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【エッセイ】『堪忍の袋と地雷と、キッチンと』~戦国武将とサレ夫が教えてくれる「生き抜く知恵」・中編

目次


夕日と人生

前編を読んでいただき、ありがとうございました。

前編では、出会いから結婚、義実家での暮らし、そして少しずつ顔を出し始めた違和感までを書いてきました。
振り返れば、あの頃はまだ平和だったのかもしれません。
いや、正確には。
火山はすでに活動していたけれど、
まだ地表に現れていなかっただけだったのでしょう。
そして中編。
いよいよ噴火が始まります。
今こうして振り返ると、
よく倒れなかったな。
と、自分でも思います。
でも不思議なもので、
人は追い詰められると壊れるだけではなく、
何かを作り始める生き物でもあるようです。
家を作り。
会社を作り。
居場所を作り。
家族を守ろうとする。
中編は、そんな時代の記録です。
人生最大級のドタバタ劇の真っ最中なのに、
なぜか笑える話も少なくありません。
たぶん人間は、
泣きながらでも前に進むために、
笑うという技を身につけたのでしょう。
噴火のあとに残るものは、
灰だけではありません。
そこから始まる暮らしもあります。
それでは。
沖縄の風が吹き始める中編で、お待ちしています。

第9章:我が家に起きた噴火たち

~火山列島に生まれた宿命なのか~
家族って、不思議だ。
笑い合った翌日に、噴火することもある。
穏やかな食卓に見えて、実は足元がマグマのように煮えたぎっている。
我が家も、例外じゃなかった。
義母という“活火山”と、彼女という“火山帯”と、そして未熟な僕という“震源”。
プレートが複雑に重なり合って、ちょっとした一言でドカンといく。

2026.6.26公開

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第10章:葛藤そして決断

~「お前は帰って来ないだろ?」~
義母との日々は、静かな水圧のようなものでした。
決して爆発はしない。
けれど、確実にじわじわと押してくる。
気づけば、
心の奥底に何かが沈みはじめている。
そんな感覚に、ふと気づく。
でも、
いちばん苦しかったのは、
彼女(妻)が、少しずつ義母に似ていくのを感じたことだった。

2026.6.27公開

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第11章:説得工作、新たなる戦場の舞台

~「移住への説得工作は、熾烈を極めた。」~
まず一番に向き合わなければならなかったのは、彼女だった。
言葉を選びながら、何度も、繰り返し伝えた。
「このままじゃ、
 君が一番嫌がってた“お義母さんそっくり”になっていくよ」
「義母の介護が…この先、僕にできる自信はない。
 そして、何より君に背負わせるのはもっと無理だと思う」
「島に帰ろう。子どもたちを、のびのび育てたい。
 人の目を気にせず、自然の中で。家族で、もう一度やり直したいんだ」
どこにでもあるような言葉だったかもしれない。
でも、何百回も繰り返すうちに、本気だけが残った。
結婚のとき、彼女は「いずれは島で暮らす」ことに同意していた。
島の暮らしに憧れがあったとは思えない。いや、少しはあったと思う。
でも、たしかに言っていた
僕は、その言葉に、
ずっと甘えていたのかもしれない。

2026.6.28公開

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第12章:島から、再び

~引っ越し、それって「やり直し」じゃなかったの?~
引っ越し、それって「やり直し」じゃなかったの?
引っ越しってさ、ひとつの節目だと思ってたんですよ。
“古い空気を断ち、新しい空気を吸って、また家族でリスタート!”みたいな。
実は、住むところは再就職先の事務長に一任して(遠方だったので)。
空港からタクシーで指定されていた不動産屋に直行、契約して鍵を受け取り、
はい、お待たせしました。 地雷、踏みました。
契約から鍵の受け取りまではスムーズ。
カチャリ!
アパートの鍵を開けて、新たな暮らしのスタートだ!と、
子どもたちは駆け出し、僕もはしゃぐ。
玄関からベランダまで突き抜ける明るい光。
「ありがとう事務長、写真の通りじゃん!」と、
みんなでベランダに出たりしてはしゃいだ、そのとき
トイレから彼女の悲鳴。
「ぎゃーーーーーーーーーーーーーー!!」
駆け寄ると、口を押えて凝視する彼女。 目線の先は……

