小学校受験体験記シリーズ 雙葉小学校
小学校受験体験記シリーズについて
私が小学校受験の伴走の中で体験したことやその時感じたことを説明会〜考査本番までありのままに綴った記事群です。
記事を通して、今後本番を迎えられるパパ・ママの皆様に先々に待ち受けるイベントを疑似体験してもらい、少しでも心の準備に繋げて貰えればと思い執筆しています。
諸事情から本番以降は有料設定してますが、本番までは無料で読めますのでぜひご参考にしていただければと思います!
※娘の学力については以下のシリーズでご確認いただけます
試験本番まで
(前年11月ごろ)雙葉に小学校があることを知る
雙葉。
首都圏に住んでおり、中学受験を経験した人であれば誰もが知る、女子御三家の一角を担う伝統校だ。
仮に中学受験を経験していなかったとしても、定期的にネット上でバズる「缶蹴りコピペ」でその名前を知っている方も多いのではないだろうか。

出典:オンライン家庭教師WAM
そんな雙葉に小学校があることを知ったのは、小学校受験をするかどうかを検討し始め、伸芽会の説明面談に足を運んだ時だった。
教室に入ると、壁一面に「○○小学校 合格おめでとう」と合格実績が貼り出されていた。
その中でも「慶應幼稚舎」「早実初等部」と並んで、左上の上座の一角に掲示されていたのが「雙葉小学校」だった。
この時初めて雙葉小学校の存在を知り、「やはり小学校受験でも実績としてアピールされるレベルの学校なのだな」と思った記憶がある。
その後の面談では、事前アンケートが配られた。
アンケートの中には「志望されている学校はありますか?(第三志望まで)」という設問があったのだが、この時の私は、「小学校受験は学歴のため」というミーハー丸出しの認識しか持っていなかった。
そのため「早実」「慶應幼稚舎」に加え、つい20分前に知ったばかりの「雙葉小学校」を書き入れた。
小学校受験においては擦られ尽くしたあるあるになっている「知名度と学歴で志望校を選ぶ親」が、当時の自分だったと記憶している。
(2月ごろ)学校研究が進まずに焦る
2月。まだ冬の寒さが残る中、私の心は別の意味で凍りついていた。
小学校受験という未知の荒野に足を踏み入れたものの、肝心の学校研究が遅々として進んでいなかったからだ。
教室の先生は言う。「願書は早めに。魂を込めて書きなさい」と。
至極真っ当なアドバイスである。
私はパソコンの前に座り、志望校の情報を集め始めた。
しかし、ここで一つの巨大な壁にぶつかることになる。
雙葉小学校は学校についての一次情報がネット上に全く転がっていないのである。
ネットの海をどれだけ回遊しても、出てくるのは匿名掲示板の噂話ばかりで、芯を食った一次情報が驚くほどに落ちていない。
他の学校であれば、公開授業や展示会といった学校の素顔を覗き見る機会が用意されているものだが、雙葉に関しては7月の説明会がほぼ唯一の公式な接点だ。まるで「一見さんお断り」なんじゃないかと勘繰るくらいに雙葉の情報が手に入らなかった。

(合同説明会にも出展しているが、資料参加のみで学校関係者はいない)
出所:雙葉小学校HP
そんな絶望に近い状況で見つけた一筋の光が、『雙葉の母 高嶺信子』という一冊の本だった。

この本は雙葉学園の第五代校長先生である高嶺信子さんの半生を綴った本であり、前半パートでは高嶺先生が出生してから先生職をご勇退されるまでの記録、後半パートでは学校の行事で高嶺先生が実際に話した内容が記されている。
学校理解の上ではこれ以上ない貴重な書籍であり、実際に私も読んで学校研究の上で非常に役に立ったのだが、当時困ったのがこの本の入手方法だった。
この本は残念ながら絶版となっており、まず一次流通での購入は不可能だ。一方で、中古市場を覗けば、足元を見るような1万円以上の値がつけられている。
挙句の果てには、メルカリでコピー品を堂々と販売する不届き者まで見つかる始末だ。カトリックの門を叩こうとする人間が、法を軽んじてどうするのだと、画面越しに静かな憤りを感じざるを得なかった。

結局、吉祥寺の古本屋で8000円という「相場よりは安いが、本一冊としては高い」絶妙な個体を見つけ、購入を決意しかけたその時、妻から連絡が入った。
「教室で貸してくれるって」
拍子抜けである。大手塾という組織の底力を見せつけられた気分だった。
後日話を聞くと、大手の教室ではどこも正規版をある程度の数持っており、志望されているご家庭に貸し出ししているようだ。
無駄な出費にならず、助かった。
もしこの記事を読んでいるご家庭で、私と同じように雙葉の母の入手に困っているご家庭がいればまずは教室の先生に相談することがおすすめだ。
間違っても違法コピーの購入なんてしてはならない。
ちなみにネットではあまり語られてないが、雙葉の母以外にもこちらの方も学校研究の上で大変参考になった。

