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第1話: 理由もなく疲れていた日に、白猫の精霊に出会った。

仕事から帰ってきて、
電気もつけずに座り込んでいました。

しばらく、動けませんでした。

最近、理由もなく、
少し疲れていました。

何かがあったわけじゃないのに、
胸の奥に小さなざわめきが残る日々。

うまく言葉にできない感情が、
静かに積もっていくような感覚でした。

そんな夜、
窓辺にふと現れたのは
白い小さな精霊でした。

白猫の精霊シーと初めて出会った夜


窓の外から、
やわらかな風がふっと部屋に入り込んで
きました。

その風は冷たくもなく、
ただ静かに、
胸の奥にそっと触れるような、
やさしい風でした。

心地よさに目を閉じると、  
ふと、
そこに“何かがいる”ような、
小さな気配を感じたのです。

驚いて目を開けると、  
そこには

白く、丸い、小さな猫が、
静かに立っていました。

まんまるいフォルムに、
首元には黄色のリボン。  
二本足で立ち、
尻尾には小さな葉っぱが
揺れています。  

その葉っぱは、まるで呼吸をするように、  
ゆっくりと淡い光を放っていました。  

その存在は言葉を持たず、
ただ静かに、
私のそばに寄り添っていました。

そしてふと、
小さく顔を上げて、
まっすぐ私を見上げていたのです。

不思議なことに、  
私はそれほど驚きませんでした。  

もちろん、
胸は少しだけ高鳴っていたのに、

怖いとは、まったく感じなかったのです。

むしろどこか懐かしくて、
「ああ、こういう存在は、
ずっと前からいたのかもしれない」

気づけば、
私はそれを、
当たり前のように受け入れていました。

そのとき、
白猫の精霊が、そっと近づいてきて

「大丈夫だよ」

まるで、そう言っているように、
白猫は静かに目を細めました。

その白猫が近づいたとき、
どこか、
陽だまりのようなやわらかい
温もりを感じました。

そして、
張りつめていたものが、
ふっとゆるんだのです。

胸の奥にあった重たさが、
少しだけ、軽くなった気がしました。


その存在の名前は、
「シー」。

人の心に芽生える感情を、
葉っぱにそっと吸い取り、
静かに還していく精霊。

ココロリーフと呼ばれる存在の、
ひとりでした。

シーは誰かを選んで現れるわけでは
ありません。

ただ、
心が少し疲れているとき。

やさしい気持ちを、
思い出そうとしているとき。

気づかないほど静かに、
そっと、そばにいるのだそうです。

あの日の夜から、私は時々、
風の中にその小さな気配を
感じるようになりました。

もしかしたら今も、

あなたのすぐそばで

気づかないふりをしているだけで、
静かに寄り添っているかもしれません。

白猫の精霊シーが。


🌙 この物語について

ココロリーフは、
大人のための心のファンタジーです。

無理をしてしまう日も、
言葉を飲み込んでしまう夜も、
すべてが心の揺れ。

その揺れに触れたとき、
精霊は姿を持ちます。

光だけでなく、
影も抱きながら。

🌿はじめての方はこちら
ココロリーフの世界の歩き方


🌙次回予告

白猫の精霊シーの葉っぱは、
人の感情に触れると光を放つ。

それはただの癒しではなく、
心を整えるための力だった。

そしてその夜、
私は知ることになる。

ココロリーフは
シーひとりではないことを。

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