作中では、お菓子や飲み物を口にする意味で使われていますが、アマイさんには「カニバリズム」らしさを感じるフレーズでした。
…と言う事で、「ぽっちゃり男子が可愛い女の子と恋愛するお話 with カニバリズム」のお話のタイトルを「EAT ME, DRINK ME」とする事に決めました。とは言え、そのまま使うのはなんだかなぁと思い、洋楽バンドが頭文字表記するのを真似て、略す事にしました。

こうして、2018年某日。
アマイさんが漫画原作を書き始めて半年とちょっぴり経った頃、『EMDM』が誕生いたしましたぞ。

――最初に思い描いた物語と応募作品とのあいだで、変化したところはありますか?

雨衣:アマイさんが書く漫画原作は全て読切タイプで、『EMDM』もそうでした。
『EMDM』は
・主人公の慎輔しんすけがヒロインの朱鳥あすかに出会う。
・ひょんなことから慎輔が食人癖をこじらせてしまう。
・自分の血肉を朱鳥に食べさせようとする慎輔だったが、思いもよらない事実が…!
・なんやかんやあって、慎輔の食人願望が叶い、朱鳥とも両想いになりハッピーエンド。
 と言うお話です。

 「創作大賞2023」漫画原作部門では三話分のお話を募集していました。そこで、読切版を連載を想定した形に書き直して応募する事にしました。
書き直すにあたって、一話目は、「慎輔と朱鳥が出会う」「ひょんなことから食人癖をこじらせる」シーンを掘り下げて、二話目・三話目は「なんやかんやあってハッピーエンド」へ向かう為のエピソードにしようと決めました。「恋愛」と「カニバリズム」の要素をマシマシさせて、「サスペンス」さもちょっぴり足してみました。

必要なのは三話分のお話でしたが、折角なので四話目以降のエピソードも考えていましたぞ。

大事なのは「簡潔な文章」「映像が思い浮かぶシナリオ」「キャラに合うセリフ」

――入選作は、初めての連載用シナリオだそうですね。漫画原作(漫画のためのシナリオ)という形式ならではの構成上の工夫や、苦労した点をお聞かせください。

雨衣:漫画原作を書くのに役立つかもと思い、面白いシナリオが書ける本を読んだりしました。
本の中で、とある脚本家さんが「シナリオは簡潔に書け」と著していました。小説のように長く詳しく丁寧に書く必要はありませんよ、と言うアドバイスです。

 同じく、漫画原作を書くのに役立つかもと思い、面白いシナリオが書ける漫画家さんと編集者さんの講座に参加したりしました。
講座の中で、とある漫画家さんが「読んでいて映像が思い浮かぶシナリオを」と仰っていました。シナリオを元に漫画を描く作画担当さんに伝わらなければ意味が無いよ、と言うアドバイスです。
また、とある編集者さんは「主人公が大学生なら、イマドキの大学生の喋り方で」と教えてくれました。陰キャキャラなら陰キャぽく、リア充ならリア充らしく、それぞれのキャラに合う言葉遣いにしましょうよ、と言うアドバイスです。

「簡潔な文章」「映像が思い浮かぶシナリオ」「キャラに合うセリフ」。この三つは、アマイさんが漫画原作を書く上で心掛けている事です。ですが、たまに守れていない時もありますぞ。

 ちなみに、アマイさんがシナリオ形式で原作を書いているのは、書き始める時に参考にしたのが映画脚本だったからですぞ。

――書き続けるためのご自身のルーティンや工夫はありますか?

