【官能小説】戦隊ピンク⑥海魔の誓い
前の話→
登場人物:
ヒーローorヴィラン / 人間 / キャスト
オクト・ドミナス / ーーー / 井口雅人
シャーク・ブレーカー / ーーー / 西野隆太郎
メデューサ・グロウ / ーーー / 高橋恵里
テイスト・ピンク / 桜庭ねね / ボブちゃん
アロマ・イエロー / 風間柚香 / 日向真緒
海の猛者たち、集う
深海の闇に沈むその神殿は、何億年も触れられることのなかった静寂の中に横たわっていた。水圧が異様なほどの重圧で押し寄せ、どんな音も振動も吸い込まれる世界。生物の影すらなく、ただ冷たい暗闇が広がるのみだった。
もはや、その名前すらも忘れ去られた神殿は黒曜石のような光沢を持つ漆黒の石で組み上げられ、無数の細かな文様が表面を覆っていた。その文様はどこか人工的でありながら、あまりに古すぎてもはやその意図を理解する術はない。
神殿はどこか無機質でありながら、ただならぬ威圧感を放っている。侵入者を迎え入れる気配は一切なく、むしろ存在そのものが拒絶されているかのようだ。この場所には時間の流れも感じられず、過去も未来もない。ただ、永遠の「停止」がその場を支配していた。