こちらは雙葉の初代校長先生である「メール・セン・テレーズ」先生の半生を綴った本だ。
『雙葉の母』よりは雙葉学園に言及されている箇所は少ないものの、どういった学生を育てたいかなど、初代校長先生が学校に込めた思いを確認することができる。
残念なのが、こちらも絶版ということだ。
あまり知られていないからなのか、流石に教室にも在庫がなく、私は覚悟を決め、古本屋で1万円の札を差し出した。
しかし、本に記された「どういった学生を育てたいか」という創立者の祈りにも似た想いに触れた時、その1万円は決して高い授業料ではなかったのだと、今では確信している。
(6月ごろ)願書作成に絶望する
6月ごろになると、願書の本下書きを開始した。
第一志望に据えていた雙葉から書き始めたのだが、早速絶望した。
雙葉の願書は私立小学校の中でも1、2を争うレベルでヘビーな内容だからだ。
設問構成は毎年変わらず5問セットの構成であり、設問の数自体はそこまで多くないのだが、問題は紙のサイズだ。
多くの学校がA4サイズを採用する中、雙葉が指定するのはB4サイズ。
「A4よりちょっと大きいだけでしょ?」などと抜かす手合いは、今すぐ算数からやり直してほしい。
面積比にして約1.5倍。
この「0.5」の差が、書く側にとっては地獄の果てまでの距離に匹敵する。
紙面がデカいということは、すなわち、埋めなければならない文字数が物理的に増えることを意味する。
しかも、右上の写真と下部の家族情報を除けば、残りはすべて回答記入欄だ。
他校では抽象的な表現で済ませていた部分も、雙葉においてはガッツリ具体で書く必要があるのだ。
設問自体に目を向けると、問1〜4は他校でも聞かれるオーソドックスな内容なのだが、問5が難しい。
「その他伺っておいた方が良いと思われる点がありましたら、なんでもご記入ください」といった内容なのだが、自由すぎて何書いていいのかわからない。
途方に暮れた私は、受験塾で半ばカツアゲに近い形で購入させられた総合対策本を思い出した。
その本は、志望校別の対策がまとめられた、一見すると救いの書のような顔をした一冊だ。
「小学校受験を決めたら読むべき本」という言葉とともに、都内の高級ホテルのランチが余裕で食えるほどの金額を、受付の事務員に支払わされた記憶が蘇る。
中身といえば、過去の願書の文例がいくつか並んでいる程度で、その情報の薄さと価格の反比例っぷりには目眩がした。
だが、藁にも縋りたい親の弱みに付け込む商売としては、これ以上なく完成されている。
私は、そこに「答え」があることを信じて、ページをめくると、雙葉の願書文例も無事見つかった。
ところが、そこには、目を疑うようなアドバイスが記されていた。
受験にあたって、足腰が悪いなどの配慮が必要な場合は書きましょう。
(特になければ、「特になし」でいいです)
ダウト。
100万回言わせてもらいたい、それはダウトだ。
1問目から4問目までをミチミチに埋め、最後、最も広いスペースが用意されている問5に対して「親子共々健康ですので特にございません」と一行で済ませる。
そんな猛者がいれば是非この目で見てみたい。
間違いなく不合格通知という名の勲章が光の速さで届くことだろう。
正解はわからない。
ただ、これが「不正解」であることだけは、受験素人の私でも本能で理解できた。
そこからしばらく色々と考えたのだが、どうしてもピンとくる内容が思いつかなかった。
そのため、提出願書を載せてる有料noteなども買いながら情報収集していった。
調べていくと、各家庭とも大体以下のような内容を書いている様子だった。
・両親について
・子供に望む将来像
・「家族共々成長させてほしい」等の学校に対する期待
最終的に我が家もこれにならう形でなんとか記入した。
その後、記入欄のスペースと睨めっこしながら、ブラッシュアップに次ぐブラッシュアップを繰り返し、なんとか書き上げることができた。
ご参考までに我が家の最終版の文字数を載せておくと以下の通りだ。
ギリギリ問題文よりもフォントサイズが小さくならず、また記入欄にはまりきるボリュームになっている。
問1 学校を知ったきっかけ:220文字
問2 志望理由:260文字
問3 教育方針:520文字
問4 本人について:340文字
問5 その他:400字
なお、雙葉の願書は例にも漏れずオール手書きになっている。
実際の清書に際しては別記事でも触れたテクニックを使って書いた。
サイズ調整の方法なども言及しているので良かったら見ていただければと思う。
(7月ごろ)始めて学校に訪問する
7月に入ると、待ちに待った学校への訪問機会が訪れた。
学校説明会である。
先述の通り、雙葉の場合、学校を実際に訪問できる機会はこの学校説明会ただ一度きりだ。
他の多くの私立小学校では、運動会や文化祭などの学校行事が一般に公開されており、複数回にわたって学校の雰囲気を感じ取ることができる。
しかし雙葉は違う。
この一度きりの説明会でしか、学校の中を見ることができない。
学校を知る上で、極めて重要な機会だと言える。
ただし、参加できるのは保護者一名のみという制約がある。
つまり、娘はもちろんのこと、私か妻のどちらか一方は、考査当日まで学校の中に入ることができないということだ。
両親で一緒に見学して感想を共有する、ということができないため、参加する一人が見るべきポイントをしっかり押さえなければならない。
当日は平日の開催だったが、「ここだけは自分の目で見ておきたい」という思いがあった。
妻に任せることもできたが、校舎の造りや教室の雰囲気、そして実際に娘がここで過ごすイメージを自分の目で確かめておきたかった。
有給を取得し、妻を説得して、私が参加することになった。
当日は受付開始の5分前に到着したが、すでに列ができており、17番目ほどだった。
早めに来たつもりだったが、皆同じように考えているようだ。
しばらくすると警備員の方が来て、校内へ案内してくれた。
受付を済ませ、階段を上がって説明会会場へ向かった。
説明会会場は400〜500人程度が入る講堂で、開始前にはほぼ満席になっていた。これだけの保護者が集まっているのを見ると、改めて雙葉小学校への関心の高さを実感した。
説明会が始まるまでの間、配られたパンフレットを開くと、「親の祈り」と題された詩が挟まれていた。

