VFX 入門
映画やドラマ、CMなどで使われる「VFX」について、主なタスク・ツール・専門用語を中心にまとめました。
1. はじめに
映画、ドラマ、CM、MV、YouTube、ゲームトレーラーなど、現代の映像制作に欠かせない技術のひとつが「VFX」です。
「VFX」とは Visual Effects の略で、日本語では「視覚効果」と訳されます。実写映像にCGや合成処理を加え、現実には撮影できないもの、撮影が難しいもの、撮影すると危険なものを、自然な映像として成立させるための技術です。
たとえば、次のような表現に「VFX」が使われます。
・空を飛ぶヒーロー
・崩壊するビル
・架空のモンスター
・未来都市
・魔法やビームのエフェクト
・宇宙空間
・実際には存在しない背景
・撮影時に映り込んだ不要物の除去
「VFX」というと、派手な爆発やモンスターを思い浮かべるかもしれません。しかし、実際の「VFX」には「観客に気づかれない作業」も多く含まれます。ワイヤーを消す、背景を少し拡張する、曇り空を夕焼けに変える、看板の文字を差し替える、肌や衣装の細部を整える。こうした地味な処理も、映像を自然に見せるためには重要です。
よい「VFX」ほど、観客はそれが「VFX」だと気づきません。
2. VFX と CG の違い
「VFX」と「CG」はよく混同されますが、意味は少し違います。
「CG」は Computer Graphics の略で、コンピューターで作られた画像や映像のことです。3Dモデル、キャラクター、建物、車、武器、煙、炎、水などの表現に加え、2D画像やデジタル処理で作られるグラフィックスも含まれます。
一方、「VFX」は、実写映像とCG、実写素材、画像加工、合成処理などを組み合わせて、最終的な映像を作る工程全体を指します。
VFXの文脈では、「CG」はVFXを構成する重要な要素のひとつです。
たとえば、実写で撮影した道路の映像に、3Dで作った巨大ロボットを合成する場合、ロボットを作る作業は「CG」です。そのロボットを実写映像に配置し、光や影、色、カメラの動きに合わせて自然に見せる作業全体が「VFX」です。
3. VFXの主なタスク
「VFX」制作には、さまざまな作業があります。ここではまず、実写映像に対して直接行われる代表的なVFXタスクを紹介します。
3-1. コンポジット
「コンポジット」は、複数の映像素材をひとつの画面に合成する作業です。
実写映像、CG、背景、煙、火花、光、影、反射、マット素材などを組み合わせ、最終的な映像として自然に見えるように調整します。
VFXの中心的な工程であり、「素材を重ねること」ではなく、「最初からその場所で撮影されたように見せること」が目的です。
3-2. キーイング
「キーイング」は、グリーンバックやブルーバックで撮影された映像から背景色を抜き、人物や物体だけを取り出す作業です。
「クロマキー合成」とも呼ばれます。
背景色をきれいに抜くだけでなく、髪の毛、半透明の布、モーションブラー、影、反射などを自然に残すことが重要です。
また、グリーンバックの色が被写体に反射してしまう「スピル」を除去する作業も含まれます。
3-3. ロトスコープ
「ロトスコープ」は、映像の中の人物や物体を手作業で切り抜く作業です。
グリーンバックがない映像で人物だけを分離したい場合や、一部だけにエフェクトをかけたい場合に使われます。
髪の毛、指、服のシワ、素早い動き、モーションブラーがある部分は難易度が高く、地味ですが重要な作業です。
3-4. トラッキング
「トラッキング」は、映像内の特定の点や面の動きを追跡する作業です。
スマートフォン画面の差し替え、壁にポスターを追加する、看板の文字を変更する、といった作業に使われます。
2D的な動きを追う場合もあれば、カメラの3D的な動きを解析する場合もあります。
3-5. マッチムーブ
「マッチムーブ」は、実写カメラの動きを解析し、3D空間上に再現する作業です。
カメラが動いている実写映像にCGを合成する場合、CG側のカメラも実写と同じように動く必要があります。
これが合っていないと、CGだけが画面上で滑ったり、浮いたりして見えます。
3-6. クリーンアップ
「クリーンアップ」は、映像内の不要なものを消す作業です。
ワイヤー、撮影スタッフ、マイク、カメラの反射、通行人、看板、センサー、マーカー、ゴミ、傷などを自然に消します。
目立たない作業ですが、映像の完成度を大きく左右します。
3-7. ペイント
「ペイント」は、映像の一部を描き足したり、修正したりする作業です。
クリーンアップと近い領域ですが、不要物の除去だけでなく、欠けた背景を補う、反射を修正する、細かな汚れを整える、といった作業も含まれます。