雨衣:「毎日1p(約800文字)書く」「寝る前の1時間は必ず執筆に充てる」「プロの漫画家さんのように一日で書き上げよう」などなど、漫画原作を書き始めた頃から、色々なスタイルを試してみました。ですが、どれもこれもアマイさんには合いませんでした。
 アマイさんに合う書き方は無いかと、あれやこれや考えて思い付いたのが、月に一度「漫画原作を書く週間」を設ける事でした。毎日ちょっとずつ書くのではなく、何日間かまとめて取って、その間にばばばっと書き上げます。その日によって書く分量は違いますが、大体一週間で完成します。短いお話やアマイさんがノリにノッている時は三日くらいで完成しますが、長いお話やアマイさんがノリにノッて無い時は二週間くらい掛かります。

原作を書き終えた後はお休みを取ります。遊びに行ったり、温泉に入ったり、美味しい料理を食べて、執筆で疲れた心や身体を癒します。お休みをした後はインプット作業をします。映画を観たり、漫画や昔話を読んだり、催し物に出掛けたりしてお話のアイディアを探します。インプット作業の後はまた漫画原作を書く、この繰り返しですぞ。

ちなみに「創作大賞2023」に応募した『EMDM』は二週間で三話分を書き上げましたぞ。

――推敲時にもっともこだわったことはなんでしょう?

雨衣:応募版の『EMDM』を書く上で気を付けた事は、普段、漫画原作を書く上で意識している事、「簡潔な文章」であるか、「映像が思い浮かぶシナリオ」であるか、そして「キャラに合うセリフ」であるかです。特に、慎輔と朱鳥の会話は、「陰キャでコミュ障の男子とリア充で話し上手な女子のリアルな会話」を意識して書きました。そんな頑張りがあってか、審査員さんから「会話がリアルすぎるwww」とのお褒めの言葉を頂きました。

 応募版で新たに追加した、一話目の民俗学の講義、二話目の着ぐるみバイト、三話目のタイトル由来のシーンも、アマイさんのお気に入りだったりします。あまりにも好きすぎて、連載版で形を変えて再登場させてしまいました。ちなみに、民俗学の講義は七話目、着ぐるみバイトは六話目、タイトル由来は二話目ですぞ。

雨衣さんX投稿
応募版・連載版の「着ぐるみバイト」のシーンについて

――執筆中に「ここでつまずいた」というポイントがあればお聞かせください。

雨衣:応募版『EMDM』を書く上で、最も大きく、最も強く、最も高い壁。それは「応募要項」でした。

 「創作大賞2023」漫画原作部門では、一話目が1万字、二話目・三話目が4000文字と、文字数の指定がありました。アマイさんが普段書いている漫画原作の文字数は、大体6000~8000文字くらいで、その半分の文字数では書いた事がありませんでした。
 これで4000文字だ!と自信満々に書いたつもりでも、1000文字も2000文字も余裕のよっちゃんでオーバーします。
折角、力作で傑作な自信作を書いても、応募要項を満たしていなければ失格になってしまいます。アマイさんは心を鬼や悪魔や山姥にして、セリフやシーンをばっさりざっくりごっそりカットしましたぞ。

「次も!」とページをめくらせ続けられるような作品に

――受賞の知らせを受けたときの第一声は「マジかよ…(驚愕)」だったというコメントを拝見しました。どうしてそう思われたのでしょうか?

雨衣:「創作大賞2023」漫画原作部門に協賛した三つの出版社さんは「エモさがある」「女性読者を想定」「オトナ女性が主人公」のお話を求めておられました。にもかかわらず、アマイさんは「ぽっちゃり男子が可愛い女の子と恋愛するお話 with カニバリズム and エログロ」のお話を応募しました。エモくもなく、女性読者向けとしてはクセの強いジャンルで、主人公はぽっちゃり男子なお話が受賞するわけないじゃんか、と思っていたらまさかの受賞。そりゃ、「マジかよ!(歓喜)」ではなく「マジかよ…(驚愕)」になりますぞ。

