FIGHT CLUB THAILANDの新企画、トーナメント”UNDER DOG”に「ムエタイ裏街道」のジョーカーも出場
タイの地下格闘技団体、タイ版ブレイキングダウンとも言われるファイトクラブタイランドは新企画として、8人のトーナメント戦である”UNDER DOG”を開始、エピソードゼロを11月3日よりSNSで配信している。今年1月のロン・リー戦を最後に格闘家からの引退を表明していたジョーカーがこのトーナメントに参戦し、ファンの注目を集めている。
UNDER DOGは、ワンデートーナメントとして実施された為、すでにチャンピオン(優勝者)が決定していると思われるが、11月10日現在で公開されているのは1回戦(準々決勝)の4試合のうち、ジョーカーと、そのライバルのゴーンが出場した2試合である。今回は、その2試合について紹介したい。

🔴UNDER DOGとは
UNDER DOGでは、8人の選手によるトーナメント戦でチャンピオンを決定する。これまでファイトクラブタイランドの試合は、あくまで戦うことを目的とし、公式に勝敗はつけていなかったが、今回はノックアウト、ギブアップ、判定で勝敗を決める。優勝賞金は50,000バーツ(約238,000円)。

試合はオープンフィンガーグローブ(MMAグローブ)のムエタイルールで4分1ラウンド。試合がKO、ギブアップもない場合、参戦した8人のうちの試合をしていない、残りの6人がジャッジとなる。 判定が引き分けの場合は、運営チームによる投票で勝敗が決定する。 特別フォーマットとして、ラウンド中、「ビーストモード」が始まるとリングのロープ替わりの「セーフマン」が試合サークルを狭めて、KOが発生しやすくする。ビーストモードの間にKOが発生した場合、特別ボーナスが付与される。
エピソードゼロは、60キロ程度のファイターを対象とし、IPPO、セ・ヌム・プラプラデーン、ジョーカーなど8人が参戦した。昨年、ファイトクラブタイランドにて、ジョーカーと2回戦った、ゴーン・トーラープ(ゴーン・PYG)も出場し、ジョーカーとゴーンが優勝候補と言える。
まず、オープニングファイトで姿を見せたジョーカーは7枚のカードから1枚を引いて対戦相手を決定、セ・ヌム・プラプラデーンと顔を合わせた。
🔴ジョーカー対セ・ヌム
セ・ヌムは本業はライダーとのことで、バイク便などの仕事をしていると思われる30歳、161センチ、56キロ。ジョーカーは23歳、61キロでこの試合に挑んだ。身長は171センチと、体格に差がある。試合前には「ノックアウトできるだろう」とジョーカーはコメント。

試合は立ち上がりから、低めのガードに構えたジョーカーが大きなパンチを打ち込んでいくが、セ・ヌムはこれを防御、決定打はもらわずに前蹴り、ミドルキックを放ち、応戦していく。体格で勝るジョーカーが押し気味で1分が経過すると、サイレンが鳴り30秒の「ビーストモード」に突入、セーフマンがマットの上、3‐4メートル四方で2人を囲う形にする。そしてジョーカーが一気にラッシュをかけ、大きな左フックが顎にまともに決まりセ・ヌムはダウン。試合は即ストップと思われたが、セ・ヌムが続行を希望し、試合は再開する。通常のファイトクラブタイランドの試合も、レフェリーやドクターが危険を感じた場合は、試合をストップするが、カウントも関係なく、本人が「やる」と言えば、試合は続く。そして2分、セ・ヌムの左ミドルを右手でキャッチしたジョーカーは、左手でセ・ヌムの頭を抱え、その身体を背中からマットに投げる。ここで、セ・ヌムはギブアップ。
セ・ヌムは「結果が出せず、お父さん、お母さん、子どもと奥さん、友達に謝りたい」と試合後、涙ながらに語った。出場者の1人、シー・スミスは「ジョーカーは体重も増えて(復帰前は57キロ程度)、パンチ力も増している。以前より強くなっている」とコメントしていた。これで、ジョーカーは準決勝に進出となった。



↑ ↑ ジョーカー対セ・ヌムの試合動画
🔴ゴーン対リル・プレーム
1回戦の2試合目は、ゴーン・トーラープとリル・プレームの組み合わせとなった。この2人は既にファイトクラブタイランドで2度顔を合わせており、今回が3度目の対戦という。30歳のゴーンは初期のファイトクラブに出場していたが、その後罪を犯して収監、出所してからは妻と屋台でムーピン(豚の串焼き)の販売を始めた。170センチ、61キロ。対するリル・プレームは自営業、171センチで56キロ。動画では「体重を作れなかった(増量できなかった)」と説明されていた。
試合は静かな立ち上がりも、開始30秒でビーストモードに突入、ゴーンが右ストレートでリルからダウンを奪う。かなり効いている様子のリルにレフェリーはカウントを開始、10カウント以内に立ち上がったリル。まだふらついている様子にレフェリーは試合をストップした。この試合でのカウントは、レフェリーが選手が続行可能かどうかの判断の為に、行っているものと思われる。前戦のジョーカー対セ・ヌム戦での、セ・ヌムのダウン時はカウントはされていない。
この試合について、シー・スミスは「リムは体重差があるにも関わらず、(KOの瞬間まで)よく戦った」とコメントしていた。そしてジョーカーは「ゴーンは調子良さそうだった。でも、俺と対戦したらそうはいかない」とコメントしていた。




↑ ↑ ゴーン対リルの試合動画
🔴準決勝に進んだ因縁の2人
1回戦2試合が終わり、ジョーカーとゴーンが準決勝に進出した。UNDER DOGのこの続きも、公開され次第、こちらで紹介していきたい。
ジョーカーは拙著「ムエタイ裏街道」の主人公の1人であり、UNDER DOGでの格闘家復帰を嬉しく思う。しかし、1月の引退表明以降は、メディアに「プロサッカー選手を目指す」とコメントして、サッカーの練習を続けていたジョーカー、格闘家はUNDER DOGでの期間限定となるのかどうかは不明である。ゴーンについては、彼の日常を紹介する動画がYoutubeで公開されているので、次回以降で翻訳して紹介したい。

※FIGHT CLUB THAILANDのSNS、YOUTUBEで観戦、写真も FIGHT CLUB THAILANDのSNS、YOUTUBEより使用。
※オダサイ著作、ジョーカーと中村慎之介が主人公の「ムエタイ裏街道」好評発売中。