静止画的な修正だけでなく、動く映像に対して自然に馴染むように処理する必要があります。
3-8. マットペイント
「マットペイント」は、背景や環境を絵・写真・CGなどで作成し、実写映像に合成する作業です。
実際には存在しない城、未来都市、荒廃した街、巨大な山脈、宇宙ステーションなどを作るときに使われます。
実写背景を拡張する「セットエクステンション」と組み合わせて使われることも多いです。
3-9. セットエクステンション
「セットエクステンション」は、実際に撮影したセットや背景を、CGやマットペイントで拡張する作業です。
撮影現場には建物の一部だけを作り、画面の奥に広がる街並みや城、スタジアム、宇宙船内部などをあとから追加します。
実際に巨大なセットを建てるよりもコストや安全面で有利なため、映画やドラマで頻繁に使われます。
4. VFX に関わる3D・CG工程
ここからは、実写素材に直接処理を加えるタスクというより、VFXショットに使うCG素材を作るための工程です。実写合成を中心に見ると補助的な工程に見えますが、怪獣、ロボット、宇宙船、魔法、爆発、破壊表現などを作る場合には欠かせません。
4-1. 3Dモデリング
「3Dモデリング」は、コンピュータ上で立体物を作る作業です。
キャラクター、怪物、乗り物、建物、武器、小道具、背景オブジェクトなどを作成します。
「VFX」では、最終的に実写映像へ合成されることを前提に、ショットに必要な精度でモデルを作ります。
4-2. テクスチャリング
「テクスチャリング」は、3Dモデルの表面に色や質感を与える作業です。
金属、木、布、肌、プラスチック、石、ガラスなど、それぞれの質感を再現するために、色、反射、粗さ、凹凸、汚れ、傷などを設定します。
4-3. ルックデブ
「ルックデブ」は Look Development の略で、CG素材の最終的な見た目を作り込む工程です。
モデルやテクスチャに対して、光が当たったときにどのように見えるかを調整します。
たとえば、金属のロボットであれば、反射の強さ、塗装の剥がれ、傷、汚れ、表面の粗さなどを決めていきます。
4-4. リギング
「リギング」は、3Dモデルを動かせるように骨格や制御システムを組み込む作業です。
キャラクターの腕や脚、顔、指、しっぽ、翼などを、アニメーターが操作しやすいように設定します。
人型キャラクターだけでなく、ロボット、動物、乗り物、機械などにも使われます。
4-5. アニメーション
「アニメーション」は、CGキャラクターや物体に動きを付ける作業です。
キャラクター、怪物、ロボット、車、飛行機、宇宙船、瓦礫などを動かします。
リアルなVFXでは、動きの重さ、慣性、スケール感が重要です。
巨大な怪獣が軽く見えたり、車の動きが不自然だったりすると、モデルがリアルでも説得力が落ちます。
4-6. FXシミュレーション
「FXシミュレーション」は、炎、煙、水、爆発、破壊、砂、布、髪などの動きを物理的に再現する作業です。
VFXの中でも派手で目立つ工程です。
ただし、リアルに見せるには派手さだけでなく、重さ、速度、スケール感、光、空気感が重要です。
4-7. ライティング
「ライティング」は、CG空間内に光を配置し、CG素材の見え方を調整する作業です。
実写映像にCGを合成する場合、CGの光の方向や強さが実写と合っていないと、すぐに違和感が出ます。
光の方向、強さ、色、影、反射、環境光などを調整し、CGが実写の中に存在しているように見せます。
4-8. レンダリング
「レンダリング」は、3Dシーンを画像や映像として書き出す工程です。
3Dモデル、質感、ライト、カメラ、アニメーションなどをもとに、最終的な画像を計算します。
レンダリングされたCG素材は、そのまま完成映像になることもありますが、多くの場合はコンポジット工程で実写映像と合成されます。
5. VFX でよく使われるツール
「VFX」では、目的に応じて多くのツールが使われます。ここでは代表的なものを紹介します。
5-1. After Effects
「After Effects」は、Adobeの映像制作ソフトです。
モーショングラフィックス、コンポジット、ビジュアルエフェクト、タイトルアニメーション、エフェクト制作などに広く使われています。
初心者にも比較的入りやすく、YouTubeやSNS向けの映像制作でもよく使われます。
短尺映像、広告動画、モーショングラフィックス、簡単な合成作業に向いています。
5-2. Nuke
「Nuke」は、映画・テレビなどのVFX現場で広く使われるノードベースのコンポジットソフトです。