 文藝春秋コミックス編集部/BUNCOMIさんから連載のお話を頂いた時にも、「マジかよ!(歓喜)」ではなく「マジかよ…(驚愕)」になりました。何故なら主人公が「ぽっちゃり男子」だからです。
 「ぽっちゃり男子」が主人公のお話は数が少ない、それはつまり「ぽっちゃり男子」が主人公のお話は読者にあまりウケないだろうと言う事です。にもかかわらず、連載しましょうと声を掛けて下さった文藝春秋コミックス編集部/BUNCOMIさんには、頭が上がりませんぞ。 

 作画担当さんの綾峰けう先生から作画の承諾を頂いた時も、「マジかよ!(歓喜)」ではなく「マジかよ…(驚愕)」になりました。何故なら主人公が「ぽっちゃり男子」だからです。
 「ぽっちゃり男子」が主人公のお話は数が少ない、それはつまり「ぽっちゃり男子」が主人公のお話を作画したい漫画家さんがほぼほぼ居ないと言う事でもあります。にもかかわらず、描きますよと手を挙げて下さった綾峰けう先生には足を向けて眠れませんぞ。

――編集の方からのフィードバックや提案で特に印象に残っているものや、それによって作品がどう変わったのか教えてください。

雨衣:打ち合わせの中で、担当者さんが「読者が飽きず、惹かれ続けるお話を書きましょう」と話してくれました。「もういいや」と、ページを捲る手を止めさせるのではなく、「次も!」と、ページを捲らせ続けるのが、連載には必要だと言うアドバイスです。

読切の漫画原作ばかりを書いていたアマイさんには、「ぽっちゃり男子が可愛い女の子と恋愛するお話 with カニバリズム」と言うメインストーリーを進めつつ、読者を惹き付けるエピソードを毎話書くのは、とても難易度の高い作業でした。アイディア探しにと『EMDM』の要素である「恋愛」や「カニバリズム」の評論を読んでみたり、時には、担当者さんからアイディアを頂くこともありました。そのアイディアが面白いのなんのと。そのアイディアをアマイさんなりにアレンジして、あのシーンやあのシーンやあのシーンを書きました。どのシーンか探してみて下さいですぞ。

――受賞作「EMDM」と連載作『EMDM症候群』では、物語の舞台が大学のキャンパスからショッピングモールへ変わっています。思い切って変えた点や新たに加筆したポイント、意識したこともあればお聞かせください。

雨衣:2023年某日。担当者さんと二回目の打ち合わせをしました。
 その中で、連載版も応募版と同じく「大学生の慎輔と朱鳥」のお話で進めようと決めました。ですが、家に帰って改めて考えてみると、なんだかどうにもしっくりこず。二人の設定を練り直す事にしました。
 丁度その頃、サブスクで「格差がある男女の恋愛モノ」を観ていました。実は『EMDM』にも「格差」や「対照的」な要素が含まれています。陰キャとリア充の性格差、ぽっちゃりと痩せの体格差、田舎生まれと都会生まれの地域差などです。既にある「格差」をもっと広げたらどうだろうかと、慎輔を20歳の大学三年生から30代半ばの冴えない社会人にバージョンアップしました。年齢や置かれた環境の違いが大きくなった途端、なんだかどうにもしっくりきた! 
…と言う事で、新しい設定でお話を作る事になりました。
ですが、大学生設定も悪くはなかったので、連載版の七話目で「大学三年生の慎輔」を復活さました。

慎輔の設定を変えたので、朱鳥の設定も手を加える事にしました。
応募版では「リア充で可愛い女子大生」だったのを、連載版では「とにかくヤバい女子大生」へとパワーアップさせました。これは、普通の主人公に対してヤバいヒロイン、と言う対照的なポジションにする為でした。
慎輔と会って間もないのに「フェティシズム」や「食と性」の話をしだしたり、心理学をベースにした独自の「治療」を行おうとしたりと、一話目から「とにかくヤバい」事をさせました。このお陰で、二話以降も、毎話「とにかくヤバい」事をさせないといけなくなり、その為のエピソードを考えるのがツラかったのは秘密です。

