もうひとりの「茉侑」へ。【神楽坂、スカートは紅し・あとがき】
はじめに
このたびは、拙作「神楽坂、スカートは紅し」をお読みいただきありがとうございました。
この「神楽坂、スカートは紅し」は、ずっとずっとあたためていた作品です。
出すタイミングはいつなのだろう、と自分でも思っていました。
今日も死ねなかった、と毎日思う人々を想いながら、そして私もそう思いながら今これを綴っております。
朝が正しく来るたびに、哀しみに暮れることもあるでしょう。
そんなもうひとりの「茉侑」のような、あなたに届けたいと思っています。
もちろん、そうじゃないあなたにも、届いたら本当に嬉しいです。
茉侑が、航大の元カノが患っていた病気は私と同じもの
最近某俳優さんがこの病気であるとメディアが取り上げて、正直「おい静かにしてくれ」と思いましたが、茉侑、そして私は双極性障害Ⅱ型という病気を患っております。
決して病気が美化されることなく、生々しく描こう、でも実際に罹患している方が読んで不快にならないようにもしよう、と配慮に配慮を重ねました。
追記:2025/05/23
茉侑の「働く」は、バリバリとした社会復帰とは違います。
それでも、誰かの「いらっしゃいませ」と「ありがとう」の間に存在できる。
そんな小さな一歩一歩が、彼女にとっては再生の証でした。
「神楽坂、スカートは紅し」のもう一つの顔
タイトルは「神楽坂、スカートは紅し」。
え?スカートが赤いだけじゃん? って思ったかもしれません。
でも。
紅いスカートは、茉侑にとって“着たことのない色”。けれど彼女が変わっていく物語の中で、紅はただの“色”ではなくなっていきます。
色の変化と時間の変化で「紅」の意味が変わってきます。
そしてもう一つの顔。
実はこれ
「scar(傷)とは(生きる)証」
だったのです。[4]生きる証、あの言葉がそうです。
誰も気づいてくれなそうだったので、自分で言いました(号泣)。
でもいいんです、そういうのって、気づかれなくても作品の中で生きていれば。
タイトルを考えているとき、めちゃくちゃ楽しかったです。
神楽坂という、どこか非日常と現実の境目のような街で、傷を抱えながらも少しずつ日常に戻っていく二人を、私は書きたかったのかもしれません。
航大と茉侑の関係の変化
作中では抱きしめすぎの航大さん(笑)と、名前呼びに変化した茉侑ですが、明確に「好き」とは言っていません。
でも、それが大人の恋なのかなー……? と思いつつ
続編構想はあります。はい、がっつり。(いつかは分かりませんが、必ず)
この作品「恋愛小説」なのですが、比重が「再生」にやや寄っているので、航大さん、言葉にしましょうか。ね?(謎の圧)
傷を抱えた私と茉侑と、あなたへ
傷は、きっと消えません。
痛いことの方が、たぶん多いと思います。
それでも──あなたが今これを読んでいる、その「今」だけは確かに生きている。
だから私は、拍手を送りたいのです。
静かに、でも確かに、ここまで来たあなたに。
疲れたとき、苦しいとき、寄り添える小説を書きたくて。
でも、自分の傷が、過去が邪魔してきました。
この作品は、私の「今出せるすべて」です。
派手さも、ドラマティックな展開も、そこまでないかもしれません。
でも、あなたの「今」に少しでも住まわせてくれたら、作者としてこれ以上嬉しいことはありません。
では、またnote村の違う街で、違う“紅”と共にお逢いしましょう。
オガワヒカリ
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