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「見積もりは来たが…」能登半島地震後を生きる・№120(2025/11/04)


本堂は「一部損壊」

お寺の話。
うちの菩提寺の本堂は,昨年の能登半島地震でも倒壊することなく,ちゃんと建っている。おかげで,自宅がなくなった方たちの法事をしたり,ボランティアが来てくれたときの集合場所や休憩場所として利用している。
しかし,太い柱が大きくズレて床には大きなスキマがあるし,それによって一部ボコボコになって「立入禁止」の札をつけている場所もある。また,本堂を囲む廊下部分には大きく沈んでいる柱も数本あるし,外陣の漆喰の壁は大きく亀裂が入ったり,一部崩落したりした部分もある。

本堂修理の見積もり

今回,岐阜県のある業者に見積もりをお願いしたのだが,それが先月末に来た。一部の役員で修理すべき場所の詳しい説明をお聞きした。寺という大きな建物の修理なので,金額も高額だ。

業者から見積もり内容を聞く。(撮影:2025.10.27)

この修理費を門徒さんたちに負担してもらわなければならないのが,たいへん心苦しい。
少しでも門徒の負担が軽くならないかと,ダメ元で,今日,市役所総務課に出向いてみた。

市役所担当課の対応

というのも,11月1日,今後の相談のために役員が集まったときに〈集落にある神社の建物や鳥居の修理にちゃんと補助金が出た〉ということを聞いたからである。その割合も補助が10分の9だというのだ。住民の負担は10分の1で済んだらしい。
その際,〈地域コミュニティへの補助金の申請をした〉ということだったので,「それならば,お寺の本堂の外陣だけでもどうにかなるのではないか」と相談に出かけたのだ。
下のような記事も見たことがあった。

「令和6年能登半島地震復興基金交付金基本メニュー(市町事業)」(石川県)より

実は,わたしは〈地域コミュニティへの補助金〉のことはずっと前に調べてあって,その要綱をじっくり見て「宗教施設は無理らしい」と諦めていたのだ。しかし,神社への補助金が出たということを聞いたので,申請ができるかどうかを聞きにいったというわけである。
上の記事では,補助率が4分の3だったが,その後10分の9になったらしい。

結論は「無理です」

担当者には,30分間ぐらい,いろいろと話を聞いてもらったのだが,結論をいうと「お寺は地域コミュニティとは認められません」ということだった。

じゃあ,神社はどうして「地域コミュニティ」なのかというと,「その建物の管理を地域の全住民がやっているから」ということらしい。神社は氏子がお金を出し合って管理しているが,氏子≒集落の住民というように,その地域に住むほとんどすべての住民がその神社の氏子であると言える。ここが大切だという。神社を地域コミュニティと考え,その補助金を申請するのは,区長や町会長という立場の人だという。

一方,お寺の場合は,門徒(檀家)が世話をしているが,地域住民のほとんどがその寺の門徒というわけではない。さらに,ほかの地区にも門徒が住んでいる。そもそも地域が違うというのだ。

神社仏閣というように両方とも宗教施設であることは確かだが,「神道の方は全住民が参加しているから…」というのが,担当者の説明だった。

地域の住民が自腹を切って維持している――電気・水道料金を払い,年2回掃除をしている。一方で建物を利用するのは年に3回ほど――建物や鳥居は大切だからと,補助金を出してくれる。
一方,地域の住民――全員ではない――が,月に一度,希望者(門徒だけではない)が集まって利用している建物には,補助金はでない。

安全のため,修理は必要

まさか,危険な建物を,このままほおって置くわけにはいかない。
柱の傾き直すことは大前提だ。そして,それには安くない費用がかかる。
今日の交渉の結果,現状では,これを門徒だけで負担するしかない。
しかし門徒さんたちの自宅は,その4分の3が公費解体されてしまった。その方々は,いま,仮設にいるか他郡市へ転居したか,である。
このような方々に,負担を強いれるのか。

なんとかできないか。
なんとかしてほしい。
助けて欲しい。

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