他には、アマイさんが大好きな「昔話」要素です。読切は一話だけですが、連載版は話数が多いので、やりたい事が色々出来たりします。そこで、しっかりうっかりちゃっかりと入れました。
慎輔は大学時代に昔話に関する講義を受けていたり、朱鳥は昔話や御伽噺の「異類婚」に興味がある、と言う設定を新たに考えました。また、応募版で既に考えていた、慎輔は長野県生まれ、と言う設定を活かして、長野県に伝わる昔話を取り上げたりもしました。連載版の七話目に登場する「比丘尼石」は実在する物をモデルにしていて、本物見たさに現地に行ったりもしましたぞ。

――連載化に向けた制作進行のなかで、難しかったことや想定外だったことはなんですか?また、それをどう乗り越えたのでしょうか。

雨衣:アマイさんが漫画原作を書く時は、どんなお話か、どんなキャラか、どんな台詞か、などなどを頭の中でプロットにして、それを元にシナリオを書いていきます。完成したお話は、ほぼほぼプロット通りに仕上がっています。
連載にあたって、応募版の時に考えていたアイディアをA4用紙8枚分のプロットにまとめて、担当者さんに読んで頂きました。当然アマイさんは、そのプロット通りに連載版を書いていくものだろうなと思っていました。ですが担当者さんからは、一話目と最終話のみほぼプロット通りで、後は全部考え直しましょう、とのお言葉を頂きました。「読者が飽きず、惹かれ続けるお話」では無かったからです。各エピソードを何時間も掛けて考えたのにぐぬぬ…と、悔しくなったのは言うまでもありません。

 プロットや打ち合わせを元にシナリオを書いたら担当者さんに読んでもらい、問題無ければ完成、問題があれば直してもう一度読んでもらう、と言うやり取りをしました。この「修正」がとにもかくにも大変で、たった一行のセリフを変えるだけの時もあれば、シーンを入れ替えるだけの時もあり、一話丸々書き直す事も時にはありました。何日も掛けて書いたのにぐぬぬ…と、悔しくなったのは言うまでもありません。
 
とは言え、担当者さんのアドバイス或いはダメ出しを受けて書き直したシナリオは、書き直す前と比べて面白さがレベルアップしています。アマイさん一人で書いたお話が100だとしたら、担当者さんと一緒に書き直したお話は100000000です。
「読者が飽きず、惹かれ続ける」為に、心も身体もボロボロになりながら、アマイさんは今日も書き直していますぞ。

待望の連載がスタートしたものの、感覚が麻痺してむしろ冷静に

――連載がスタートしたときのお気持ちをお聞かせください。

雨衣:2023年6月27日、文春オンラインさんで『EMDM症候群』の連載が始まりました。
 第一話が掲載されているのを見たアマイさん、
「『EMDM症候群』載ってるゥゥゥゥゥ~~~~~!!!」
「プロ漫画家の仲間入りイェェェェェ~~~~~!!!」
「夢の印税生活が始まるよォォォォォ~~~~~!!!」
 …と、浮かれるかと思いきや、落ち着いた様子でパソコンの画面を眺めていました。
思えば、受賞の連絡を見た時も、「マジかよ!(歓喜)」ではなく「マジかよ…(驚愕)」でした。あまりにも凄い事過ぎて、アマイさんの中にある大喜び機能が麻痺してしまったのかもしれません。もしかしたら、創作大賞で「大賞」と「副賞10万円」を獲得すれば三日三晩飲んで歌って大騒ぎするかもしれませんぞ。

――受賞・連載化をきっかけに、ご自身の 創作活動や生活面で変わったことはありますか。

雨衣:普段なら銀行の通帳を見て溜息を吐くのですが、連載が始まってからは通帳を見るのが楽しくなりました。原稿料や印税が入っているのを見て、「アマイさんって漫画家なんだよなぁ」と、しみじみ実感していますぞ。