そんな場所に足を踏み入れる者がいる。存在を拒絶する神殿において、中に入るということが意味するところは何か。危険か。死か。それを暗黙の了解として、彼らは足を踏み入れる。目的は、海の怪人に伝わる伝説”海魔の誓い”であった。
神殿の中心に位置する広間は、ただ冷たく、湿った闇に包まれていた。周囲の壁に張り巡らされた紋様は、光りながら形を変え、まるで生き物のようにうごめいている。その異様な空間の中に、オクト・ドミナスが静かに佇んでいた。
「来たか。」
その低く響く声に応じるように、二人の怪人が入ってきた。
まず姿を現したのは、サメの怪人、ジョーズ・ブレイカー。
鋭い歯をむき出しにし、巨大な顎がかみ合わさるたびに鈍い音が響く。
その背後には、透明感のある体と触手を揺らすクラゲの怪人、メデューサ・グロウが妖艶な足取りで歩み寄る。
「何の用だ、オクト。くだらねえ話だったら、この牙でお前の触手をちぎるぞオ。」
ジョーズ・ブレイカーが挑発的に言い放つ。
「まあまあ、そんなに威嚇しないの。オクトのことだもの、きっと退屈しのぎになる面白いお話があるんでしょう?」
メデューサ・グロウが微笑みながら言う。
オクト・ドミナスは二人の反応に一切動じることなく、悠然と彼らを見据える。その双眸は闇の中で不気味に光り、そこにはただ一つの執念が渦巻いていた。
「お前たちにとっても、悪い話ではない。」
彼は一呼吸置いてから続けた。
「我々三人で”海魔の誓い”を交わし、セブンセンシズを撃滅する。お前たちには、戦隊の4人を相手してもらいたい。そして……俺はピンクをこの手にするのだ。」
広間に沈黙が落ちた。だが、それは困惑や戸惑いからではない。
そう。その沈黙は、二人の心に火を灯すような、悪の共鳴が生まれた瞬間であり、彼らもそう感じていたのだ。
オクト・ドミナスの計画
「誓い?何だそいつァ」
ジョーズ・ブレイカーが鋭い声で問いかける。
「海魔の誓いだ。」
オクト・ドミナスの触手がゆっくりと動き、空中で三角形を描くように円を作る。
「これは、深海の伝説にある儀式。我々三人が互いを兄弟と認め、心を一つにして力を合わせることを誓う。そうすることで、我々は個としての強さを超え、結束によるさらなる力を得る。」
「へえ……そりゃ面白そうだな。けどよ、破ったらどうなるンだ?」
ジョーズ・ブレイカーの目が怪しく光る。
「死ぬ。」
オクト・ドミナスは淡々と答える。
その一言にジョーズ・ブレイカーは一瞬黙ったが、すぐに豪快な笑い声を上げた。
「ハハハ!そんなもん関係ねえよ!今死んだって、後で死んだって変わりゃしねえ、その前に大暴れしてやるだけだ!」
一方で、メデューサ・グロウは唇に手を当て、楽しげに微笑んだ。
「死ぬか生きるかなんて、私にとってもどうでもいいわ。とにかくあたしは電流を流せればそれでいいの。それよりも、この誓いで得られる力……興味深いわね。それに、あなたの目的も。なんなのそれは?」
彼女の声には、妖しい色気と好奇心が入り混じっていた。
オクト・ドミナスの目的
オクト・ドミナスはゆっくりと語り始めた。
「私の目的はただ一つ――ピンクを完全にこの手にし、その心と身体を愉しみ尽くすことだ。」
「ほぉーう?」
メデューサ・グロウが興味津々に身を乗り出す。
「まず、他の戦隊4人はお前たちに相手してもらう。数的不利もねじ伏せてもらう。そして、俺はピンクと対峙する。」
「用意した仕掛けで落盤を起こし、物理的に俺とピンクが孤立した状況を作る。さらには通信阻害も行って、誰にも邪魔されることのない、救援することもできない孤立した状況を作り出す。その中でピンクをねじ伏せ、蹂躙し、舐めまわし、男としての本懐も遂げる。彼女のスーツを破壊し、素肌をあらわにし、そのすべてを愉しむ。触手も舌も総動員してな。」
そのあまりにも露骨な欲望に、ジョーズ・ブレイカーは一瞬呆れるような顔をしたが、すぐに大笑いした。
「ハハハ!お前、やっぱりイカれてるな!でも、その執念、嫌いじゃねえぜ。」
一方で、メデューサ・グロウは目を細めながら呟いた。
「アラアラ、妙に官能的ね……あたしとしたことが、私も少し興奮してきちゃった。この官能的な物語の一役者として輝けるなんて、どこか素敵ね。」
三人の過去と決意
オクト・ドミナスが低く語り始める。
「だが、それだけだと、お互いの利害が一致しているだけだ。それでもいいのだが、”海魔の誓い”を交わすからには、お前たちともっと共感しなくてはと思っている。」
「あぁん?」
「続けて?」
「お前たちは、強さゆえに疎まれ、孤立してきた。そうだろう?」
「そうだよ、俺はいつだって一人だった。でも、気にしねえ。俺は強い、それだけで十分だ。弱いヤツと協調するとかいらねえ。」
ジョーズ・ブレイカーが鋭い歯を見せる。
「私も同じね。どんなに力を持っていても、電流をただ流したいという私の価値観を理解してくれる者はいなかったわ。でも、それが何?私は私よ。」
メデューサ・グロウが冷たく笑う。
「だからこそ、我々は結束するべきだ。」
オクト・ドミナスが続ける。
「私ははじめ、モブ怪人だった。弱かった。何度も死んでは生き返って、また死んだ。しかし、ピンクを穢したいという欲望に目覚めてから、強くなった。とにかく強くなった。私の中で燃え続ける昏い炎が、そうさせるのだ。」
「悪が強くて何が悪い。はみ出し者で何が悪い。そして、悪が結束しないと誰が決めた?我々が結束すれば、物語作者(ストーリーテラー)の思惑すらも凌駕する力を見せつけることができるだろう。エンディングで、悪が勝つ未来を作るのだ。」
「そうね。あたしたちのために”海魔の誓い”を立てるのね。いいじゃない。身体が火照ってきたわ。」
「カカカッ!俺はよくわかんねえ!だが、オマエらと強くなるのは、いいぜ!やろうじゃネェか!」
海魔の誓い
オクト・ドミナスは三人の中心に触手を伸ばし、円を描いた。

