接客ホスピタリティ力は結果だけでなく意図も大切ー"良かれと思って"が裏目に出た瞬間
月曜日は接客応援団のアールです。
私は仕事で出張も多く、先日も定宿のひとつに宿泊してきました。
そのホテルは、いつも心地よい接客をしてくれるシティホテルです。
そこで起きたちょっともったいないケースを、育成視点から書きたいと思います。
ホテルスタッフの気づかい
そのホテルは7階にロビーがあり、エレベーターは1基。
チェックアウトの時間帯にはお客様用のエレベーターが混み合うことが多く、朝は長い列ができることもあります。
その日も私は列に並び、順番を待っていました。
するとフロントスタッフの方が
「お待たせして申し訳ございません。よろしければ従業員エレベーターへご案内いたします」と気を利かせてくれました。
ただお詫びをするだけではなく、お客様のご不便を解消しようとするマインド。その意図が嬉しいですよね。

ところが…
“良かれと思って”が裏目に出た瞬間
スタッフの方と一緒に従業員エレベーターに乗り込み、1階へ。
仕事に向かうお客様が多い中、皆さんも少しでも早く出口に向かえることをホッとしている様子でした。
でも従業員エレベーターは各階停止…
さらに、途中の階では、清掃スタッフの方も外に待機しており、扉が開くとお客様が複数乗っていることに少し驚いた様子。
「失礼いたします!」と急いで掃除機やモップなどの清掃用具を積み、乗り込んできていました。
結果的に、1階に到着するまでにかなり時間がかかり、7階で待っていたとしてもお客様用の直通エレベーターの方が早く到着していました。

気づかい行動は意味がなかったのか
このエピソードは、結果としてお客様満足につながらない行動となり、“良かれと思ってした行動が裏目に出た”ように見えます。
でも育成の視点では、「やって意味なかった」と片付けるのはもったいないのです。
なぜなら、お客様満足を高めるために必要な要素の一つが満たされているからです。
ホスピタリティは「意図×行動」のセット
接客・ホスピタリティは単なるスキルではなく、スキルとマインドの掛け合わせが必要です。
つまり、お客様応対には「意図と行動・言動のセット」が欠かせません。
今回のケースは、行動の結果だけを見れば満足につながったとは言い難いかもしれません。
ですが意図としては、「エレベーターが混み合い長くお待ちのお客様がいらっしゃる」「私たちが力になるためにはどうしたらよいか」という前向きさを感じます。
これを結果だけで評価して「余計なことをした」と受け止めてしまえば、せっかく芽生えた“お客様のために一歩動こうとする意識”そのものを止めてしまうことになります。

意図を生かし、行動の質を高める
私の古巣のホテルでは、宿泊中のお客様のサプライズ演出をお手伝いする際、ルームサービスをタイミングよくお届けできるよう、従業員エレベーターを一時的に1台空けるなどの連携をとっていたことがありました。
例えば今回のケースにおいて、「お客様を今から従業員エレベーターに案内します」との事前連絡がなかったとしても、「従業員エレベーターでお客様をご案内することもある」という周知やルールがあれば、清掃スタッフの方も驚かずに対応できたはずです。
また、案内していたスタッフが、扉が開いたときに、外にいる従業員に対して、「お客様ご案内中です」とひと声かけるだけでも、周囲に優先を知らせることができます。
こうした連携の工夫があれば、このホスピタリティマインドを最大限生かすことができ、“結果につながる行動”へと進化させていくのです。
「意図を認める」ことが、ホスピタリティを育てる
ホスピタリティの成長には「意図を認める」ことが欠かせません。
意図があってこそ、行動の質を高めるステップに進める。
結果だけを見て評価してしまうと、挑戦や工夫の芽が摘まれてしまいます。
失敗を恐れず、「お客様のためにできること」を考える前向きさを止めない。
そして、その意図を次の行動改善につなげていく。
それこそが、現場でホスピタリティを育て続けるための、一番大切な土台だと感じます。
顧客満足向上のための記事はこちら→
