たのしいぞ郷土資料館「武蔵野市立武蔵野ふるさと歴史館」
武蔵野市と三鷹市の位置関係を知らぬままこの日まで生きてきた。
吉祥寺駅=武蔵野市だが井の頭公園は三鷹市
三鷹駅=三鷹市とおもわせて武蔵野市も半分噛んでいる
武蔵境駅=え?三鷹市じゃないの?!
武蔵野市立武蔵野ふるさと歴史館は武蔵野市の最西にありました。

よく覚えておいてください。
1.施設概要
・施設名称 武蔵野市立武蔵野ふるさと歴史館
・営業時間 午前9時30分から午後5時00分
・入館料 無料
・休館日 金曜日、祝日
・写真撮影 OK
西部図書館の移転を受けて2014年に開設。新設ではないが新しい施設だ。10周年にあたって昨年(2024年)常設展をリニューアルしている。
2.まずはホームページで予習
どんな郷土資料館面(づら)をしているのか。まずはホームページで予習していこう。
縦スクロール1本!役所のフォーマットを踏むにしたってもうちょっとうまいことできないものか・・・だがそこが良い。間違いなく郷土資料館らしい郷土資料館が待っている。なおズタボロの公式サイトとは対照的にSNS(Facebook、X、インスタグラム)へは節操なく いや、積極的に手を出しているみたいです!
3.武蔵野ふるさと歴史館の来歴
郷土資料館はその多くがバブル期に計画され、はじけるタイミングで開館を迎える。まるでハコモノの権化のような存在だ(あくまでもわたしのイメージです)
本市も武蔵野村(武蔵野市)誕生100周年の見えてくる1988年頃に「武蔵野歴史資料館(仮称)」と「武蔵野民俗資料館(仮称)」の建設を試みる。まさかの歴史と民俗の2本立て。バブル脳でしかおもいつかない大胆な構想だ。だがバブルは崩壊。計画は頓挫し郷土資料館構想は長い長い塩漬けに入る。
事態が動くのは2011年のこと。武蔵野市は図書館・生涯学習支援・市民活動支援・青少年活動支援を備えた複合施設「武蔵野プレイス」を新設する。平成のドン底に満を持して導入されたハコモノである。ここに西部図書館が移転することになり・・・
跡地(既存施設)を活用するかたちで武蔵野ふるさと歴史館は開設された。新築の武蔵野プレイスの仲間に入れてもらえなかったことに胸が痛むが、構想二十数年!ついに日の目を見るのである。
※開設の経緯はこちらのサイトの記事を参考とさせていただきました
4.公式マスコットキャラクター「むーくん」
すごいキャラがいたものだ。
武蔵野ふるさと歴史館のマスコット「むーくん」である。

武蔵野市のかたちをした、武蔵野ふるさと歴史館のマスコット。犬のようにも見えるけど、実際のところはまだよくわかっていない。いつも目をキラキラさせて、新たな発見を探しているみたい。むーくんを知ったあなたは、武蔵野市の地図がむーくんにしか見えなくなるかも。
冒頭で武蔵野市の形を覚えていて欲しいと申し上げたが、こういうわけです。この地形からよくぞ犬(?)にまでイメージを膨らませたものだ。

むーくんの肛門あたりに位置するのかな?
首輪のところに「東京都水道局 境浄水場」そしてベロは井の頭公園の「井の頭池」かな?

