新年度に考える、農家だけが持つ“もう一つの職場”
こんにちは、脳を耕す講演家。農テラスの山下弘幸です。
今回のテーマは
新年度に考える、農家だけが持つ“もう一つの職場”
というお話です。
4月に入り、新年度がスタートしましたね。
職場では、新入社員が入ってきたり、部署異動があったりと、
人の動きが一気に活発になる時期です。
新しい人間関係。
新しい役割。
新しい環境。
多くの人が「新しいコミュニティ」に入っていくタイミングです。
では、農業はどうでしょうか。
作付けが始まる、という季節の変化はあります。
しかし、会社のように人が入れ替わることはほとんどありません。
ここが、大きな違いです。
今日は少し視点を変えてお伝えします。
農業の職場は「畑」ではありません。
本当の職場は「地域」です。
私たちはつい、
「自分の農園が職場」
「田んぼや畑が仕事場」
そう思いがちです。
もちろん間違いではありません。
しかし実際には、
農業は“地域という組織”の中で動いています。
地域にはルールがあります。
会社で言えば、就業規則や社内ルールのようなものです。
さらに役割もあります。
・地域の祭りの担当
・神社やお寺の管理
・回覧板を回す係
・草刈りや溝掃除の段取り
これは会社でいう「役職」と同じです。
つまり農業者は、
自分の経営をしながら、
同時に「地域という会社」に所属している
そういう構造になっています。
そしてもう一つ大きな違いがあります。
それは「人間関係の深さ」です。
会社であれば、
隣のデスクの人と少しずつ会話をして、
年齢や家庭環境を知っていき、
徐々に距離を縮めていきます。
いわば“関係性を築くプロセス”があります。
しかし農村では違います。
生まれたときから、
すでに関係性が出来上がっている。
「あなたの親、祖父を知っている」
「あなたが赤ちゃんの頃、おむつ替えたのよ」
とか、
「小学校のとき手を引いてあげたよね」
つまり、
情報開示をしなくても、全部知られている世界です。
それも生まれたころのことから(笑)
これは安心でもあり、
同時に息苦しさでもあります。
人によっては、
・人と距離を取りたい
・プライベートをあまり知られたくない
・一人でいる方が楽
そういうタイプの人もいますよね。
現代の職場では、
「それ聞くのNGです」
「プライベートに踏み込みすぎ」
そんな空気も強くなっています。
先週休みの日は何してたの?
なんて聞くのもNG。
しかし、地方に来ると真逆です。
「お父さん何してるの?」
「どこの高校出身?」
「昨日の晩ごはん何だった?」
これが普通に飛んできます。
都会から来た人は驚きます。
でも、これが“地域という職場の文化”なんです。
ここで一つ問いです。
この環境、どう感じますか?
「居心地がいい」と思う人もいれば、
「しんどい」と感じる人もいます。
どちらも正しいです。
ただし農業の場合、
ここが非常に厄介です。
会社なら辞めればいい。
転職すればいい。
引っ越せばいい。
でも農業は違います。
・家がある
・畑がある
・地域がある
簡単には離れられません。
つまり農業とは、
“コミュニティごと背負う仕事”
でもあるわけです。
そして今、時代は変わっています。
・核家族化
・個人主義
・オンラインで働ける環境
人は「自由な距離感」を求めて、都市へ流れていきます。
一方で、
その距離感に疲れた人が、
また地方に戻ってくる場でもあります。
この流れは、これからも繰り返されるでしょう。
だからこそ、改めて伝えたい。
農業は、
「農産物を作るだけの仕事」ではなく
「地域の中で上手に立ち振る舞うことも仕事」なのです。
私は新しい人とで会うのが好きです。
逆に同じ人とずーっと一緒に“つるむ”のが苦手です。
新年度。
新しい環境が好きな人にとってはワクワクのシーズンです。
一方、
環境をあまり変えたくない、できれば同じ人間関係をずーっと続けたい。
そいう言う人にとってはストレスのシーズンです。
あなたは、どういう新年度を迎えていますか?
^^^^^^^^^^^^^^^^^^
【お知らせ】
第68回農ビジセミナー
令和8年4月9日(木)19:00~
1、テーマ 最新、ソーラーシェアリングの世界
現場でやってきたからわかる、太陽光と農業の本音
2、ゲストスピーカー
株式会社アグリツリー 代表取締役 西 光司
3、プロフィール
大手食品メーカーを経て、食と農に加えて、地域と再エネに可能性を感じ、
ソーラーシェアリングの会社を起業し、日本全国にて事業展開。
山口県下関市では合同会社有機の里の執行者とし、農業も営む。
一般社団法人ソーラーシェアリング推進連盟の共同代表理事。
たくさんのご参加お待ちしております(^^♪