「この誓いを交わせば、我々はさらなる力を得る。俺にとってはピンクをこの手に得るための戦いが始まる。そして、皆では生きる意味のための戦いだ。」
ジョーズ・ブレイカーとメデューサ・グロウが静かに頷き、それぞれの手をオクト・ドミナスの手に重ねた。
「念八觸霸主 咬顎裂破 電輝妖姫 雖然異姓 既結為兄弟 則同心協力 共成所志 兄恣情粉紅 目悦艶容 耳暢喘声 舌触肌軟 鼻嗅香馥 身溺歓愉 弟妹擊滅感覚戦隊 上不負己志 下成所願」
「不求同年同月同日生 只願同年同月同日死」
「浩瀚之海 實鑒此心 若背義忘恩 海衆共戮」
(※筆者和訳)
「オクト・ドミナス、ジョーズ・ブレーカー、メデューサ・グロウ、我ら三人、生まれし日、時は違えども兄弟の契りを結びしからは、心を同じくして助け合い、己の願いを果たさん。兄はピンクに欲望を注ぎ、目で艶やかな姿を悦び、耳で吐息を楽しみ、舌で柔らかな肌に触れ、鼻で香りをかぎ、身体全体で歓びに溺れる。弟妹はセブンセンシズを撃滅する。上には己の志に背かず、下には願うところを成す。」
「同年同月同日に生まれることを得ずとも、同年同月同日に死せん事を願わん。」
「広大なる海よ、どうかこの心を真実として見届けよ。もし義に背き、恩を忘れるようなことがあれば、海とそのすべての存在が共に罰を下す。」
三人が声を揃え、誓いを読み上げ始めた。空間から一切の音が消え、響き渡るのは三人だけの声。まるで、神殿が三人の声を聞き、その誓いが本物であるか見定めているかのようだ。
同年同月同日のくだりにさしかかると、別の世界の桃の花の下で同じような兄弟の契りを交わした、
仁義を貫き衆をまとめる盟主
赤馬を駆り蒼龍の刃をふるう長髯の武神
雷鳴のごとき咆哮で敵を震わせる猛将
の姿が浮かび上がった。同じ日に死すことは叶わなかったその英雄たちが、お前たちは成せ!と激励しているのだ。

そして、海に誓うくだりでは、この大海の海と、そこに住まう者どもが、彼らの誓いを見届ける。厳しくも雄大な海の力が流れ込んでくるようだ。

彼らが誓いを終えたその瞬間、神殿全体がまばゆく輝き、そして、三人の奥底から圧倒的な力が湧き上がってくる。
三人は、次元を超えた強さを得ていた。
「これが……海魔の誓い……!」
メデューサ・グロウが震える声で呟く。
「ハハハ!とんでもねえ力だ!なんでもブチ壊せるぜぇ!今ならなあッ!」
ジョーズ・ブレイカーが拳を振り下ろし、笑みを浮かべる。
しかし、オクト・ドミナスは冷たく皆を自戒した。
「浮かれるな。我々はさらに強くなった。それでも、我々はすべて万事抜かりなく計画し、どんな策を弄しようとも、目的を果たすのだ。狙いはピンク。」
その声には、絶対的な執念が宿っていた。

「クシュン!」
「わっ!大丈夫?」
「なんか寒気がしたわぁ~それともどっかで噂でもされたんやろか?」
当のピンクはまだ何も知らない。
次の話→
のんびり屋さんなグリーン&イエロー
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作者あとがき
なんですかこの怪人たち。かっこよすぎる笑
しかも、桃園の誓いを立てた、誰もが知っているあの伝説の英雄三人に願いを託されるなんて。作者、書きながら「アツい!」って口走ってました。子どもに変な目で見られました笑
こんな凄いやつら、どうやって倒したらいいんだ、、、!倒せなくても、官能小説としての目的は達成できるのですが。
超スゴイ域に達しているのに、この人たち、目的は世界征服とかじゃなくて、「ピンクにあんなことやこんなことしたい!」なんです笑 ブレませんね~
おそらく、戦隊 vs 海魔三将になったら圧倒的なレベル差で絶望的な展開になるでしょう。RPGでいう、負け確定のイベントバトルみたいな絶望感になっちゃうはずです。フフフ、、、狙い通り(?)。
ちなみに、ここで出てくる海魔の誓いの漢文ですが、桃園の誓いの漢文原文を紐解いて、適切な意味を当てていきながら作っている、地味に手間暇かかっている力作です(筆者体感)。当方、中国語も漢文もダメなので、Chat gptの助けを得ながら、一小節一小節、どの言葉を当てるのが良いか試行錯誤しながら作っておりました。おそらく制作に一番時間かかったポイントではないかと。でも、和訳見れば意味はすぐわかります笑
次回はほのぼの系になる予定!(ほんとかな?)
