見出し画像

アメリカ留学を勧めてきたがやめた!学の独立無くして何を学ぶ?(実体験を踏まえ私的感想)

表紙写真:1992年Keio University Sunner Program at the College of William and Mary. President Houseの前にて。参加学生、ファカルティ・スタッフ(一列目左端筆者)。プログラム・テーマ:One Nation, Many Faces: Pluualism and Its Expression in AMerican Socity. 開発まで10年の下準備があった。 アメリカ独立宣言の起草者で、3代目大統領トーマス・ジェファーソンはWilliam and Maryの卒業生。




共同通信社(AP)発”International students weigh new risks of pursuing higher education in the US under Trump"(留学生はトランプ政権下での新たなリスクを考え始める)を読んだ。

表紙写真に写っているのは筆者の母校ジョージタウン大学のようだ。アメリカの大学には国内外外から優秀な学生が集まって来る。大学院などは優秀な大学ほど留学生の数が多い。ある意味指標となっている。だからアメリカの大学は必死になって留学生をリクルートする。

筆者が在籍した言語学科には世界七大陸から様々な言語を話す精鋭が集まっていた。現地学生も含め学生全員が英語、母語などの他の言語とのマルチリンガルである。学生によっては10ヵ国語も。言語学上の諸概念・諸理論についてその場でそれぞれが知る言語を基に実証実験。

例えば、いわゆるサピア・ウォーフの仮説(Sapir-Whorf Hypothesis )が主張する相対的言語論か生成文法(generative transformational grammar)が主張する普遍的言語論が正しいか、授業では、様々な言語の例が飛び出し、教授学生が分け隔てなく一緒になって議論した。こうした様々な諸理論、諸概念がアメリカを発祥の地とした要因はここにあった。それよりも、とにかく自由に相対する意見が活発に交わされる場であった。

大学には哲学、宗教、倫理、政治学、経済学、社会学、文学、教育学、歴史、PE 音楽、そして、科学、工学、物理学、医学、心理学、生物学、コンピュータ・サイエンスなどなど様々な専攻がある。それぞれの専攻の授業でも同じ光景が繰り広げられていた。とにかく自らの思うところを臆せず表現する、そして、表現させる場がアメリカの各大学にはあった。1970年代のアメリカの大学はそんな感じであった。自由!

詳細に関心ある読者は、筆者マガジン『アメリカ留学(1968-1978)を振り返って、恩師の方々』を参照されたい。

従って、筆者は1978年に慶應義塾大学経済学部に職を得て英語を教え始めるや筆者が体験したことを体験してもらいたいと思い、国際センターの役職を買って出てアメリカ留学をできるだけ多くの学生が享受できるよう紛争した。学生の留学相談には積極的に応じ、それぞれに合う大学を一緒に調べ推薦状を書いた。経済学部在任中に恐らく100名以上の学生をアメリカやイギリスの大学に送った。

1990年に同大学湘南藤沢キャンパスに移籍するや、最初に行ったのはSFCが理念とする問題発見解決型の独自のアメリカ夏季研修プログラムだった。縁があってウイリアム・メアリー大学に単身赴きコンタクトを取ったのは1990年の3月であった。ゆくゆくはKeio-William Maryの交換プログラムにしたいと述べた。そして1991年7月末から8月初旬の2週間の研修プログラムを実現させた。以降、毎年、学生同士の交流が深まり、現在は慶應全体のプログラムに成長した。

1991Keio University Summer Program at the College of William and Mary
1991 Keio SFC-William & Mary Summer Program


Keio University  Summer Program at the William & Mary 筆者とW&Mとのプログラム構築からの書簡・書類ファイル一部、残念ながら無数のemail交信記録は残っていない

かくして2008年慶應義塾を定年退職するまでアメリカに何人の学生を送ったのだろうか。

しかし、残念ながら現在、以下のような報道を見ると、留学生がのびのびと勉学できるような環境ではないようだ。授業料が高騰し、生活費が高騰してしまった。それは大学側の理解があれば克服できる。しかしこれらの報道をを見る限りもはやアメリカには留学生が安心して勉強できる環境は無さそうだ。筆者が学生に体験してほしかったのは、あの言論の自由、教員と学生が対等に意見を交わせる場であった。それが無くして何を学びに行くのか。Keio University  Summer Program at the William Maryが掲げたテーマ:One Nation, Many Faces: Pluualism and Its Expression in American Socityは何であったのか?幻か?

結論から言おう。現下の状況ではアメリカの大学への留学は心からお勧めできない。それがまたできるようになったらと思うのだが、覆水盆に戻らず、一回失った信用は簡単に戻るであろうか。これらの報道ではカナダ、イギリス、EU,オーストラリアへシフトしているようだが。。。。

「春疾風ピカリドシャリの蹴散らかし。」

関連する以下の記事サイトをご覧あれ。

(2025年4月12日記)

後記:4月16日ハーバード大学は学の独立を死守すると発表

さすがはハーバード。Harvard’s president rejected Trump’s demands. Here’s how other university leaders ... 筆者、。今、幼稚園、小学校に通っている世界中の児童が20年後も自由に学べる環境をと願いを込め」、微力ながらも、Harvard's bold and courageous choice!"Veritus" matters now more than ever!. Let's hold on together!|でその勇気に賛辞を贈る。


その他関連記事

International Students Face Tough Choices for Education in the US

Columbia University arrests worry international college students | AP News

Foreign students urged to return to US campuses before Trump inauguration | AP News

いいなと思ったら応援しよう!

鈴木佑治 N.Yuji Suzuki サポートいただけるととても嬉しいです。幼稚園児から社会人まで英語が好きになるよう相談を受けています。いただいたサポートはその為に使わせていただきます。