生きづらさを強さに変えて。新たな生き方を叶える物語 ②生成AI編
これは、「生成AI、使うべき?」「いや、使うのは悪では?」と悩むすべてのnoteクリエイターに贈る物語。すこしだけ、二人の対話に、耳を澄ましてみてください。
「最近、なんだか、noteを読むのが少し怖くなったんです」
数ヶ月ぶりに会ったゆづきさんは、アイスコーヒーのグラスについた水滴を指でなぞりながら、ぽつりとそう言った。
彼女は、以前の対話の後、本当に変わった。
「60点でいい」を合言葉に、下書きフォルダに眠っていた記事を世に放ち、今では月に数万円の収益を上げられる立派な「書き手」になっていた。
以前の、嵐に怯える小動物のような面影はもうない。自分の言葉で立つことの、ささやかな自信と尊厳が、彼女を輝かせていた。
そんな彼女が、どうして?
ノッティ:「怖い、ですか? あれだけ楽しそうに書いていたのに。何かありましたか?」
ゆづき:「…ノッティさん、最近よく見かけませんか?
生成AIが書いたってなんとなくわかる記事。
すごく流暢で、完璧で、でも、どこかあたたかみが感じられない文章。あれを読むと、なんだか、大きな黒い何かに、私たちの居場所がじわじわと侵食されているような気がして…。
私が大切にしている『人の手で、心を込めて書く』という行為が、なんだか時代遅れなものに思えてくるんです」
ああ、そうか。彼女は、次の壁にぶつかっているんだ。 かつて「完璧主義」や「批判への恐怖」という内なる敵と戦った彼女が、今度は「生成AI」という、時代の大きなうねりという名の、外敵に怯えている。
ゆづき:「ノッティさんは、どう思いますか? AIに文章を書かせるなんて、書き手として、魂を売るような行為だと思いませんか?」
彼女の真剣な瞳が、まっすぐに私を射抜く。 これは、ただの技術論じゃない。創作に関わる、哲学的な問いだ。
ノッティ:「ゆづきさん。もし、その生成AIが、あなたの魂を売るための悪魔ではなく、あなたの魂を、もっと遠くまで、もっと多くの人に届けるための『翼』だとしたら、どうしますか?」
ゆづき:「翼…? あんな無機質なものが、ですか?」
ノッティ:「ええ。今日は、その話をしましょう。生成AIは、あなたの”書く”を奪うのか、それとも、解放するのか。その答えを、一緒に見つけに行きませんか」
【登場人物】
ノッティnotti(私): SNSクリエイターさんたちのマネタイズ支援を行う。数多くの才能が、その持ち主の思い込みによって潰されていくのを目の当たりにしてきた。
ゆづき: 繊細な感性を持つnoteクリエイター。前回の対話を経て、書き手としての道を歩み始めた。人の手で書かれた文章の「あたたかみ」を誰よりも信じているため、生成AIに強い抵抗感を持っている。
ゆづき:「ノッティさんは、生成AIを使うことに抵抗はないんですか?
私は、どうしてもダメなんです。自分で苦しんで、悩んで、ひねり出した言葉にしか、人の心は動かせないって信じているから。
生成AIが作った、どこかから借りてきたようなツルツルの言葉には、心が宿らない。そう思いません?」
ノッティ:「ええ、その気持ちは、わかります。
僕も、人の感情の機微や、その人にしか書けない体験談こそが、noteの核心だと思っています。
では、ゆづきさん、ひとつ質問です。腕のいい大工さんが、家を建てるときに、金槌(かなづち)や電動ノコギリを使ったら、その家から『あたたかみ』は失われるでしょうか?」
ゆづき:「いえ、そんなことは…。道具を使ったからといって、大工さんの技術や心が失われるわけじゃないですから」
ノッティ:「そうですよね。では、優れたシェフが、最新のフードプロセッサーを使って野菜をみじん切りにしたら、その料理は『心がこもっていない』ことになるでしょうか?」
ゆづき:「…ならない、と思います」
ノッティ:「僕にとって、生成AIは、その金槌やフードプロセッサーと全く同じです。それ自体に魂やあたたかみはない。
でも、使い手である人間に魂があれば、生成AIは、その魂を形にするための、とてつもなく優秀な『道具』になるんです。
問題は、生成AIを使うかどうかじゃない。『誰が』『何のために』『どうやって』AIを使うか、なんです」
ゆづき:「道具…。でも、金槌やフードプロセッサーは、文章そのものを生み出しはしません。生成AIは、言葉を生み出してしまう。そこが、決定的に違う気がします。
それって、ズルじゃないですか? 楽をしている、というか…」
第一章:生成AIは「ズル」か? 「翼」か?