学校HPでも公開されている情報なので見てもらえればと思うが、当時は初見でありまじまじと読み耽ってしまった。
特に以下の一節が身に沁みた。
大人の判断や習慣で、子どもを縛ることのないように、子どもが自分で判断し、自分で正しく行動していけるように、導ける知恵をお与え下さい。
これまで「子どものため」と信じて進めてきた受験準備は、実は私自身の価値観や期待を押し付けていただけではなかったか?
そんな問いが、静かに胸に突き刺さった。
色々と考えを巡らせていると、渡部校長先生が登壇し、学校説明会が始まった。
校長先生は朗らかな印象の方だった。
話の内容は、AI時代との向き合い方、学校が現在取り組んでいること、具体的な教育内容、そして実践されているカトリック教育についてだった。特にカトリック教育については、単なる宗教教育ではなく、日常生活の中でどのように実践されているかという点まで丁寧に説明があった。
校長先生の説明が終わると、学校紹介のビデオが流れた。
ビデオの中では「学園感謝の日」についての言及もあり、『雙葉の母』でその成り立ちを知っていた私は、少し嬉しくなった。
事前に読んでおいて良かったと思った瞬間だった。
ビデオが終わると、今度は教頭先生が登壇し、学校生活の詳細や入試の流れについて説明してくれた。
考査の予定時間や、登下校の方法など、具体的で実務的な内容だった。
一通りの説明が終わると、前の席から順々に学校見学が始まった。
高学年の教室から順に回っていくスタイルだ。
ここで驚いたのが、教室や廊下に掲示物がほとんどないことだった。
普段から実際にそうなのか、それとも説明会に合わせてプライバシー保護のために外したのかはわからない。
しかし、生徒が作成した作品や、学年の目標といった掲示物が全く見当たらないのだ。
他の学校であれば、こうした掲示物から生徒の雰囲気や学校の方針を感じ取ることができた。
願書に書いた内容を補強するようなエピソードを拾えるのではないかと期待もしていたのだが、完全に当てが外れた格好だ。
その一方で、印象に残ったのは理科室がかなり充実していたことだった。
実験器具の種類も豊富で、理科室そのものも広々としていた。
情操教育面ばかりに目が行っていたが、実学面でもしっかりと力を入れている様子が見て取れた。これは意外な発見だった。
試験本番
(11月1日)考査1日目(ペーパー考査)
時はあっという間に過ぎ、考査本番の日を迎えた。
別記事でも書いたカリタス小学校を受験した際、当日の朝は準備でバタついてしまった反省があった。
そのため今回は、私たち両親だけは早めに起床することにした。
娘は普段よりも1時間遅めに起こす計画だった。
ここから先は

学校別受験体験記シリーズ(まとめ読み用)
各学校の説明会から本番に至るまでに感じたことをまとめた記事群です。本番以降有料としてる部分についてまとめてお読みいただけます。
記事作成の励みになりますので応援いただけると嬉しいです!