ノードベースで作業するのが特徴です。
複雑な合成を管理しやすく、映画やハイエンドな映像制作で広く使われています。
「After Effects」がレイヤーベースなのに対し、「Nuke」はノードをつなげて処理の流れを作ります。
大規模な「VFX」ショットでは、どの処理がどこで行われているかを把握しやすいノードベースの仕組みが強みになります。
5-3. Blender
「Blender」は、無料で使える高機能な3DCGソフトです。
モデリング、アニメーション、シミュレーション、レンダリング、コンポジット、簡単な動画編集まで幅広く対応しています。
無料ながら非常に強力で、個人制作や学習用途では特に人気があります。
「VFX」入門者が3Dや合成の流れを学ぶには、とてもよい選択肢です。
5-4. Maya
「Maya」は、映画、アニメ、ゲームなどの制作現場で広く使われる3Dソフトです。
キャラクターアニメーション、モデリング、シミュレーション、レンダリングなどに強く、リギングを含む大規模な制作パイプラインでもよく使われます。
大規模な制作パイプラインに組み込まれることが多く、キャラクターや複雑なアニメーションを扱う場面でよく使われます。
5-5. Houdini
「Houdini」は、プロシージャル制作、VFX、シミュレーション、ルックデブ、ライティング、レンダリングなどに使われる3Dソフトです。
炎、煙、爆発、破壊、水、砂、群衆、魔法エフェクトなど、複雑なFX制作でよく使われます。
ノードベースで処理を組み立てるため、学習難易度は高めですが、非常に柔軟で強力です。
「VFX」の中でも、特にFXアーティストを目指す人にとって重要なツールです。
5-6. Cinema 4D
「Cinema 4D」は、モーショングラフィックスや広告映像でよく使われる3Dソフトです。
操作性が比較的わかりやすく、After Effectsとの連携にも強いです。
抽象的な3D表現、タイトル映像、商品ビジュアル、広告向けCGなどでよく使われます。
5-7. DaVinci Resolve / Fusion
「DaVinci Resolve」は、編集、カラーグレーディング、音声編集、合成まで対応する映像制作ソフトです。
その中に含まれる「Fusion」は、ノードベースのコンポジット機能です。
無料版でも高機能で、編集からカラー、簡単なVFXまで一通り試せます。
映像制作全体の流れを学びたい人にも向いています。
5-8. Mocha
「Mocha」は、平面トラッキングに強いツールです。
壁、画面、看板、床などの面を追跡する作業に向いています。
スマートフォン画面の差し替え、看板の置き換え、不要物除去などでよく使われます。
「After Effects」と組み合わせて使われることも多いです。
5-9. Substance 3D Painter
「Substance 3D Painter」は、3Dモデルに質感を描き込むためのツールです。
金属の傷、革のしわ、泥汚れ、塗装の剥がれなどを直感的に作ることができます。
テクスチャリングやルックデブの工程でよく使われます。
5-10. Unreal Engine
「Unreal Engine」はゲームエンジンですが、近年は映像制作やバーチャルプロダクションでも使われています。
リアルタイムレンダリングが強みで、LEDウォールを使った撮影や、プリビズ、リアルタイム背景制作などに利用されます。
従来のVFX制作ではレンダリングに時間がかかることが多いですが、リアルタイムエンジンを使うことで、撮影現場で完成に近い映像を確認しながら制作できます。
6. VFX でよく出てくる専門用語
「VFX」を学び始めると、多くの専門用語に出会います。ここでは、よく使われる言葉を整理します。
6-1. プレート
「プレート」は、VFX作業の元になる実写映像素材のことです。
たとえば、俳優だけを撮影した映像、背景だけを撮影した映像、何も合成されていない元映像などをプレートと呼びます。
「VFX」では、この「プレート」を基準にしてCGやエフェクトを追加していきます。
6-2. エレメント
「エレメント」は、合成に使う個別の素材のことです。
煙、炎、火花、光、雨、ほこり、CGレンダー、背景素材などがエレメントです。
実写で撮影された素材もあれば、CGで作られた素材もあります。
6-3. マット
「マット」は、映像のどの部分を表示し、どの部分を隠すかを決める白黒画像やチャンネルです。
白い部分は表示、黒い部分は非表示、グレーの部分は半透明として扱われることが多いです。
