貨物列車と「ホーボー」(Hobo) ワシントン州 1982年
この写真ではないが、日本の車両の長さと比較ないならないほど長く連結された貨物列車が、コロンビア河を挟んでほぼ毎日走っていた。たまに季節の変わり目などに、列車外側の屋根の上にちらほらと人影を見えることがあった。
ある日、年老いた大ボスがその人影を指差して、あの連中を知っているか?と俺に聞いてきた。答えようとする前に、あいつらは「ホーボー」(Hobo)と呼ばれるんだ。定職も持たず日銭を稼ぐ仕事をしながら土地から土地へあんな風にして無賃乗車しながら流れていく連中だ、と言った。噛みタバコをぺっぺと口から吐き出しながら説明してくれた。思い切り軽蔑しているのが言葉の端々から感じとれた。
「ホーボー」、カウンターカルチャー本やザ・バンドなどの歌詞に気がつくことがあり、単なる知識として言葉の意味、背景などを知っていた。だが、実際の目の前にいる保守的且つ典型的なアメリカ人が発する言葉の響きに改めて奇妙な新鮮さを感じた。
そして、当時はこう思った。とんでもない、俺はあいつらみたいに乗ったまま、どこか知らない場所へ行ってみたい側だと言ってやりたかったのを覚えている。