三鷹市は井の頭池の領有権を主張したほうがいい。ベロにされてっぞ!!
4.アクセス
JR中央線、西武多摩川線の武蔵境駅から徒歩12分。東小金井駅とのちょうど中間に位置している。線路沿いをまっすぐ歩けばOKの好立地だ。

5.外観と周辺環境

跡地活用ですからね。外観に主張はなくただただ控えめな佇まいです。

外観といい脱力しきったホームページの具合といい、大田区立歴史博物館とテイストの似た施設だ。
6.いざ、入館
安定感のある通史展示が展開。

中世の武蔵野は何もない
草っぱらが3日も続こうかというほど何もない
武蔵野台地に属する東京の郷土資料館たちはこれを色々な手法や表現で示してくれている。これを見比べるのも楽しい。

武蔵野は 月の入るべき 山もなし 草より出でて 草にこそ入れ
練馬区は江戸時代に広まった俗謡を展示に採用したが、武蔵野市は原典の源道方の和歌を採用していた。
武蔵野は 月の入るべき 峰もなし 尾花が末に かかる白雲

文書系の収蔵品が中心でちょっと地味な展示だが解説パネルが見ごたえ(読みごたえ)があってとても良かった。
ふるさと歴史館は解説がとにかく面白くて・・・

こっちにも、むーくん!!

右上にもいるんだよ。むーくんが

へぇ白犬バージョンもいるのかなどと
おもってしまうわけで


あぁもう!武蔵野市がむーくんにしか見えないしむーくんを探してしまう。ふるさと歴史館の策にまんまと嵌ってしまった。
話を解説に戻そう。
おもしろくて見入ってしまったのが民俗資料の特集展示「お盆」と企画展「霊峰富士に祈る -武蔵野の富士講-」の展示だ。

昭和59年(1984)から平成3年(1991)にかけて実施した武蔵野市文化財恣皆調査の調査書や写真を展示している。

こちらは富士講の企画展で文化8年(1811)の富士参詣の旅程をたどる展示がおもしろかった。


6日間の行程をパネルで示している
しれっと1日に35~40キロ歩いているのが恐い。当然1合目から登っていくのよ。足元わらじで!体力化け物か!
7.「櫻井家の年中行事の記録」
今回の訪問でいちばんの収穫だったのがこちら。こんな立派な資料タダで貰って大丈夫?ドキドキしながらいただいた。

武蔵野市の旧家である櫻井家の平成16年度の年間行事を追った記録である。これがまぁおもしろいのだ。年中行事を観察する調査員が櫻井家の面々に「これはなぜ?どうして?いつから?」などと質問をするのだが
・え、なぜって母がそう言ってましたけど(わからない)
・代々そう伝えられているんです。
・知らない。昔からそうだったので・・・
・いつ頃から?わたしはちょっと・・・知らない。物心つく頃には・・・
・さあ~。。。(どう表現して良いか戸惑っている様子)
もうね、なぜそうするのかなんて基本わかんないの。でもやる!
あんこを煮るのはやめて買うのだけど一応まんじゅうは蒸かしているとか、代替わりのタイミングで簡素化しつつも続ける行事の数々。やるもんだとおもってるし、やめて何か(災いが)あっても嫌でしょ?やれることをしているだけーと櫻井家の人々。これって程度の違いがあるだけで我々のお正月などの感覚と何も変わりがないわけで。2025年の櫻井家はどうしているのかな。まんじゅうは蒸かしているかな。民俗・風俗っておもしろい。
8.寄り道は「ベーカリーカフェ・クラウン 武蔵境店」
多摩地区に8店舗を展開するパン屋さん。ひっきりなしにお客さんが訪れていた。

カレーパンや塩ロールがイチオシなようでイロモノ系のパン屋さんと思いきやシンプルなバゲットがおいしい。皮はしっかり中はしっとりで小麦の味が強い実力派。このパン屋さんは近所に欲しい!

9.最後に

この資料館は地味だ。ハコは中古だし展示物に際立って珍しいものはない。だがおもしろい!その名に違わず東京に「ふるさと」を感じることができる。郷土資料館の役割は郷土の歴史に関する資料の収集・整理・保管・調査研究を行うこと。そんな役割をばっちり見せてくれた。頼もしい資料館だった。この訪問で確信した。わたし、民俗学がすきだわ。
武蔵野ふるさと歴史館たのしいよ。是非!