人物の切り抜きやエフェクトの適用範囲を制御するときに使います。
6-4. アルファチャンネル
「アルファチャンネル」は、画像や映像の透明度情報です。
RGBが色の情報を持つのに対し、アルファは透明・不透明の情報を持ちます。
合成作業では、アルファチャンネルを使って素材を自然に重ねます。
6-5. ノード
「ノード」は、特定の処理を行う部品のようなものです。
Nuke、Houdini、Fusion、Blenderなどでは、ノードをつないで処理の流れを作ります。
たとえば、色補正のノード、ぼかしのノード、キーイングのノード、合成のノードなどがあります。
ノードベースの作業では、処理の流れを視覚的に整理しやすいという利点があります。
6-6. レイヤー
「レイヤー」は、素材を層のように重ねて管理する考え方です。
After EffectsやPhotoshopでは、背景、人物、光、煙、文字などをレイヤーとして積み重ねます。
レイヤーベースは直感的に扱いやすいため、初心者にも理解しやすい仕組みです。
6-7. グリーンバック / ブルーバック
「グリーンバック」や「ブルーバック」は、背景を単色にして撮影し、あとからその色を抜いて別の背景と合成するための撮影方法です。
緑や青がよく使われるのは、人物の肌色と離れていて、キーイングしやすいからです。
衣装や小道具に緑や青が含まれる場合は、背景色の選択に注意が必要です。
6-7. スピル
「スピル」は、グリーンバックやブルーバックの色が被写体に反射してしまう現象です。
たとえば、人物の髪や服の端に緑色が乗ってしまうことがあります。
合成時には、このスピルを除去して自然な色に戻す必要があります。
6-8. モーションブラー
「モーションブラー」は、被写体やカメラが動いたときに発生する動きによるブレです。
実写映像では自然に発生します。
CGを実写に合成するとき、CGだけがくっきりしすぎていると不自然に見えるため、実写に合わせたモーションブラーを加えることがあります。
6-9. デプス
「デプス」は、映像やCGにおける奥行き情報全般を指す言葉です。
近いものと遠いものを区別するために使われます。
デプス情報を使うと、奥行きに応じてぼかしを加えたり、霧や空気感を足したりできます。
6-10. Z深度
「Z深度」は、その奥行き情報をレンダリング時のパスやチャンネルとして扱う場合によく使われる言葉です。
レンダリング時にZ深度パスを書き出しておくと、コンポジット時に奥行き方向の処理がしやすくなります。
たとえば、遠くの建物だけを少し霞ませる、背景にだけ被写界深度をかける、といった調整ができます。
6-11. レンダーパス
「レンダーパス」は、CGを要素ごとに分けて書き出した素材です。
完成画像を1枚で出すのではなく、影、反射、拡散光、ハイライト、奥行き、マスクなどを別々に出力します。
コンポジット時にそれぞれを調整できるため、最終的な画作りの自由度が高くなります。
6-12. AOV
「AOV」は Arbitrary Output Variables の略で、レンダリング時に出力する任意の画像情報を指します。
レンダーパスと近い意味で使われることもあります。
たとえば、diffuse、specular、reflection、shadow、ambient occlusion、CryptomatteなどをAOVとして出力します。
6-13. HDRI
「HDRI」は、High Dynamic Range Image の略です。
明るさの情報を広い範囲で持った画像で、CGの環境光や反射に使われます。
実写の撮影現場でHDRIを撮影しておくと、CGをその現場の光に近づけやすくなります。
6-14. リニアワークフロー
「リニアワークフロー」は、色や明るさを物理的に自然な形で扱うための考え方です。
CGや合成では、色空間やガンマの扱いが重要です。
リニアワークフローを正しく使うことで、光の合成やぼかし、グローなどが自然に見えやすくなります。
6-15. カラーマネジメント
「カラーマネジメント」は、撮影、CG、合成、編集、納品までの間で色を正しく管理する仕組みです。
同じ映像でも、モニターやソフト、出力形式によって色が違って見えることがあります。
「VFX」では、意図した色を保つために、色空間や変換ルールを正しく扱う必要があります。
6-16. LUT
「LUT」は Look-Up Table の略で、色変換の設定データです。
撮影素材を見やすくするため、または特定のルックを適用するために使われます。
ただし、LUTをかけるだけで映像が完成するわけではなく、正しいカラーマネジメントの中で使う必要があります。