――現在も幅広いジャンルの創作に挑戦されていらっしゃいます。今後挑戦してみたいテーマや世界観、次の目標について、ぜひお聞かせください。

雨衣:「映像化不可能」ならぬ「漫画化不可能な漫画原作」なる物を書いてみたいと思っています。原作のクオリティが高すぎて作画出来る漫画家さんが居ないとか、漫画化すれば絶対売れるけど出版社さんが渋るような表現まみれだとか、作画したらアマイさんの生霊に祟られるとか、ワケありの漫画原作です。

三つ目はさておいて、「漫画化は難しいですね」と言われる為には、アマイさんの原作力をもっともっともっと上げなければいけません。「恋愛」「コメディ」「ミステリー」「サスペンス」「昔話モチーフ」などなど、色々なジャンルの漫画原作を書いて書いて書きまくって、力を付けたいと思いますぞ。

書きたい物を好き勝手に、やりたい放題書いてみよう

――コミカライズや連載化を目指すうえで、いま振り返って「これはやっておいてよかった」と感じることを教えてください。

雨衣:アマイさんは昔話が大好きで、故郷の長野県の昔話を集めたり、昔話の研究書を読んだりしています。昔話には、人間を攫って食べてしまう鬼や狒々や山姥が居たり、「かちかち山」と言うお話では、タヌキがおばあさんで作ったばば汁をおじいさんに食べさせるシーンがあります。いずれも、昔話の中で語られる「カニバリズム」の要素です。

『EMDM』は「カニバリズム」を含んでいます。そこで、読切版では書かなかった、「昔話とカニバリズムの関係性を語る民俗学の講義」のシーンを考え、応募版に入れました。そのシーンを入れた事で、読切版よりも「カニバリズムみ」がぐっと出ました。また、一話目の最初らへんで、「これはカニバリズムのお話ですよ」と匂わせる事も出来ました。「昔話」を知らないと、中々思いつかないアイディアだと思います。

大好きな物を一つ持っていると、意外なところで役に立ったりしますぞ。

――最後に、創作大賞へのチャレンジを検討しているクリエイターへエールをお願いいたします。

雨衣:アマイさんが書きたい物を好き勝手にやりたい放題書いた、「ぽっちゃり男子が可愛い女の子と恋愛するお話 with カニバリズム and エログロ」こと『EMDM』が、「創作大賞2023」漫画原作部門で入選し、おまけにBUNCOMIさんにて『EMDM症候群』が連載される事になりました。

何が受賞して、何が漫画化或いは映像化するのか分からない、それが「創作大賞」です。
 みなさんが書きたい物を好き勝手にやりたい放題書いたお話が、もしかしたらもしかするとかもしれません。応募要項を守り、応募してみて下さいですぞ。

*敬称略

【受賞者プロフィール】

雨衣馨(アマイ カヲリ)

雨衣さんプロフィール写真

昔話と洋楽とお話を作るのが好きな人。ふとしたきっかけで知った創作大賞に応募することを決意。応募作の「EMDM」が入選作となり、改稿した『EMDM症候群』で漫画原作者デビューをする。
note:https://note.com/iroakiama X:https://x.com/iroakiama

創作大賞2026について

あらゆるジャンルの作品を対象にした、日本最大級の創作コンテストです。各部門には、34のメディアが選考に参加。大賞受賞作品には担当者がつき、雑誌・メディアへの掲載や、書籍化、連載化、映像化などを目指します。2026年7月8日(水)まで、noteもしくはTALESでエントリーが可能です。くわしくは、下記のスケジュールや特設サイトをご覧ください。

創作大賞のスケジュール

創作大賞スケジュール
  • 応募受付期間:2026年4月8日(水) 11:00 〜 7月8日(水) 23:59

  • 読者応援期間:2026年4月8日(水) 11:00 〜 7月31日(金)23:59

  • 中間発表:2026年9月上旬

  • 最終結果発表 & 授賞式:2026年11月上旬