彼女が口にした「ズルい」という言葉。これこそが、多くのクリエイターが生成AIに対して抱く、最初の、そして最大のアレルギー反応の正体だ。
ノッティ:「ズルい、ですか。いいですね、核心を突く言葉です。では、こう考えてみましょう。ゆづきさんがnoteを書くとき、パソコンやスマホを使いますよね?
手書きの原稿用紙に、万年筆で書いたりはしない」
ゆづき:「それは、まあ…」
ノッティ:「なぜです?」
ゆづき:「え…? だって、その方が、速いし、修正も簡単だし、便利だから…」
ノッティ:「その通り。 便利だから、ですよね。
100年前の文豪から見れば、変換候補が勝手に出てきて、コピペも一瞬でできるワープロソフトなんて、とんでもない『ズルい』道具だったかもしれません。
でも、あなたはそれを使って、自分の表現を追求している。テクノロジーを使って、手間や時間を短縮し、最も重要な『何を書くか』という本質的な部分に、エネルギーを集中させているんです」
ゆづき:「う…」
ノッティ:「生成AIも、その延長線上にあるだけです。
辞書を引く手間、類語を探す手間、構成を考える手間…。
そういった『作業』を生成AIに肩代わりしてもらうことで、あなたは、あなたにしか書けない体験談や、あなたにしか感じられない感情の描写という、記事の『心臓部』にもっと多くの時間とエネルギーを注ぐことができるようになる。
これは『ズル』でしょうか? それとも、自分の表現を、より高いレベルに引き上げるための、賢い『戦略』でしょうか?」
ゆづき:「…戦略…。でも、生成AIが書いた部分と、私が書いた部分が混ざってしまったら、それはもう、100%『私の作品』とは言えないんじゃないですか? 私らしさが、薄まってしまう気がします」
これは、彼女のようなオリジナリティを大切にするクリエイターにとって、最も根深い恐怖だろう。
ノッティ:「面白い視点ですね。では、逆説的ですが、生成AIを使うことで、あなたの『個性』は、むしろ、より際立つとしたらどうでしょう?」
ゆづき:「どういうことですか?」
ノッティ:「例えば、あなたが『職場の人間関係に疲れた時の対処法』というテーマで記事を書くとします。
まず、生成AIに『このテーマで、一般的な対処法を5つ挙げてください』とお願いする。するとAIは、『①相手と距離を置く』『②信頼できる人に相談する』といった、優等生的な、当たり障りのない答えを出してくるでしょう」
ゆづき:「はい、いかにも生成AIが書きそうな内容ですね」
ノッティ:「その、いかにも生成AIが書きそうな『平凡な答え』を見たとき、あなたはどう思いますか?」
ゆづき:「『いや、そうじゃない!』って思います。
『私が本当に辛かった時、そんな単純なことじゃなかった。
私がやったのは、会社のトイレの個室で、少しだけ心を休ませるとか、デスクのまわりに可愛いものを置いて、それに癒やされるとか…そういう、もっと、個人的で、情けない、でもリアルな方法だった』、って」
ノッティ:「素晴らしい! まさにそれです!
生成AIが生成した『最大公約数の退屈な正論』は、あなたの心の中にある『あなただけのユニークな体験談』を、いわば『炙り出し』てくれるんです。
生成AIの文章は、あなたが乗り越えるべき『壁打ち相手』であり、あなたの個性を際立たせるための『引き立て役』になる。
つまり、生成AIには骨格だけ作らせ、そこにあなただけの血肉を、感情を、魂を、吹き込んでいく。そうやって完成した記事は、AIを使う前よりも、もっと深く、もっと鋭く、あなたの個性が輝くものになると思いませんか?」
ゆづき:「…AIを、引き立て役にする…。なるほど…。
そういう使い方ができるなら、たしかに、私の書くものが乗っ取られる、という感覚とは違いますね…。
でも、私、本当にそういう使い方ができるのかな。何だか難しそうだし、そもそも、どうやって生成AIにお願いすればいいのかも、よくわからなくて…」
彼女の警戒レベルが、少しだけ下がった。ここからは、具体的な「武器の扱い方」を、丁寧にレクチャーするフェーズだ。
第二章:生成AIという名の「超優秀なアシスタント」を雇う方法
ノッティ:「大丈夫ですよ。難しく考える必要はありません。ゆづきさんは今日、『ゆづき専用の、超優秀な新人アシスタント』を一人、無料で雇うんだと思ってください。
ただし、彼は、少し指示の仕方にコツがいる。これから、その『魔法の指示書』の書き方を、一つずつ伝授します」
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