6-17. トラッキングマーカー
「トラッキングマーカー」は、撮影時に背景や物体に貼る目印です。
あとからトラッキングやマッチムーブをしやすくするために使われます。
グリーンバック撮影では、背景に小さなマーカーを配置して、カメラの動きを解析しやすくします。
6-18. プリビズ
「プリビズ」は Previsualization の略で、撮影前にシーンを簡易的に映像化する作業です。
カメラアングル、キャラクターの動き、アクションの流れ、編集のテンポなどを事前に確認するために使われます。
大規模なVFXシーンでは、撮影前にプリビズを作ることで、現場で必要な素材やカメラワークを明確にできます。
6-19. ポストビズ
「ポストビズ」は、撮影後の実写映像に仮のCGやエフェクトを入れて、完成イメージを確認する作業です。
編集や演出判断のために使われます。
最終品質ではありませんが、完成映像の方向性を共有するために重要です。
6-20. バーチャルプロダクション
「バーチャルプロダクション」は、実写撮影とリアルタイムCGを組み合わせる制作手法です。
LEDウォールに背景を表示し、その前で俳優を撮影する方法が代表的です。
従来は撮影後に背景を合成していたものを、撮影時点でかなり完成に近い形で確認できます。
7. VFX 制作の基本的な流れ
「VFX」制作は、作品の規模によって流れが変わりますが、大まかには以下のように進みます。
7-1. 企画・設計
どのシーンに「VFX」が必要かを決めます。
現実に撮影する部分、CGで作る部分、合成で処理する部分を整理します。
この段階で、撮影方法や必要な素材を考えておくことが重要です。
7-2. 撮影
「VFX」を前提に実写素材を撮影します。
グリーンバック、トラッキングマーカー、HDRI、リファレンス写真、カメラ情報などを記録します。
この情報が不足していると、後工程で苦労することがあります。
7-3. マッチムーブ・レイアウト・アセット制作
3Dモデル、テクスチャ、背景、エフェクト素材などを作ります。
キャラクターや建物、乗り物など、合成に必要な素材を準備します。
7-4. アニメーション・シミュレーション
CGキャラクターや物体に動きを付けたり、炎・煙・水・破壊などのシミュレーションを行ったりします。
ショットの演出に合わせて、動きやスケール感を調整します。
7-5. ライティング・レンダリング
CGに光を当て、実写映像に合うように調整します。
その後、レンダリングしてコンポジット用の素材を書き出します。
必要に応じて、複数のレンダーパスやAOVを出力します。
7-6. コンポジット
実写映像、CG、エフェクト、背景、マット素材などを合成します。
色、明るさ、影、ノイズ、ぼけ、レンズ効果を調整し、ひとつの映像として自然に見えるように仕上げます。
7-7. レビュー・修正
完成したショットを確認し、違和感のある部分を修正します。
VFXでは、細かな修正を何度も繰り返すことが多いです。
7-8. 最終納品
編集、カラーグレーディング、音響などの工程と合わせて、最終的な映像として書き出します。
VFXは単独で完結するものではなく、映像制作全体の一部として完成します。
8. VFX は「派手な加工」ではなく、映像の説得力を作る技術
「VFX」は、単に画面を派手にするための技術ではありません。
現実には撮れないものを自然に見せる。撮影では足りなかった情報を補う。不要なものを消して、映像の集中力を高める。作品の世界観を支える。
そのための技術が「VFX」です。
CG、合成、トラッキング、ロトスコープ、ライティング、レンダリング、シミュレーションなど、多くの専門作業が関わります。
最初は用語が多くて難しく感じるかもしれませんが、VFXの全体像を理解すると、映像を見る目も変わります。
「この背景は実写なのか、CGなのか」
「この影はどうやって合わせているのか」
「このカメラの動きにCGをどう追従させているのか」
「この映像のどこまでが撮影で、どこからが合成なのか」
そうした視点で映像を見ると、「VFX」の面白さが少しずつ見えてきます。
関連
Gemini Omni Flashで動画を編集するときは、
— タナベ | 動画・音声生成AI解説 (@tanabe_fragm) May 23, 2026
「この部分以外は変更しないで」
「それ以外は何も変えないで」
のようなプロンプトを入れるのがおすすめです😃
こう書くだけで、指定した箇所以外が勝手に変化するのをかなり減らせます👍
実際に、
・「何も変えないで」と入力した動画… pic.twitter.com/hlCsCsI1p3