2026.6.29公開

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第13章:嵐の中の築城、そして脱藩

~マイホームは夢の城か、地雷の要塞か~
新たな出発を切り、僕は全開モードで突き進んでいました。
ただ当然、煙たがられる存在でもありました。
8年ぶりの復帰。知らない顔ぶれのなか、どこの馬の骨とも分からぬ“元職員”が、いきなり変革を起こそうと、駆け回るわけですから、そりゃあ反発も出ます。
案の定、現れました。
鬼瓦フェイスのベテラン職員。
第一声はこうでした:
「俺は、お前のこと、認めてるわけじゃないからな」

2026.6.30公開

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第14章:独立起業とカルシウム

~40代、骨と希望は折れやすいけど、ちゃんと育つんです~
引っ越しも無事に終わり、子どもたちも新しい学校に慣れてきた頃。
僕は、ずっと温めていた「起業」のタイミングを、予定より前倒しして迎えることになった。
本当は、自己資金として200万円を貯めてから。
けれど、その前に彼女の「社長夫人モード」から放たれる、“無言じゃない圧”。
「まだ?」
「私はもう待てない!!」
時に声を荒げ、
詰め寄られることも増えてきた。
もう行くしかない。
準備途中のまま、僕の企業人生は見切り発車でスタートした。
そして登記完了。いよいよ会社スタート!という矢先。
水道検針のバイト中に、原付バイクで見事にすっ転んた。
左肩を強打したまま、午前中いっぱい我慢して検針を終え、午後に病院へ。
医師は静かに言った。
「左鎖骨、折れてますね」

2026.7.1公開

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第15章:湯気の向こうにあったもの

~闘いの幕が開いた。けれど、独りじゃなかった~
診断のあとは、即・治療方針決定。
抗がん剤で叩いて、腫瘍を縮小し、その後に手術。
いわゆる「がん治療フルコース」を受けるために入院となりました。
けれどこの“フルコース”、体にとっては地獄のフルコースでもあったと思います。
面会のたび、彼女の表情は薄れていった。
目に力がなくなっていくのを見るのは、ほんとうに辛かった。
髪が抜け、食欲がなくなり、気力が落ち、
そして、怒りが向かう先を失って、何度も僕にぶつけられました。
眠れず、睡眠薬も処方され、
でもだんだんと効かなくなり、薬は少しずつ強くなっていく。
日中もぼんやりとしたまま。
さらに院外の専門医への通院も必要となり、
その付き添いが新たに僕の役目になりました。

2026.7.2公開

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第16章:寝る暇なくても、それでも、日々はまわる

~俺の一日、24時間営業、定休日なし~
闘病ってさ、
もっとこう涙と静寂に包まれた、しんとした日々を想像してたんです。
でも実際は、
走ってました。ぜぇぜぇ言いながら。
朝は5時起床。
朝食づくり、子どもたちの起こしから身支度。
保育園送り、小学校送り、そして職場へ。
昼は外回り。
夕方は子どもたち回収。
夜は皿洗い、風呂、寝かしつけ。
そのあと書類作成。
布団にダイブできるのは深夜2時。
ねえ、これって人間?
「ほぼ24時間稼働のコンビニ店長状態」でした。

2026.7.3公開

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中編を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
このエッセイは、前編(全八章)・中編(全八章)・後編(全八章)――気づけば、意外と長編になってしまいました。ごめんなさい。
でも、僕の結婚生活(ある意味、黒歴史……いや、半分は幸せだったから、グレー歴史かな?んっ!グレーレキシ?グレ騎士?だいたい、こんな感じで妄想するのが僕の癖です😌)を描ききるとなると、どうしてもこの長さになりました。
さて、後編はいよいよ沖縄編に突入します。

第17章 信じるということ、裏切られるということ
第18章 ただいま地獄、笑って通過中
第19章 苦悩・不眠・そして再び
第20章 巻き返し
第21章 いざ天下分け目の関ヶ原へ
第22章 ついに大阪の陣へ
第23章 強制執行、されど正義は我にあらず
第24章 最終章あとがき


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